チャウ・チャウ

子グマのような姿のチャウ・チャウは、1970年代にテレビコマーシャルに登場し、日本でもちょっとしたブームになりました。2000年以上前から存在した犬種で、モンゴルの種族が狩猟犬、番犬として飼っていました。当時は必要に応じて肉や毛皮も活用されていたようです。分厚い被毛は、厳しい寒さに強いのですが、暑さにはめっぽう弱いです。よだれが多く出ます。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:少なめ
  • 留守に対する適応力:高め
  • 子どもに対する適応力:少なめ
性格は?
活発ではなく、周囲に愛想を振りまくわけでもなく、やや反応の薄い性格をしています。飼い主には愛情を示しますが、かなりの面倒くさがりやで、自ら積極的に散歩に行きたがるタイプではありません。決して臆病ではない強い警戒心によって、番犬としての能力は一流です。しかし、目が奥に引っ込んでいて、後ろがまったく見えないため、後方から近づくものには、ビクッとしながら異常に反応します。子どもなどが突然近づくと、怯えから、組み伏せて噛みついてしまうといった事故も少なくないので、注意が必要です。
必要とされる運動量
運動量はそれほど多くありませんが、少なくても毎日30分程度の運動をさせなくては、すぐに肥満になってしまいます。社会性、感受性を高め、ストレス発散のためにも、30分の軽い散歩を、毎日2回程度行いましょう。
チャウ・チャウ
  • 原産国 中国(広東省中心)
  • 犬種分類 原始的・スピッツ
  • 色・模様 ブラック、レッド、ブルー、フォーン、クリーム、ホワイト
  • 毛質・毛の長さ ショート/スムース(短毛)、ブロークン、ラフ
  • 抜け毛 多め
  • サイズ 中型~大型
  • 目安となる体高・体重 体高:雄(オス)48~56cm・雌(メス)46~51cm、体重:20~32kg
  • 一日に必要な散歩量 多め
  • 活発度 少なめ

起きやすい病気/ケガ
遺伝的に、血液が心臓から肺に送られる途中にある弁が狭くなっているために、全身に十分な酸素が回らなくなる肺動脈弁狭窄、毛色の薄い部分に脱毛や毛包炎が発生するカラー・ダイリューション脱毛、血中の成長ホルモン濃度が低くなり、左右対称の脱毛などを起こす成犬発症型成長ホルモン反応性皮膚病、頭部の震えや、開脚姿勢がみられる小脳奇形、遺伝などの要因で、正常な股関節が形成されていない股関節形成不全、軟口蓋が長く伸びすぎて、呼吸不全を引き起こす軟口蓋過長症などが好発し、ほかにも悪性リンパ腫、睫毛乱生、眼瞼内反症、眼瞼外反症などがみられます。

歴史
漢王朝時代、紀元前206年から西暦22年の間に作られた彫刻などから、すでにチャウチャウが存在していたと考えられています。当時はモンゴルの種族が狩猟と番犬として飼っていたもので、必要に応じてその肉や毛皮が活用されていたようです。チャウチャウという名前は、中国で「食物」の俗語として使われていた言葉や、チャウチャウを中国からイギリスへ輸送したときの船名が「チャウチャウ」だったという説があります。1903年にアメリカ、1934年にイギリスで公認されました。

ドッグショーでの評価基準
頭部スカルの頂は平らで幅広く、目の下はふくらんでいます。ストップははっきりしていません。鼻は大きく、幅広で、色は黒色ですが、毛色がクリームやホワイトに近い場合は、明るい色でも例外が認められます。ブルーやフォーンの毛色の場合は、同じ色の鼻でも認められます。舌の色は青みがかったブラックで、歯茎もブラックが好ましいとされます。歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトです。目はオーバル(卵型)で、色はダーク(暗色)ですが、毛色がブルーやフォーンの場合は、その色でも認められます。耳は小さく、暑く、両耳が広く離れてついていますが、付け根よりも先端の方がわずかに狭くなっています。胴体は背は短く、平らで、胸は幅広く、胸底が深くなります。尾は付け根の位置が高く、背負っています。前肢の脚は完全にまっすぐで、ほどよい長さです。後肢は筋肉質です。