Ageless Life 2017年9月22日

夢をかなえるのに、年齢は関係ない

神山昌子さん(73歳)

34歳の時に一念発起、司法試験に23回も挑戦し、61歳で弁護士になった神山昌子さん。弁護士を目指そうと思ったきっかけは、何気なく手に取った一冊の本だったそうです。なぜ、23年間も諦めずに挑戦し続けられたのか──60歳を過ぎて夢をかなえた神山さんに、目標を持ち続ける強さについておうかがいしました。

実は趣味がスキーの神山さん。多忙な毎日でも1年に数回は行くようにしているという

大切なのは自分自身を信じる気持ち

現在、73歳の神山昌子さん。約40年前に商社で職場結婚をした夫と別れて、一人息子を連れて実家で暮らしはじめました。そして、34歳のある日、司法試験に挑戦する事を決意します。

神山さん 弁護士を目指そうと思ったきっかけは、たまたま読んだ法律の入門書。離婚や父の遺産相続を経験していたので「どうしてこんな法律があるの?」という興味は元々あって、知れば知るほど面白くなったんです。大学の専攻は英文学でしたが、六法全書や専門書、判例も楽しく勉強できました。もちろん、覚えるのは大変でしたが(笑)。

 
司法試験を受けていた頃に使っていた「憲法の基本書」。付箋やメモがびっしり

以来合格までの25年間、居酒屋や市役所、宅配便など様々な職場でパートタイムで働きながら、予備校に通って勉強して、子育てもして、母親の介護もして……。「とにかく夢中で走り回っていた」と、神山さんは笑顔で振り返ります。

神山さん 「私は合格できる」と終始、自分自身を信じていました。ただ、友人は「根拠のない自信」と(笑)。でも、受験3回目で短答式試験(第二次試験)に合格したし、予備校の答案練習会(模擬試験)で何度も成績優秀者になったし。論文式試験(第三次試験)も不合格ながら評価はAかBだったので、「あそこを直せば今度こそ受かる」と常に前向きでした。小さな成功体験があったおかげで「やる気」が続いたのかもしれませんね。

 
2011年には『苦節23年、夢の弁護士になりました』を発行、大きな話題となった

そして、2005年、母親を亡くしたその年に合格。「最高に集中できた試験だった」ということが、神山さんが思う一番の合格理由です。
発表当日、掲示板にあった自分の番号を何回も見直しているうちに、自然と涙がこぼれたそうです。

神山さん それまで22回の試験では一度も泣いた事はなかったのですが……。「年齢なんて関係ない。いくつになっても人間、好きな事をやり続けていいんだ」と改めて実感しましたね。

「人生経験」が相談の本質を引き出す

司法試験合格後、司法修習生として1年半の研修期間を経て、61歳から北海道・旭川の「法テラス」(一定の収入基準以下の人に法に関するサービスを提供する独立行政法人)に3年間赴任。以来、弁護士として12年目に突入しました。

「豊富な人生経験」を強みに、様々な相談に対応される神山さん

神山さん ようやくどんな相談が来ても対応できる「中堅」になったと思います。経験が足りないうちは手持ちの策が少ないんですね。実際の弁護活動を通じて、失敗して覚えて、人の話を聞いて本を調べてという事を繰り返すうちに策も増えてくるんです。10年を超えるその蓄積によって、こうすればこうなるだろうという事が今は分かるようになってきました。

弁護士としての神山さんの強みは、やはり「豊富な人生経験」のようです。

神山さん 法律相談はいわば人生の相談事です。なので様々な経験をしている弁護士のほうが話を聞いたときに「本質」をつかみやすいと思います。相談者は緊張して身構えて事務所にやってきます。そこを「本当はこう思っているんじゃないですか?」と早く引き出してあげることが大切なんです。子供を育てた、介護をした、相続で揉めたといった経験がある私は、相談者とのコミュニケーションの部分では、当初からすごく得をしていたと感じますね。

人の役に立とうとすれば、自分も幸せになれる

神山さんの現在の目標は「80歳まで現役」で活動すること。相談内容は、離婚の中でもDV関係、児童相談所の案件、障害者施設での事故関係、不倫問題や犯罪被害者の問題など多岐に渡ります。

毎日が「充実」していたからこそ試験を受け続けられたと語る神山さん

神山さん これだけ弁護士の数が増えても、どの弁護士からも相手にされないで困っている方というのは、いまだにたくさんいらっしゃるんです。お金にならなかったり、手に負えなかったり、他の仕事に差し障りがあったりというような理由で。それをすべて私が引き受けられるわけではないけれども、一人でも多くの方の役に立ちたいと思っています。

最後に神山さんは同世代に対して「自分で自分を年寄り扱いしていたら、幸せになれないから」と、こんな提案をしてくれました。

神山さん 自分の事で精一杯で、他者を思いやる余裕がなくなっているように感じます。でも、ほんの少しでいいから周りの人に何かしてあげてほしいんです。きっとそれが自分も幸せになれる方法だと思います。お年寄りは「年寄り扱い」されがちですが、何か人の役に立つ事を実行してほしいと思います。

 

年齢にとらわれない神山さんの伸びやかな生き方は、「困っている人のために…」という情熱とともに、これからも続きます。

神山昌子さん プロフィール

1944年、栃木県生まれ。国際基督教大学卒業後、商社に勤務し、結婚退職。しかし、出産後に離婚。34歳のときパートの待ち時間に読んだ法律の入門書がきっかけで、弁護士になろうと思い立つ。37歳から連続22回試験を受け続けたが、ことごとく失敗。そして、23回目のチャレンジで、ついに司法試験合格。61歳で弁護士になる。

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