栄養トピックス 2018年01月11日

アメリカ人より少ない野菜摂取事情!?
日本人の“食物繊維”不足

皆さんは「和食」に対してどんなイメージを持っていますか? 2014年に東京都が行った「食生活と食育に関する世論調査」では、和食のイメージを「健康的」と答えた人が最も多かったという結果が出ています1)。2013年に「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されましたが、和食=ヘルシーというイメージは世界的にも定着しているかもしれませんね。事実、一汁三菜を基本とする和食は野菜もしっかり摂れ、バランスがよいといわれています。しかし、最近では、実はアメリカ人よりも日本人のほうが野菜の消費量が少なくなっていることをご存知でしょうか。

食の欧米化が進み、野菜消費量の減少が続く日本

日本は平均寿命および健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)ともに世界トップクラスであり、その要因の一つに、米(ご飯)を中心に、魚や肉、野菜、海藻、豆類などの多様な食材をバランスよく組み合わせた「日本型食生活」があるといわれてきました。

しかし、1965年ごろから日本人の食生活は肉類・油脂類の消費が増え、野菜の消費は減少するという「食の欧米化」が起きています2)。一方、アメリカでは1980年代から野菜消費量の増加傾向が続き、1980年には1人1年当たり日本人123kgに対してアメリカ人102kgだった野菜消費量が、2009年には日本人102kg、アメリカ人123kgと逆転しています2)

日米における1人1年当たりの野菜消費量の推移

野菜はビタミン、ミネラル、食物繊維などの重要な供給源となっています。循環器疾患やがんの予防には十分な量の野菜を摂取することが大切だとされ、厚生労働省では成人の野菜摂取目標値を1日350g以上に設定していますが、平成28年の国民健康・栄養調査によると、野菜摂取量の平均値は1日276.5gとこれより少ないのが現状です3)

また、アメリカ以外の諸外国と比べてみても、日本人1人当たりの野菜消費量は世界177ヵ国を上回ってはいるものの、同じアジア圏の中国や韓国のほか、イタリア、スペインといったヨーロッパ諸国よりも低いという4)、やや見劣りする結果となっています。

便通改善をはじめとする食物繊維の驚きのパワー

野菜に豊富に含まれている食物繊維は、消化されずに小腸を通って大腸まで達する成分です。以前はエネルギー源として体内で利用されないことから栄養的には価値がないと考えられていましたが、今では便秘予防や腸の働きを正常にするだけでなく、生活習慣病やがんの予防にも効果が期待される重要な栄養素と考えられるようになってきています5,6)

厚生労働省策定の日本人の食事摂取基準(2015年版)では、1日当たりの食物繊維の摂取目標量を18~69歳の男性で20g以上、女性で18g以上としていますが6)、実際の1日当たりの平均摂取量は成人男性が15.0g、成人女性が14.4gにとどまっています3)

毎日の健康なお通じのためには1日20g、心筋梗塞による死亡率の低下には1日24g以上の摂取が必要だとする報告もあり6)、積極的な摂取が勧められています。

毎日の食事が、健康寿命のカギを握っている

現在では摂取不足が心配されている食物繊維ですが、実は1950年代の日本人の平均摂取量は、1人当たり1日20gを超えていたそうです。ひじきの煮物やきんぴらごぼう、切り干し大根の煮物、うずら豆の含め煮、春菊のごまあえなど、昔ながらのお総菜には食物繊維がたっぷり含まれています。食生活を見直して、野菜をはじめ豆類や果物、海藻類など、食物繊維を多く含んだ食品を毎日の食事に上手に取り入れましょう。野菜はサラダなど生のままではかさが大きく、十分な量を食べるのは大変ですが、煮る、茹でるなど火を通すことでかさが減って食べやすくなります。

また、近年、腸内環境を整え、善玉菌の増殖を助ける食物繊維「グアーガム分解物」も注目されています。グアーガム分解物を手軽に摂取できる食品やドリンクなども活用して、食物繊維の積極的な摂取を心がけたいですね。


  1. 1)「食生活と食育に関する世論調査<概要>」 平成26年10月(東京都生活文化局)
  2. 2)「野菜の消費をめぐる状況について」 平成25年1月(農林水産省)
  3. 3)「平成28年国民健康・栄養調査結果の概要」(厚生労働省)
  4. 4) 「1日1人当たり野菜供給量の国際比較(2007年)」(一般社団法人 ファイブ・ア・デイ協会)
  5. 5) 中村丁次、栄養の基本がわかる図解事典. 成美堂出版(2017)
  6. 6) 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書(厚生労働省)

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