起きやすい病気/ケガ
日本でも人気の高いフラットですが、先天的な股関節疾患が多くみられます。入手の際には、血統がきちんと確認できることが大切です。また、遺伝性の眼疾患も多く、眼瞼外反症や眼瞼内反症、睫毛重生、異所性睫毛、緑内障、白内障、視神経欠損症などが好発します。皮膚疾患もよく確認されるので、皮膚の状態をこまめにチェックしましょう。
歴史
19世紀の中ごろ、カナダ人船乗りがイギリスに連れてきたニューファンドランドに、優れた嗅覚を取り入れるためにコリーやアイリッシュ・セター、ラブラドル・レトリーバーの血が加えられ誕生しました。それがウェービーコーテッド・レトリーバーというフラットコーテッド・レトリーバーの前身の犬種でした。1860年ころに紹介されましたが、犬種として確立されたのはその20年後でした。1900年までには、ストレートな被毛をもったものということで、フラットコーテッド・レトリーバーが誕生しました。一時期人気を博しましたが、ゴールデンやラブラドルの人気の影に隠れ、第二次世界大戦後にはほぼ絶滅状態でした。フラットコーテッド・レトリーバーのブリーダー、スタンリー・オニールは、フラットコーテッド・レトリーバー復活のために努力を続け、20世紀後半にはその偉業を成し遂げ、現在に至っています。
ドッグショーでの評価基準
頭部は長く、スカルの頂は平らでほどよく幅広くなっています。ストップはわずかで、鼻は鼻孔が大きく、歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトです。目はダーク・ブラウンかヘーゼルです。耳は小さく、頭部の両側に接しています。首はほどよい長さで、スローティネス(のどの下のゆるんだ皮膚)はありません。胴体の腰は短く、胸は胸底が深く、かなり幅広く、明瞭な前胸をもちます。尾は短くまっすぐです。前脚はまっすぐで、後肢は筋肉質。飛節は低い位置について、ほどよい角度で曲がっています。