栄養トピックス 2018年05月30日

便はカラダからの重要なメッセージ!?
不調のサインをしっかり読み取ろう

お通じが滞りがちだったり、お腹がゆるかったり、便通に関する悩みは誰もが大なり小なり持っているものではないでしょうか。しかし、自分の体質だからと諦めてしまってはいませんか?

普段意識することは少ないですが、便の状態や頻度は私たちの体の中の状態を示す写し鏡です。今回は、毎日の生活習慣が、お通じにどのような影響を与えているのかを紹介します。

お通じに悪影響を与える何げない習慣

朝忙しくてトイレに行きそびれたり、便意があっても仕事などの理由からトイレを我慢したりしているうちに、いつの間にか便意がなくなっていたという経験をお持ちの人は多いのではないでしょうか。その時は便意がなくなってホッとするかもしれませんが、実はこれ、便秘を引き起こすNG習慣の一つなのです。

便意は、肛門につながっている「直腸」に便が入ってくることによって直腸の壁が押し広げられ、その刺激が脳に伝わることによって起こります。便意が起こると、今度は脳から肛門に排便するよう指令が出されます。これを「排便反射」といいます1)。ところが、直腸への刺激を無視して便意を我慢し続けると、感受性が低下してしまい、排便反射が起こりにくくなって便秘につながるのです2)。こうして起こる便秘は「直腸性便秘」と呼ばれ、便はスムーズに出にくい硬くて断片的な形状になりがちです3)

食生活の乱れも便秘の原因になります。食物繊維を含む野菜や穀類の少ない食生活をしていると、便のかさが減るため、直腸の壁を押し広げる刺激が低下して、やはり便秘になりやすくなります2)。肉類に偏った食事をしていると、便の水分が減り色が濃くなる傾向があります3)

1日3食、規則正しく食事を摂れていない場合も、便通に影響します。特に朝食を摂ることは、睡眠中に休んでいた腸に大きな刺激を与え、便を押し出す胃腸の蠕動運動を促すため重要です2)。毎日の朝食で規則的な排便習慣がつけば、日中に席を外せない状況で便意をもよおすようなことも減りそうですね。

便通に影響を与える腸のしくみ

食習慣の改善で正しい排便習慣をつけよう

正しい排便習慣を身につけるために、欠かすことができないのが食生活の改善です。
中でも食物繊維の摂取は、便秘の予防・改善に欠かせません。食物繊維は便の中の水分を保つことで便のかさを増し、適度なやわらかさを与えるため、便がするりと出やすくなります4)。さらに一部の食物繊維は腸内細菌の餌となって、腸内環境を整える働きがあることも知られています。食物繊維が腸内細菌によって発酵される際に作られる酪酸や酢酸などの短鎖脂肪酸は、腸の細胞のエネルギー源となります。短鎖脂肪酸が腸内でたくさん生成されると、腸内が悪玉菌の苦手な酸性に傾くため、善玉菌が優勢になって腸内環境が整いやすくなります5)。実際、水溶性食物繊維の中でも高発酵性といわれるグアーガム分解物では、便通改善効果が報告されています6)

自分では健康的な生活を送っているつもりでも、意識して見てみると、理想とされる排便状態ではないかもしれません。便の頻度や状態に隠された不調のサインを読み解き、生活習慣の改善に役立てたいですね。


  1. 1) 坂井建雄ほか. ぜんぶわかる人体解剖図. 成美堂出版 (2010)
  2. 2) 細田誠弥. 生活習慣と排便異常. 順天堂医学. 50(4) 330-337(2004)
  3. 3) 一般社団法人愛知県薬剤師会ウェブサイト 薬事情報センター 6. 便でわかる体の調子(2018年4月21日アクセス)
  4. 4) 安田和人. 図解 栄養の基本がよくわかる事典. 西東社(2006)
  5. 5) 田中明ほか. あたらしい栄養事典. 日本文芸社. p.144(2016)
  6. 6) 大和谷和彦ほか. グアーガム分解物がヒトの便通に及ぼす影響. 応用糖質科学. 42 (3) 251-257(1995)

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