ボルゾイ

都会でも、しっかりとトレーニングされたボルソイを目にすることがありますが、周囲からは羨望の眼差しを向けられています。ロシア語で「俊敏」という意味の名前から分かるように、走る時のスピード感あふれる姿が大変に美しい犬です。また、ジャンプ力にも優れていて、とてもアクティブです。しっかりとしたトレーニングができる経験豊富な方が飼うべき犬種で、初心者で扱えるものではありません。経験豊富な方でも、手に負えない部分があれば、専門のトレーナーに預けることを考えた方がいいでしょう。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:高め
  • 留守に対する適応力:高め
  • 子どもに対する適応力:高め
性格は?
気位の高そうな無表情でとっつきにくい風貌ですが、大好きな家族には安心して思いきり甘えてくるので、そのギャップが愉快です。とても優しく、知的で飼い主家族に忠実です。学習能力は素晴らしく、トレーニングも難しくはありません。体の大きさを除けば、めったに吠えることもなく、それでいて番犬の役目も果たす素晴らしい家庭犬になります。
必要とされる運動量
室内では大人しくしているので、毎日運動ができれば問題ありません。ただしその運動量は膨大です。毎日長時間の散歩やジョギングなどの運動が必要です。基本的には60分以上の駆け足を取り入れた散歩を、毎日2回は行いましょう。できれば安全で広い運動場があれば、そこで全速で走る自由運動ができることが理想的です。
ボルゾイ
  • 原産国 ロシア
  • 犬種分類 嗅覚ハウンド
  • 色・模様 ソリッド(単色)とパイド(白地に1色または2色の斑がある)のさまざまなカラー
  • 毛質・毛の長さ セミロング(中毛)
  • 抜け毛 中程度
  • サイズ 大型~超大型
  • 目安となる体高・体重 体高:雄(オス)75~85cm・雌(メス)68~78cm、体重:雄(オス)34~48kg・雌(メス)26~40kg
  • 一日に必要な散歩量 多め
  • 活発度 高め

起きやすい病気/ケガ
主に後肢のリンパの流れに異常があり、脱毛などを生じる原発性リンパ水腫、リンパ球性甲状腺腫、進行性の頚椎関節異常のウォブラー症候群、股関節形成不全、瞬膜形質細胞浸潤、白内障、網膜形成不全、多発性眼異常症、胃捻転を起こしやすい犬種で、硬いフードは避け、一日の食事は数回に分け与えるようにします。また、食後の激しい運動も避けましょう。

歴史
西暦1260年。ボルゾイの歴史ははるか昔に始まります。おそらくサルーキー・タイプとロシアの土着犬との交雑種が基礎になっていると考えられています。主にオオカミのハンティングとして、ロシアン・ウルフハウンドと呼ばれていました。その後ボルゾイのことをくわしく紹介した記録は1650年までありませんでした。1861年、ボルゾイは上流階級の間で行われる狩猟には欠かせない存在になっていました。ヨーロッパではボルゾイ人気が高まり、ビクトリア女王をはじめ、イギリスの貴族の間でもボルゾイを飼育することが一種のステータスになりました。1889年にはイギリスからアメリカに輸出され、農場を悩ませていたコヨーテの数をコントロールするために、大いに活躍しました。1936年にはロシア語の「迅速」を意味するボルゾイの名に正式に変更されました。

ドッグショーでの評価基準
頭部は長く、幅が狭く、横から見ると、マズルもスカルも長く、わずかにアーチを描いていて、スカルの頂はほぼ平らか、あるいは、はっきりしたオクシパット(後頭部)に向かって、わずかに傾斜しています。ストップはごくわずかにわかる程度です。鼻は大きく、下顎に対してかなり突出しています。色は黒色です。歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトか上下の切歯の端と端がきっちりと咬み合うピンサーズ・バイトです。目は大きく、斜めについていて、色はダーク・ヘーゼルか、ダーク・ブラウンです。耳は小さく、頭部の後ろの方についています。首は長く、横から見るとわずかにアーチを描いています。胴体の背は幅広く、腰から知りにかけてカーブしていて、これは雄(オス)の方が軽量です。尾は鎌やサーベルのような形をし、付け根の位置は低く、豊富な被毛に覆われています。前脚は前から見ると完全にまっすぐで、平行です。後肢は後ろから見るとまっすぐで、平行です。