ボストン・テリア

気ぜわしく大騒ぎして遊び回る活動的な面とじっくりと状況を観察して、分析してから行動する慎重な面が同居している不思議な犬です。おちゃめな面もあって、とても手の込んだ知能犯的ないたずらや悪ふざけを、瞳を輝かせながら夢中になってするので、思わず吹き出してしまうこともしばしばです。危険ないたずらには、よく注意しましょう。サイズには3タイプあり、それぞれ体重によってライト、ミドル、ヘビーに分けられます。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:高め
  • 留守に対する適応力:中程度
  • 子どもに対する適応力:中程度
性格は?
イングリッシュ・ブルドッグの血が導入されていますが、現在のボストン・テリアには、攻撃性はほとんどなく、優しく知的で陽気です。しかし、テリアの血がそうさせるのか、ときどき物事に異常に熱中することがあります。全般的には友好的で、逆にあまり番犬としては活躍しないかもしれません。
必要とされる運動量
運動量は、ライト、ミドル、ヘビーによって違いがあります。ライト、ミドルは20~30分の散歩を毎日2回、ヘビーの場合は30分以上の散歩を毎日2回行うのが理想的です。どのタイプも活発で、遊びが好きなので、ドッグランなどの広場で自由運動やボール遊びができると、精神的にもいいでしょう。
ボストン・テリア
  • 原産国 アメリカ
  • 犬種分類 テリア
  • 色・模様 ホワイトマーキングのあるブリンドル、ブラック、シール
  • 毛質・毛の長さ ショート/スムース(短毛)
  • 抜け毛 中程度
  • サイズ 小~中型
  • 目安となる体高・体重 体高・体重により3つのタイプに分けられる、体重:ライト6.8kg未満・ミドル6.8~9kg・ヘビー9~11.35kg
  • 一日に必要な散歩量 中程度
  • 活発度 中程度

起きやすい病気/ケガ
アレルギー性皮膚炎や繰り返し同じような脱毛が起こるパターン脱毛、毛色の薄い部分に脱毛や毛包炎が発生するカラー・ダイリューション脱毛が好発します。ほかにも口蓋裂や鼻腔狭窄、白内障、膝蓋骨脱臼などがあります。鼻がつまった犬種特有の暑さに弱く、熱中症になりやすいので、真夏の温度管理には十分注意しましょう。暑い日に決して車内に閉じ込めないようにしましょう。

歴史
そのルーツは、イングリッシュ・ブルドッグと今は絶滅してしまったホワイト・イングリッシュ・テリアとの交配にあると考えられています。1870年ごろ、ボストンのウィリアム・オブライエンという人物が「ジャッジ」という犬を輸入しました。その後ロバート・C・ホッパーという人物に売り、その犬は「ホッパーズ・ジャッジ」と呼ばれるようになりました。これが現代のボストン・テリアの祖先になりました。1889年には30人の愛好家が「アメリカン・ブル・テリア・クラブ」として設立しようとしました。しかし、その名前を気に入らない人たちの反対もあり、いろいろな意見が出たあと、土地の名をとって、ボストン・テリアとして1891年にボストン・テリア・クラブが設立されました。1893年にはAKC(アメリカン・ケンネル・クラブ)にも公認されました。

ドッグショーでの評価基準
頭部スカルはスクエア(四角)で、頭頂は平ら、しわはなく、眉弓は明瞭です。鼻は幅広く黒色で、鼻孔の間にはっきりとした線があります。マズルは短く、スクエアで、幅広く厚みがあります。ストップから鼻の先端までのマズルの上面のラインは、スカルの上面のラインと平行になっています。厚く垂れた上唇のチョップは十分に深さがありますが、垂れ下がっていません。歯の咬み合わせはわずかに下の切歯が上の切歯より前方に出るアンダー・ショットか、上下の切歯の端と端がきっちりと咬み合うレベル・バイト(切端咬合)です。目は大きく、丸く、色はダーク(暗色)で、両目が広く離れています。耳は小さく直立し、できるだけスカルの両端近くに位置するのがよいとされます。首はわずかにアーチを描き、肩へしっかりと連なります。胴体のトップラインは水平で、胸は十分な幅があり、胸底は深く、あばらは張っています。尾は付け根の位置が低く、短く細く先細り、まっすぐかスクリュー型です。水平よりも上に上げていなくてはなりません。前脚はまっすぐで、2本が比較的はなれてついています。後肢は大腿が力強く、筋肉質です。