起きやすい病気/ケガ
健康面で心配なのは、胎生期の形成がうまくいかなかったことから、心房の間に穴が開く心房中隔欠損、大動脈弁狭窄、心臓が拡張し、収縮する動きの幅が小さくなってしまう拡張型心筋症、不整脈を起こし、重度の場合には失神を繰り返し、死に至るボクサー心筋症、股関節形成不全や椎間板ヘルニア、多発性関節炎、咀嚼がうまくできなかったり、あくびで開いた口が閉まらなくなるなどの症状がみられる顎間接形成不全、聴覚障害、胃捻転などです。胃捻転は1日の食事を数回に分け、食後の激しい運動を避けることで予防しましょう。
歴史
ボクサーはドイツの2頭のマスティフタイプの犬、ベルギー・ブラバン地方の土着犬、マスティフ、ブルドッグ、テリアなどの交配によって誕生しました。1880年代のことです。ドイツのボクサー・クラブは1896年に設立され、1902年には出版物として、ボクサーのスタンダードを掲載しました。このときのスタンダードは、今でもほぼ変わりがないようです。当時は、断耳、断尾が一般的でしたが、現在はヨーロッパ諸国で禁止されています。日本やアメリカでは、現在もまだ断耳、断尾されているのが、一般的になっています。しかし、日本でもこれらの行為は禁止する方向に進んでいます。1903年にはアメリカに紹介され、1915年にはドッグショーでチャンピオンに輝いています。その後1935年に、アメリカのボクサー・クラブが設立されています。翌年の1936年にはAKC(アメリカン・ケンネル・クラブ)で公認されました。
ドッグショーでの評価基準
頭部はボクサー独特の外観を表し、マズルは幅広く、スカルはほっそりしていて角張って、わずかにアーチを描いています。ストップははっきりしていて、額溝もわずかですが、明確です。鼻は幅広く、色は黒色で、わずかに上を向いています。歯の咬み合わせはわずかに下の切歯が上の切歯より前方に出るアンダー・ショットです。目はダーク(暗色)で、突き出しておらず、くぼんでもいません。耳は適度な大きさで、頭頂の両側に離れてついています。首は頑丈でトップラインはアーチを描いていて、十分な長さと丸みがあります。胴体の背と腰は短く、引き締まっていてまっすぐで幅広です。尾の付け根は高く、断尾されなくてもかまいません。前肢は、前脚がまっすぐで2本が平行です。後肢は筋肉質で、後ろから見てまっすぐです。