栄養トピックス 2018年05月30日

お腹の中で発酵が起こる!?
腸内環境を改善する短鎖脂肪酸とは

発酵食品は、その名前の通り菌などの働きによって発酵させた加工食品です。発酵食品の中には、腸内環境の改善に役立つものとして脚光を浴び、毎日のようにテレビやメディアで取り上げられている食材があります。健康に配慮して、食生活に発酵食品を取り入れているという方も多いのではないでしょうか。

健康な食生活のキーワードとして不動の地位を築いた“発酵”と同じ現象が、実は私たちの体の中でも日々起こっていることをご存知ですか?

腸内での発酵で生じる短鎖脂肪酸

発酵とは、菌などの働きによって成分が分解され、乳酸やアルコールなど私たち人間にとって有用な物質を生成することを指します。

ヨーグルトなどの発酵食品には、乳酸菌やビフィズス菌などの細菌が、生きたまま大量に含まれています。乳酸菌やビフィズス菌などは私たちの腸の中にも存在し、体によい影響をもたらすことから善玉菌と呼ばれます。腸の中には100兆個もの細菌が暮らしていますが、腸内環境の改善には悪玉菌の割合を抑え、善玉菌を増やすことが求められるため1)、発酵食品に含まれる善玉菌が生きて腸に届くことは健康によいといわれます。しかし一体なぜ、善玉菌が増えると腸内環境がよくなるのでしょうか?

その鍵を握るのが、腸内で起こる発酵です。腸内で善玉菌が働き発酵が起こると、酪酸などの短鎖脂肪酸が生じます。短鎖脂肪酸は、大腸粘膜の細胞のエネルギー源となったり、カルシウムやマグネシウム、鉄の吸収を促したりします2)。また、短鎖脂肪酸がつくられることで腸内が酸性の状態に傾くため、酸性に弱い悪玉菌が減って、結果として腸内環境が整うことになるのです。

意識して摂りたい高発酵性の食物繊維

腸内細菌による発酵で生み出される短鎖脂肪酸ですが、その生成には善玉菌さえいればいいというわけではありません。善玉菌が発酵を行うためには、善玉菌のエサとなる成分も必要となります。

そこでいま注目されている成分が、水溶性食物繊維です。一部の食物繊維は腸内細菌のエサとなって、その働きを助けることが知られています。特に水溶性食物繊維は、不溶性食物繊維に比べて腸内細菌による発酵を受けやすいことが知られています3)

中でもグアー豆からできる水溶性食物繊維のグアーガム分解物は、特に発酵性が高いことが知られています。実際、グアーガム分解物は便通改善効果が報告されていて4)、医療・介護現場でも活用されています。

発酵食品と食物繊維を組み合わせて健康な毎日へ

腸内環境は、お腹の調子だけではなく体全体の免疫機能や生活習慣病にまで影響を及ぼすといわれています。腸内環境改善のためには、腸内の“発酵”を意識して、善玉菌を摂ることに加え、発酵性の高い食物繊維を積極的に摂るようにするといいですね。


  1. 1) 安藤朗. 腸内細菌の種類と定着:その隠された臓器としての機能.日本内科学会雑誌. 104(1)29-34(2015)
  2. 2) 原博. プレバイオティクスから大腸で産生される短鎖脂肪酸の生理効果.腸内細菌学雑誌. 16(1) 35-42(2002)
  3. 3) 田中明ほか. あたらしい栄養事典. 日本文芸社 p.144(2016)
  4. 4) 石原則幸ほか. グアーガム酵素分解物を使用した特養施設入居者の排便コントロール. 日本食生活学会誌. 22(4)315-319(2011)

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