チャイニーズ・クレステッド・ドッグ

頭部や四肢、尾にわずかに被毛があるだけで、ほかの部分は無毛の犬種です。無毛の犬種の繁殖は、さまざまな障害が出る可能性が高く、難しいと言われていますが、同じ親からヘアレスと全身に被毛がある子犬が生まれることがあります。これを「パウダー・パフ」と呼び、まったく外見の違う姿ですが、犬種としてはまだ区別はされていません。このパウダー・パフを交配に用いることで、遺伝的に比較的健康な犬を繁殖することができるのです。チャイニーズ・クレステッド・ドッグという犬種の維持には、パウダー・パフは欠かせない存在なのです。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:高め
  • 留守に対する適応力:中程度
  • 子どもに対する適応力:中程度
性格は?
とても遊び好きで朗らかな性格ですが、警戒心が強く、見知らぬ人が触ろうと近づくと、とたんに激しく吠え立てることがあります。臆病で引っ込み思案なところもありますが、賢くて観察力が鋭いことの裏返しでもあります。かなり自尊心が強く、しつけや訓練が厳しすぎると、攻撃的になったり逃げ回って従わなくなります。
必要とされる運動量
激しい運動はまったく必要ありません。長時間の散歩も必要ありません。10分程度の散歩を、毎日2回行えばいいでしょう。散歩は運動目的よりも、神経質さを軽減するためと、ほかの犬や人との出会いで社会性を養うための精神的な部分が多くなります。なるべく触れ合いを求められるような時間帯に散歩に出かけるといいでしょう。
チャイニーズ・クレステッド・ドッグ
  • 原産国 中国
  • 犬種分類 愛玩犬
  • 色・模様 さまざま
  • 毛質・毛の長さ なし
  • 抜け毛 少なめ
  • サイズ 超小型
  • 目安となる体高・体重 体高:雄(オス)28~33cm・雌(メス)23~30cmが理想、体重:5.5kgを超えてはならない
  • 一日に必要な散歩量 少なめ
  • 活発度 少なめ

起きやすい病気/ケガ
皮膚は被毛がない分、デリケートなので、特に真夏の日中や乾燥する冬には日焼け止めクリームやスキンクリームなどで皮膚の保護を行うか、犬用の洋服などを着せるといいでしょう。

歴史
近年のDNAの研究によっても、今まで言われていたメキシコのヘアレス・ドッグやチワワとの関係はまったくないことが分かりました。近縁なのはアフリカのバセンジーでした。その結果、有力なのは、アフリカのへアレス・テリアを中国の貿易船が連れ帰ったものではないかと考えられています。ヘアレス・テリアはネズミ狩りがうまく、それを見た中国人船員が船内のネズミ駆除に利用したと言われています。中国船の航路に、この当時、アフリカが含まれていたことが知られています。この犬を改良し、誕生したのがチャイニーズ・クレステッド・ドッグです。1800年代の終わりにはヨーロッパに紹介されました。1885年にはアメリカでも紹介され、1920年代には繁殖も始まりました。1959年にはチャイニーズ・クレステッド・ドッグ・クラブ(1978年設立)の前身であるへアレス・ドッグ・クラブを設立しました。世界的に注目を浴びるようになり、イギリスでは1981年、FCI(世界畜犬連盟)では1987年、AKC(アメリカン・ケンネル・クラブ)では1991年に公認されています。

ドッグショーでの評価基準
頭部はスカルの付け根からストップまでと、ストップから鼻の先端までの長さが等しくなっています。スカルはわずかに丸みを帯びています。ストップはわずかに目立つ程度です。鼻の色は何色でも認められます。歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトです。冠毛はストップから始まり、首にいくにしたがって先細るのが理想的です。長く流れるような冠毛が好ましいのですが、まばらでも許容されます。目は、中くらいの大きさで、色は黒色に見えるダーク(暗色)です。耳は付け根の位置が低く、直立し、飾り毛はあってもなくてもかまいません。パウダー・パフでは、耳は垂れ耳でも許容されます。胴体はしなやかで背は平らです。胸は幅広で、胸底が深く、樽型ではありません。尾は、付け根の位置が高く、長く、先細で、かなりまっすぐです。尾から垂れている長い飾り毛のプルームは尾の先、3分の2のみに生えていますが、まばらでも許容されます。前脚は長く、細く、胴体の真下についていて、後肢は広く離れてついています。