栄養トピックス 2018年09月28日

知っているようで知らない食物繊維。
便通改善+αのパワーとは?

食物繊維と聞いて、どのような印象を持たれますか? 便通改善によいと聞くけれど、結局は便と一緒に出てしまって「栄養にならないもの」とお考えの方も多いかもしれません。実際に食物繊維は長い間、そのような理由で栄養学的にもあまり関心が払われてこなかった歴史があります1)。しかし近年ではその生理作用が認められ、第6の栄養素として見直されています2)。では、実際に食物繊維にはどのような種類があり、どのような働きがあるのでしょう?今回は、知っているようで知らなかった食物繊維についてご紹介します。

食物繊維は、大きく分けて2種類ある

食物繊維は、「ヒトの消化酵素によって消化されない食物中の難消化性の多糖類」で2,3)、水に溶けにくい不溶性食物繊維、水に溶けやすい水溶性食物繊維に分けられます1)。不溶性食物繊維には、野菜や穀類などに含まれるセルロースなどがあります。よく“繊維質のもの”としてみなさんがイメージされているものは、この不溶性食物繊維を多く含む食品に当たるかもしれません。また、水溶性食物繊維にはこんにゃくのグルコマンナンや、このところ便通改善によいと注目されているグアーガム分解物などがあります。単に食物繊維といっても、目に見えて繊維質なものばかりではなく、さまざまな食品に含まれています1)

食物繊維を多く含む食品

食物繊維の便通改善+αの働き

不溶性・水溶性どちらの食物繊維にも便通改善によい働きがあります。便を軟らかくしてスムーズに排便できるよう助けたり、腸内で水分を吸って大きく膨らみ、便のかさを増やすことで腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして、便の排出を促したりします3)
しかし、食物繊維の働きはこれだけではありません。血圧やLDLコレステロール(悪玉コレステロール)値、血糖値の上昇を抑える働きがあることもわかっています4)。また、一部の食物繊維は腸内細菌のエサになりやすく(腸内細菌に分解されやすい)、摂取することで腸内の善玉菌(ビフィズス菌など)の割合が増えることがわかっています3,5)。これは、食物繊維が腸内細菌に分解されると短鎖脂肪酸という物質が作られ、腸内が酸性に傾き、善玉菌が繁殖しやすく悪玉菌が繁殖しにくい腸内環境となるためです3)
このように食物繊維にはさまざまな働きが認められています。これまでは、不溶性・水溶性それぞれの食物繊維に異なった働きがあると考えられていましたが、最近の研究では不溶性と水溶性の食物繊維の生理機能に大きな違いが認められないといった報告もあります6)。食物繊維に関する研究は日々進んでおり、その考え方は現在でも進化しているのですね。自分で一度勉強した栄養に関する知識も、今はどのようになっているのか、いつもアンテナを張っておけるとよいですね。

食物繊維は意識して摂ることが大事

さまざまな働きを持つ食物繊維。健康な毎日のためには、便通改善+αのパワーがある食物繊維をよく意識して摂りたいですね。近年の日本人の野菜消費量は食の欧米化に伴って減少しており、十分な量の食物繊維を摂取することが難しくなりつつあるようです。忙しいときや外食が多くて野菜不足が気になるときは、栄養補助ドリンクやサプリメントなども利用して、食物繊維を摂るようにするのもよいかもしれませんね。


  1. 1) 灘本知憲、仲佐輝子. 基礎栄養学. 化学同人(2015)
  2. 2) 新出真理. くらしに役立つ栄養学. ナツメ社(2018)
  3. 3) 内藤裕二. 人生を変える賢い腸のつくり方. ダイヤモンド社(2016)
  4. 4) 日本人の食事摂取基準(2015年版) 厚生労働省
  5. 5) Okubo T. et al. Biosci Biotech Biochem. 58(8)1364-1369(1994)
  6. 6) 青江誠一郎. 穀類に含まれる食物繊維の特徴について. 日本調理科学会誌. 49(5)297-302(2016)

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