ネスレ日本が国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で環境啓発を行うエコプロジェクト『#NescafeOurPlanet(ネスカフェ アワープラネット)』の第四弾として行う今回の企画は、日本で初めてSDGsに全面的に取り組んだ女性誌である講談社の「FRaU(フラウ)」と、絵本を読む世代(親)と未来の世代(子)に“読み聞かせ”を通して、環境問題をはじめとする社会課題についてより意識を高めていただきたいという共通の想いから実現したコラボレーションになります。
今回公開する動画「#えほんでみらいをかんがえる」内の“読み聞かせ”では、「ブックハウスカフェ」の店長である茅野 由紀(ちの ゆき)さんの選定した全10冊の絵本を使用し、絵本の読み手には、プライベートで母親としての姿ももつ寺島しのぶさん、佐々木希さん、中村仁美さん、福田萌さん、青木裕子さんが登場します。
1988年2月8日生まれ、秋田県出身。
2006年芸能界デビュー。以降映画やドラマ、CM、雑誌など多岐に渡り活躍中。
現在、ワンマイルウェア「iNtimité(アンティミテ)」を手掛ける。現在、KTV/CX「所JAPAN」にレギュラー出演中。2021年春に映画「バイプレイヤーズ〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら」の公開が控えている。
#07 えほん
『にちようびの森』(はたこうしろう・作/ハッピーオウル社)

はたけや田んぼ、自然の中で遊びまわっていた子どもたち。でも工事やクレームで遊び場所がどんどんなくなって……。

はたこうしろうさんといえば、絵本界のスターで、レジェンドクラスの方。特にはたさんの構図や構成力はいつも本当に素晴らしいと生意気にも思ってほれぼれします。
多くあるはたさんの作品の中で、人気があるジャンルのひとつが、動きのあるもの、例えば冒険や雨の中走るような作品です。その中でもこの『にちようびの森』は、私たちにちょっと立ち止まって考えさせてくれるような作品です。自然に造詣のある作者さんだからこそ、自然の大切さをこういう視点で伝えてくれるんですね。
小自然と言われる、小川や田んぼ、林などが失われていく都市に暮らす子どもたちは、公園でも騒音などの問題で自由に遊べないことがあります。じゃあ、どこで遊べばいいのでしょうか。子どもたちは遊びの天才だから、どんなところでも、狭い家だって、なにか遊びを見つけて楽しむけれど、やっぱり小自然の楽しさは子どもたちに味わわせたいですよね。
都市開発や計画と、自然との付き合い方、人間の暮らし方……。私たちがずっと考え続けていく必要のある、答えのない課題がつまった絵本でした。
#08 えほん
『あめかっぱ』(むらかみさおり・作/偕成社)

雨で遊びに行けない日。「こんにちは」と現れたのはかっぱだった!物事をプラスに見ることの効果も教えてくれるファンタジー。

雨の日は、外で自由に遊べないけれど、逆に雨が降らなければ楽しめない遊びもあるんです。雨の日、なおちゃんの住む町では、子どもがお留守番するとき、かっぱが一緒にいてくれます。かっぱが作ってくれた竹の皮で包まれたおにぎり(ご飯は土鍋で炊かれています)、かっぱが買ってくれたふきの傘ときゅうりのおやつを持って、林の中へ。林の中にはいろんな動物たちもいて、なんてワクワクする雨の日のピクニック!
傍に親ではない信頼できる大人、歩いてすぐに行ける林、林の中には多様な植物と生き物がいて、適度に降る雨、雨粒が葉っぱに当たる音を聞く「時間と心の余裕」。子どもが子どもらしく生きられる世界を作るには、社会構造、環境、法律から風潮まで、いろいろなものに目を向ける必要がある。何気ない絵本ですが「最高の贅沢」をしみじみ感じました。
雨の日にかっぱが子どもたちと遊んでくれるこんな街に、私も住んでみたいと思わされますよね。
実はむらかみさおりさんにとって、絵本はこの作品が初めてのようです。偕成社さんがよくぞ企画なさったと思いました。作家さんの想像力の素晴らしさとセンスはもちろんのこと、作家さんの編集者さんの想いを受け取る力を勝手に感じました。
ブックハウスカフェのスタッフも大好きで、ブックハウスカフェ大賞にも選ばせていただいた一冊なんです。
神田神保町にある子どもの本専門店
「ブックハウスカフェ」店長 茅野由紀さん
赤ちゃんから大人までゆっくりと過ごしていただきたい広々したお店。お店で絵本をおすすめしているほか、絵本に関連したイベントやフェアなどを企画して、絵本の魅力を一人でも多くの方と分かち合いたいと日々活動。本と出会い、そしていろいろな楽しいことや、人とも出会えるような、楽しい絵本屋を目指しており、絵本作家の方々からも絶大なる信頼を寄せられている。