ウエルシュ・コーギー・カーディガン

1934年まではペンブロークと同一犬種として扱われていました。1930年代までは、赤系統の被毛のペンブロークと黒のカーディガン間で交配もされていたほどです。それもあって、お互いがよく似た姿になっているのでしょう。牛のかかとを軽く咬みながら、牧草地に追いやったり集めたりしていたカーディガンは、長い尾が残されています。ペンブロークは、先天的に短かったり、長さがあるものは、牛にふまれたりしないように生後すぐに断尾されていましたが、近年では断尾自体を禁じており、今後日本でもカーディガンとペンブロークの違いは被毛の色で見極めることになりそうです。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:高め
  • 留守に対する適応力:高め
  • 子どもに対する適応力:中程度
性格は?
知的で従順、見知らぬ人に対しては警戒心があり、自宅でも怪しい物音にはすぐに反応できる頼もしい家庭犬になります。好奇心旺盛で熱中すると一瞬で極度の興奮状態に陥りますが、無視していると、すぐに冷静さを取り戻す、まさに瞬間湯沸かし器のような性格です。平和主義で、いつでもうるさいくらいに、明るく陽気に振る舞う元気いっぱいの家庭犬です。
必要とされる運動量
体高でいえば小型のイメージですが、体重は中型犬並みで、もともと牧羊犬だったこともあり、その体力は膨大です。簡単な散歩では決して満足せず、運動が足りていないと、家に帰ろうとしても拒否されます。最低でも30分、駆け足を取り入れた散歩を、毎日2回は行いましょう。胴長の体型なので、ジャンプなどの上下空間の運動には十分気をつけましょう。
ウエルシュ・コーギー・カーディガン
  • 原産国 イギリス
  • 犬種分類 牧羊・牧畜犬
  • 色・模様 ホワイトが優勢でなければさまざまなカラーが認められる
  • 毛質・毛の長さ ショート/スムース(短毛)
  • 抜け毛 中程度
  • サイズ 中型
  • 目安となる体高・体重 体高:30cmが理想、体重:13.5~17kg、雌(メス)は雄(オス)よりやや軽い
  • 一日に必要な散歩量 多め
  • 活発度 高め

起きやすい病気/ケガ
遺伝的に、表皮が簡単に裂けてしまう、皮膚無力症ともよばれるエーレルス・ダンロー症候群、粘膜からの出血がみられるフォン・ヴィレブランド病、股関節形成不全、椎間板ヘルニア、頭部や眼への打撲などによる衝撃や遺伝性によることが原因の水晶体脱臼などが好発します。

歴史
カーディガンとペンブロークは、ともに歴史の古い犬種です。紀元前1200年ごろにケルト族がウエールズ州にやってきたときに連れていた犬が祖先ではないかと考えられています。また、別の説では、西暦1000年ころにバイキングが連れてきたスウェディッシュ・バルハウンドが祖先ではないかと考えられています。いずれにしても、はっきりしたことは不明です。両者は1930年代まで交配されていましたが、1934年、別犬種として扱われるようになりました。

ドッグショーでの評価基準
頭部は形、外観ともキツネのようで、スカルは広く、両耳の間は平らです。適度なストップがあり、マズルは鼻にかけて先細ります。鼻の色は黒色です。目は中くらいの大きさで、色はダーク(暗色)で、毛色に調和した色です。耳は直立し、先端はわずかに丸みを帯びています。歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトです。胴体は長く、胸は適度に幅広く、胸底は深く、腰はすっきりしていて、背線は水平です。尾はキツネの尾のようで、身体に沿ってついていて、適度な長さです。四肢は短く、前脚はわずかに弓型で、足はほんのわずか外向きです。後肢は筋肉質です。