栄養トピックス 2018年02月21日

体だけじゃなく「頭」もスッキリ過ごしたい!
脳の健康によいと話題の「〇〇食」って?

皆さんの「食」に対するこだわりって何ですか? おいしいのはもちろんのこと、見た目やカロリー、いや安全性に一番こだわっているという方も多いことでしょう。でも、やはり気になるのは「栄養」ではないでしょうか。アクティブに毎日を楽しむために、日々の食事では体にいいものを積極的に取り入れたいですね。今回は、最近の研究から明らかになった「脳の健康」によい食生活についてご紹介します。

「脳によい」と話題の食事スタイルとは?

認知症の予防に適した食生活として2015年に学術誌に発表され、最近注目されているのが「MIND食(Mediterranean-DASH Intervention for Neurodegenerative Delay)」です。MIND食のベースになっているのは、循環器疾患の予防によいとされる地中海食1,2) と、高血圧の予防や改善によいとされるDASH食3,4,5)という食事方式。MIND食は、認知症予防を目指してこの2つを融合させた食事スタイルなのです。

MIND食の効果を調べた研究の結果をご紹介します6) 。健康な成人923人(平均年齢約80歳)を対象に、食生活と認知症発症の関係を、平均4年半にわたって追跡調査した結果、MIND食をしっかり実践していた人たち(下表に示すスコアが8.5~12.5)は、ほとんど実施していなかった人たち(スコア2.5~6.5)に比べて、アルツハイマー型認知症の発症リスクが50%以上も低くなることがわかりました。この研究では、それほど厳密に実践していなかった人たち(スコア7~8)でも30%以上発症リスクが低下していたことから、MIND食は、頑張らずほどほどに取り入れるだけでも効果が期待できる食事方式だと考えられています。

「MIND食」ってどんな食事?

ここでMIND食の具体的な内容をご紹介しますので、ぜひご自身の食生活と比べてみてください。

全粒穀物は1日に3回以上、野菜は1日に1回以上摂ることとされています。特に、キャベツやレタスなどの緑色葉物野菜は、週に6回以上摂るのが理想です。また特徴的なのは果物で、抗酸化物質が豊富なブルーベリーやイチゴなどの「ベリー類」を週に2回以上食べるよう勧められています。赤身の肉や肉製品は週に4回までに抑え、魚を週に1回以上、鶏肉は週に2回以上摂るようにします。さらに豆類やナッツ類を積極的に摂るよう勧められています。控えたいものとして、揚げ物やチーズは週に1回程度、甘いものは週に5回程度までにとどめることとされています。一方、ワインは適量を毎日飲んで よいとされています。また油脂類はその種類が大切で、バターやマーガリンは控え、オリーブオイルを普段から料理に使うことが推奨されています6)

MIND食スコア表 (合計スコアが高いほどしっかり実践できている)

Morris MC. et al. Alzheimers Dement. 11(9)1007-1014(2015)より作表

推奨されている食材には、食物繊維ミネラルビタミンなど私たちに不足しがちな栄養素7)を豊富に含むものが挙げられていますね。また不飽和脂肪酸を多く含む魚やオリーブオイルを積極的に摂るよう勧められています。特に魚に多く含まれるDHAは、体内では作り出せないため食事からの摂取が必須とされているn-3系脂肪酸で7)、脳の発達や機能維持に欠かせない成分です8)

どれか一つの栄養素に偏ることなく、現代人に不足しがちな栄養素を意識しながら、体によいものを毎日バランスよく摂ることが、脳にとって大切であることがわかります。

「WASHOKU(和食)」は日本が世界に誇る健康食

MIND食は、肉や甘いもの、お酒も全くダメというわけではなく、比較的簡単に実践できそうだと感じた方が多いのではないでしょうか。特に大豆製品や魚を多く食べる習慣のある日本人にとっては、なじみやすい食事スタイルともいえます。東北大学が65歳以上の日本人を対象に行った研究によれば、緑黄色野菜や、魚や海藻、大豆製品を多く取り入れた日本食パターン で食べている人ほど、身体的機能や認知機能で判断される要介護状態になるリスクが小さくなったそうです9)。 今、海外で起こっている「和食ブーム」は、私たち日本人にとって伝統的な食生活の素晴らしさをあらためて見直すよい機会だといえるかもしれません。


  1. 1) Estruch R. et al. N Engl J Med. 368(14)1279-1290(2013)
  2. 2) Panagiotakos DB. et al. Prev Med. 44(4)335-340(2007)
  3. 3) Appel LJ. et al. N Engl J Med. 336(16)117-124(1997)
  4. 4) Sacks FM. et al. N Engl J Med. 344(1)3-10(2001)
  5. 5) Epstein DE. et al. J Acad Nutr Diet. 112(11)1763-1773(2012)
  6. 6) Morris MC. et al. Alzheimers Dement. 11(9)1007-1014(2015)
  7. 7) 「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」(厚生労働省)
  8. 8) 橋本道男. オレオサイエンス. 6(2)67-76(2006)
  9. 9) Tomata Y. et al. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 69(7)843-851(2014)

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