フレンチ・ブルドッグ

コミカルな見かけとは裏腹に、物静かで繊細で細やかな情愛を持った犬です。とても思慮深く聡明で好奇心旺盛なうえ、遊ぶことも大好きです。何かを発見したり探し出したりするようなゲーム感覚の楽しい遊びを次々に開発して、愛嬌たっぷりです。賢さは抜群で、家族の会話は大部分理解できます。話しかけると首を傾げながら一生懸命に聞いて、言葉の意味を理解して的確な反応を返すので、付き合ううちに次第にペットというよりも人に近い存在になってくる不思議な犬です。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:高め
  • 留守に対する適応力:高め
  • 子どもに対する適応力:中程度
性格は?
性格はのんびりしていて、穏やかです。しかし好奇心があり、おちゃめな面もあります。しかし、幼いころから飼い主とのコミュニケーションが不足したり、甘やかすと攻撃的な部分が顔を出します。元を辿れば、オス牛と戦う闘犬です。愛嬌のある姿でも力は強いので、暴れん坊になってしまうと、手が付けられなくなります。気をつけないと、咽喉笛に噛み付いてくるなんてこともあります。正しい愛情をそそぎながら、飼い主がコントロールできるように育てましょう。
必要とされる運動量
屋外で活発に活動する犬種ではありません。散歩は毎日2回、それぞれ20分程度行うのが理想的です。ただし、鼻先がつまっていて、熱中症になりやすいので、真夏の日中の散歩は避けましょう。涼しい朝方や夕方、地面の熱が下がってから散歩に出かけるようにしましょう。散歩による運動と食事のバランスを考えて、肥満防止に努めましょう。
フレンチ・ブルドッグ
  • 原産国 フランス
  • 犬種分類 愛玩犬
  • 色・模様 フォーン、ブリンドル、さまざまなカラーに白斑のあるもの、パイドは白地にフォーンまたはブリンドル
  • 毛質・毛の長さ ショート/スムース(短毛)
  • 抜け毛 少なめ
  • サイズ 小~中型
  • 目安となる体高・体重 体高:30cm、体重:8~14kg
  • 一日に必要な散歩量 中程度
  • 活発度 中程度

起きやすい病気/ケガ
遺伝的疾患として、毛包形成不全や季節性側腹部脱毛症、遺伝性貧毛症などがあります。また、鼻先がつまっているため、とにかく暑さに弱く、春から秋にかけて、車の中に置き去りはもってのほかです。真夏の暑い日の散歩も避けてください。体内に熱がこもりやすく、熱中症になり、最悪は命を落とすこともあります。フレンチ・ブルドッグも涼しい気候を好みますので、真夏は冷房は欠かせません。メスは出産時に帝王切開がほとんどです。これは胎児の頭が大きなためで、自然分娩か帝王切開かは、妊娠期に獣医師とよく相談しましょう。

歴史
1860年、フランスのノルマンディー近くで、イギリスからの労働者の間で飼われていたのが、小型のブルドッグです。もともとは、イギリス本土で、すでに小型のブルドッグが存在していたようで、それをフランスに連れてきていたものです。その小型のブルドッグに目をつけたのがフランス人で、その後テリアやパグと交配させて、フランスの犬としてフレンチ・ブルドッグが誕生しました。

ドッグショーでの評価基準
頭部はとても頑丈で、幅広く、角張っています。頭部の皮膚には対称的なひだとしわが入っています。頭部は顎骨から鼻までの短さが特徴で、スカルの長さはありませんが、幅が広く、頂はほぼ平らです。前頭部は発達していて、眉の隆起が顕著で、目と目の間に特に発達するしわで分けられています。このしわは、前頭部まで達してはいけません。後頭部はほとんど隆起していません。ストップははっきりしていて、鼻は幅が広く、たいへん短く上を向いていて、鼻孔がよく開いています。マズルもたいへん短く、幅広で、上唇に向かって左右対称のひだができます。どのような場合でも、下の切歯が上の切歯の内側にくることがあってはなりません。目は位置が低く、色はダーク(暗色)で、かなり大きく、十分な丸みを帯びて、わずかに出目です。耳は中くらいの大きさで、付け根は幅広く、先端は丸みを帯びていて、頭部の高い位置についていますが、互いに接近しすぎることはなく、開口部を前方に向けて直立しています。首は短く、わずかにアーチを描いています。胴体のトップラインは水平で、腰の部分で高くなり、尾に向かって急激に下降します。この体躯構成は重要です。背は幅広く、筋肉質です。腰は短く、幅広く、胸は円筒形で胸底は下がっています。尾は短く、尻の低い位置についています。付け根は太く、自然にこぶ状になるかねじれていて、先端は細くなっています。前脚は横から見ると垂直で、前から見ると、両脚は離れてついています。肩は短く、筋肉が丈夫でよく目立ちます。後脚は前脚よりもわずかに長く、大腿は筋肉質です。前足は丸く、猫足のようで、わずかに外を向いています。爪は短く、厚く、パッドは硬く厚く黒色です。爪は毛色がブリンドルの場合、黒色でなければなりません。パイドやフォーンの場合はダーク(暗色)が好ましいのですが、明るい色でも欠点にはなりません。