六古窯について

日本人と焼物の関わりは、縄文時代につくられ始めた土器まで遡ります。食料の保存や調理、祭りの道具など、焼物は人々の暮らしになくてはならないものでした。時代が進むにつれ、より高温で焼いた丈夫な陶器や磁器が作られるようになり、現在にいたるまで、日本全国の多くの場所で、様々な種類の焼物が生産されています。その中で、日本古来の技術を継承し、現在も生産が続いている代表的な6つの産地、越前・瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前をまとめて、「日本六古窯」と呼んでいます。
昭和23年頃、古陶磁研究家・小山冨士夫氏により命名され、平成29年「日本遺産」に認定されました。
越前 えちぜん
素朴で頑丈なつくり、温かみのある土と灰釉の味わいを秘めた民藝的な美しさが特徴。
越前の土は鉄分を含み、耐火度が高く、焼き締めが良く、粒度が細かく強い粘りを持つなどの豊かな特性があり、繊細な成形が可能。
瀬戸 せと
中国陶磁を彷彿とさせる白い素地が特徴で粘土中に鉄分がほぼ含まれないことから白いやきものをつくり出すことが可能。その特性を活かした様々な施釉製品が生み出され、陶器や磁器のほかノベルティや自動車部品など多種多様なやきものを生産。
常滑 とこなめ
常滑の土は、鉄分が多く低い温度でも焼き締まる性質を持ち、大きなやきものを作るのに適している。釉薬を用いない「焼締(やきしめ)」によるやきものが特徴。また、江戸後期から作られている朱泥焼をはじめとした急須は、現在も代表的な生産品のひとつ。
信楽 しがらき
釉薬を施さずに焼き締めるため、長石と石英の砂粒が混ざったざっくりとした肌合いや、焼成の過程で素地が変化し作り出される印象深い景色が特徴。古琵琶湖層から採取される土は耐火性に優れ、タイルや建築用材等多種多様な製品を生産。
丹波 たんば
一つの技法にとらわれず、時代の要請を敏感に察知し、様々な生活用器を作り続けてきた丹波焼。登窯の到来とともに考案された木灰釉を中心として、ワラ灰・栗のイガ灰なども使用。現在も釉薬の主流を占めており、その他土灰釉・鉄釉(黒釉)・白釉なども使用。
備前 びぜん
絵付けや施釉をせず、土の質や成分が焼成した際の景色に良く表れていることが特長。現在も、昔ながらの登窯と松割木の燃料を用い、1点ずつ成形していくため、一つとして同じものがなく、焼き色も胡麻、桟切、緋襷、牡丹餅などの変化に富んでいます。