エアデール・テリア

「テリアの王様」と呼ばれるエアデール・テリアは、飼い主には魅力たっぷりで、一度飼育した人は、再びエアデールをというほど、虜になってしまうようです。ほかの犬や猫などのペットとも仲良くしますが、時々、ほかの犬を支配しようとする性格のエアデールもいますので、散歩などのときには注意が必要です。第二次世界大戦の最中には、警察犬や軍用犬としても使用されました。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:高め
  • 留守に対する適応力:中程度
  • 子どもに対する適応力:中程度
性格は?
何事にも恐れを知らない勇敢さをもっています。しかし、決して喧嘩っ早いわけではなく、常に冷静に素早く行動できる犬種です。学習能力が非常に高く、トレーニングをこなして、それを褒められると、さらに上を目指す向上心にも溢れています。
必要とされる運動量
非常に活発で運動能力の高いエアデールは、加えてテリアの底知れないスタミナを所有しています。最低60分以上、駆け足などの運動を取り入れた散歩を、毎日最低2回は行わなくてはならないでしょう。動くものにも反応しますから、散歩中のほかの犬や猫、ボールなどには注意しましょう。
エアデール・テリア
  • 原産国 イギリス
  • 犬種分類 テリア
  • 色・模様 タンの地色に胴体のサドルや首の上部や尾の上端はブラックまたはグリズル
  • 毛質・毛の長さ ワイヤーコート(粗毛)
  • 抜け毛 少なめ
  • サイズ 中型~大型
  • 目安となる体高・体重 体高:雄(オス)58~61cm・雌(メス)56~59cm、体重:20~30kg
  • 一日に必要な散歩量 多め
  • 活発度 高め

起きやすい病気/ケガ
遺伝的に、心臓が拡張し、収縮する動きの幅が小さくなってしまう拡張型心筋症、毛穴の構造に異常をきたす毛包形成不全、甲状腺からのホルモン分泌低下により元気がなくなり、脱毛などを発症する甲状腺機能低下症、粘膜からの出血がみられるフォン・ヴィレブランド病、パンヌス(慢性表在性角膜炎)、網膜が萎縮して動かなくなる汎進行性網膜萎縮、股関節形成不全、胃捻転などが好発します。

歴史
1800年代中ごろ、イギリスのヨーク州で、今は絶滅したブラック・アンド・タン・テリアとオッター・ハウンド、マンチェスター・テリアなどの交配によって誕生し、エア渓谷(エア・デール)にちなんで命名されました。この地にはキツネ、アナグマ、イタチ、カワウソなどの動物が多く、その狩猟目的や、小さな害獣のハンターとして活躍しました。第二次世界大戦の最中には、警察犬や軍用犬としても用いられました。1914年にはUKC(ユナイテッド・ケンネル・クラブ)、1959年にはAKC(アメリカン・ケンネル・クラブ)でも公認されました。

ドッグショーでの評価基準
頭部スカルは長く、頂は平らです。ストップはほとんど目立ちません。鼻の色は黒色で、マズルは目の下がふくらんでいます。歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトで、上下の切歯の端と端がきっちりと咬み合うレベル・バイトも許容されます。目は小さく、色はダーク(暗色)です。明るい色の目や、大きな目は好ましくありません。耳はスカルの両側についていて、やや前方を向いて、V字型に倒れています。胴体は背が短く、まっすぐで、平らです。腰は筋肉質で、胸は胸底と肘がほぼ同じ位置にくるほど深いのですが、幅は広くありません。尾は付け根の位置が高く、背上に巻くことはありません。前脚はまっすぐで、骨も丈夫です。後肢は大腿が長く、力強くなっています。