起きやすい病気/ケガ
僧帽弁の閉鎖不全により、左心室から左心房へ血液の逆流が起こる僧帽弁形成不全、大動脈弁の狭窄により、血流障害を引き起こす大動脈弁狭窄、口唇周辺に慢性的なかゆみなどが発生するフルンケル症、毛包虫症、メラニン色素の欠損により起きる皮膚炎のワールデンブルグ・クライン症候群、紫外線などの日光刺激で発生する体幹性日光皮膚炎、足の皮膚や肉球が赤く腫れたり、炎症を起こす肢端皮膚炎、遺伝性難聴などが好発します。
歴史
1830年、すでに絶滅しているオールド・イングリッシュ・テリアと、当時雄牛と戦う闘犬だったブルドッグを交配し、素早く攻撃できる犬を作り出そうとしました。しかし、体の大きさが、現在のミニチュア・ブル・テリアほどだったために、さらにスパニッシュ・ポインターの血を導入して1850年にブル・テリアの基礎が完成しました。しかし、思っていたほどの攻撃性があるわけではなく、闘犬自体も禁止されたために、その役割は警備やネズミなどの害獣駆除、番犬などになりました。さらにドッグショーが盛んになり、改良のため、今は絶滅したホワイト・イングリッシュ・テリアやダルメシアンを交配しました。ここに誕生したのが、真っ白なブル・テリアでした。1900年までにスタッフォードシャー・ブル・テリアとの交配によって、カラーのブル・テリアも誕生しています。性格もやや甘えん坊になったブル・テリアは、アメリカでは1885年、イギリスでは1948年に公認犬種となりました。
ドッグショーでの評価基準
頭部は長く頑丈で、マズルの末端まで十分な厚みがあります。前から見ると卵型で、表面にくぼみや溝はありません。横から見るとスカルの頭頂から鼻先にかけておだやかなカーブを描きます。鼻は黒色。先端にかけて下方に曲がります。歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトです。目は細く、三角形で、傾いてついています。目の色はダーク・ブラウンです。耳は小さく、薄く、両耳が接近していて、まっすぐ上を向くときは、しっかりと直立しなくてはなりません。首はたいへん筋肉質で、長く、アーチを描いています。たるんだ皮膚はありません。胴体は、はっきりとしたあばらの張りと、キ甲から胸郭にかけて、十分な深さがあり、丸みを帯びています。尾は短く、付け根では太く、先細りします。水平に保持されます。前脚は最も頑丈で、両脚が完全に平行になっています。後肢は後ろから見ると、後脚2本が平行で、大腿は筋肉質です。