栄養トピックス 2018年07月25日

意識しないと摂れない中鎖脂肪酸。
どうやって摂る?

ココナッツオイルが最近話題になりましたが、その立役者ともいえる中鎖脂肪酸をご存知ですか? 脂質の仲間で、体脂肪として蓄積されにくいことで知られていますが、脳のエネルギー不足を助けるという研究結果も出てきた注目の成分です。中鎖脂肪酸を日々の食事に取り入れるヒントをお伝えします。

いわゆる普通の脂質とは違う!? 中鎖脂肪酸

脂質は消化に時間がかかる、というイメージをお持ちではないでしょうか? 中鎖脂肪酸はそんなイメージを覆すユニークな性質を持つ脂質の構成成分です。特徴は、名前の由来にもなっている分子の長さにあります。脂質の主要な成分である脂肪酸は、分子が鎖のような形をしていて、鎖の長さによって、長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸と呼ばれています1)。私たちが日々摂取する食用油の多くは長鎖脂肪酸でできていて、その長い鎖は消化吸収されるまでにいくつものプロセスを経なければいけません2)。それに比べ鎖の短い中鎖脂肪酸は、水になじみやすい性質を持ち、より速やかに分解されるのです。その結果、すばやくエネルギーに変換され、体脂肪として蓄積されにくくなります1,2)。また、脳のエネルギー源である“ケトン体”に体内で変換されやすいことも最近の研究でわかり、アルツハイマー病への応用研究も始まっています3)

限られた摂取源も、工夫次第でバラエティ豊かに

中鎖脂肪酸を含む食品は、実は自然界にあまり多くありません。代表的なものでは、ココナッツオイルやパーム核油に約60%、牛乳や乳製品に約8%含まれます(炭素数8~12の飽和脂肪酸を中鎖脂肪酸とした場合)2,3)。これらの食品を積極的に摂取するのもいいですし、より効率よく摂るために中鎖脂肪酸油が配合された食品を取り入れるという選択肢もあります。中鎖脂肪酸油は食品から抽出した中鎖脂肪酸100%の油で、MCTオイルとも呼ばれます。MCTは中鎖脂肪酸を意味するMedium Chain Triglycerideの頭文字。新しいタイプの食品のように思われるかもしれませんが、手術後の患者さんなど消化能力が弱った方の栄養補給のために、長年医療現場で使われてきた歴史があります2)。中鎖脂肪酸油の長所は、独特の風味や油臭さがなく、料理の味を邪魔することなく使えることです。加熱すると煙が出やすいので炒め油や揚げ油には向きませんが、ドレッシングやあえ物に使ったり、ヨーグルトにかけるなどして摂ることができます3)。また、中鎖脂肪酸油配合ドリンクも市販されています。その日の気分やライフスタイルによって、自分に合った中鎖脂肪酸の摂り方が選べそうですね。とはいえ、中鎖脂肪酸油は脂質なのでカロリーが高く、摂りすぎは禁物です。バランスのとれた食生活の中で上手に取り入れたいですね。

食品に含まれる主な脂肪酸の例4,5)

まずは、普段の食事でちょっと意識してみては

中鎖脂肪酸を含め、脂質にはさまざまな種類があり、その性質が明らかになってきています。まずは、これよさそう!と思うものを意識して摂ってみて、徐々に自分に合ったものを見つけていくとよいかもしれません。普段の食事で体をしっかりメンテナンスしていれば、話題のレストランでの食事や旅先でのローカルフードなど、新たな食との出会いもよりいっそう楽しめそうですね。


  1. 1) 渡邊昌.運動・からだ図解 栄養学の基本.マイナビ出版(2016)
  2. 2) 青山敏明. 中鎖脂肪酸の栄養学的研究-最近の研究を中心に―. オレオサイエンス3(8)403-410(2003)
  3. 3) 足立香代子.油はすごい。人気管理栄養士が教える、体を守る油のとり方.毎日新聞出版(2016)
  4. 4) 「脂肪酸」(農林水産省)
  5. 5) 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」(文部科学省)

Ageless Lifeエイジレスライフ 推進情報室とは

50+世代の人生を推進する情報コンテンツサイト

ここAgeless Life推進情報室では、50+世代に必要とされる各種栄養素についての情報をはじめ、エイジレスライフの推進に役立つ、さまざまなコンテンツを発信していきます。

あなたのこれからの毎日を、私たちだからこそお伝えできる厳選された価値あるコンテンツによって、応援していきたく思います。