栄養トピックス 2017年8月23日

年齢のせいだけではない?!
脳の機能と栄養素の関係

史上最年少でプロとなり、先輩棋士を次々と破った中学生棋士。その連勝記録に多くの注目が集まりました。さまざまな戦法や相手との心理戦など、脳を酷使する将棋では、たくさんの栄養素が使われています。今回は、脳の機能と栄養素の関係について、脳の認知機能にかかわりのある栄養素「DHA」にスポットをあててご紹介します。

脳で働く神経細胞にも栄養が必要ってホント?!

DHAは、「ドコサヘキサエン酸」という脂肪酸の一種です。DHAは「不飽和脂肪酸」の中でも、重要な「必須脂肪酸」です1,2)。「不飽和脂肪酸」は、魚介類や植物の脂に多く含まれ、「必須脂肪酸」は体の中で作り出せない脂肪酸です。特に、DHAは魚介類などから摂る必要があります。

約50~60%は脂質であるといわれている脳にDHAは多く存在し、DHAは脳で情報の伝達と処理を担っている神経細胞の細胞膜の重要な構成成分となっています1, 3)。食事などから摂ったDHAは、腸から吸収され血液の中へ運ばれ、脳へも届きます。脳の機能を維持するためには、脳の神経細胞のメンテナンスが重要です。DHAはこのメンテナンスにも大きくかかわっていると考えられています。
欧米型の魚の少ない食事では、DHAが相対的に不足してしまう可能性が指摘されています3)。食事などからDHAが十分摂れているか、より意識する必要がありそうですね。

また、DHAは、胎児・乳幼児期での脳の発達にかかわっていることも知られています1,3)。幼いころ、「魚を食べると頭がよくなる」といわれた経験はありませんか? これはDHAが魚介類に多く含まれることによるものでしょう1)。幼いころに聞いた、こうした“ウワサ”は、あながち間違いではなかったことがわかります。
さらに、胎児・乳幼児期といった体が発達する時期だけでなく、DHAは、成人でも、記憶や学習能力といった脳の機能を維持するために必要な栄養素であることや、DHAを多く摂取する高齢者では加齢に伴う“物忘れ”などの認知機能の低下を遅らせるという研究報告もあります3)

DHAのほかにも、ココナッツなどに含まれる中鎖脂肪酸は脳のエネルギー源に4)、ビタミンやミネラルは脳のエネルギー代謝にかかわっていることが知られており5)、脳がその機能を十分に発揮するためにはさまざまな栄養素が重要であることがみえてきます。

50歳を過ぎたころから、会話の中で「あれ」や「それ」が多くなったり、人の顔が浮かぶのに名前がすぐに思い出せなかったり……という方も多いのでは? 脳や体の衰えには誰しも不安を感じるもの。まずは正しい生活習慣を心がけ、普段の食生活ではどうしても補いきれない栄養素は、サプリメントなどで意識的に摂取し、毎日の栄養バランスを整えるようにしたいですね。


  1. 1)橋本道男、ドコサヘキサエン酸による脳機能改善作用と神経疾患への応用.オレオサイエンス.6(2)67-76(2006)
  2. 2)「e-ヘルスネット 不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)」(厚生労働省)
  3. 3)橋本道男、ω3系脂肪酸と認知機能. 日本臨牀. 72(4)648-656(2014)
  4. 4)寺田新、脂質による代謝調節機能-スポーツ栄養・健康栄養における新たな可能性-. 体力科学. 66(1)9(2017)
  5. 5)横越英彦、食品成分と脳機能. 化学と生物. 40(12)820-826(2000)

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