起きやすい病気/ケガ
遺伝性の疾患に、心臓の三尖弁が変形し、循環不全を引き起こす三尖弁形成不全、股関節形成不全、軟骨形成不全、肩骨軟骨症、遺伝性難聴、眼瞼異常などが好発します。多発性後肢狼爪が多くのグレート・ピレニーズに見られます。また、厚い被毛に包まれているため、暑さに弱く、日本の高温多湿の夏場の温度管理に気を使いましょう。
歴史
フランスとスペインの間に立ちはだかるピレネー山脈。ピレニアン・マウンテン・ドッグはこの山脈で育ちました。しかし、そのルーツは数千年前に放浪生活をしていた遊牧民が、アジアから連れてきた犬が祖先だと考えられています。古い記録では、1407年に、歴史家が残した資料にピレニアン・マウンテン・ドッグらしき犬のことが書かれています。ピレネー山脈では、主に羊飼いを助け、羊の群れをオオカミやクマから守っていました。そんな頼れる犬を、17世紀当時の貴族は大変気に入り、入手したがったほどです。
ドッグショーでの評価基準
頭部スカルはわずかに丸みを帯びていて、オクシパットの突起は明確です。後部スカルはオーバル(卵型)です。ストップはゆるやか。鼻は真っ黒で、マズルは幅広く、先端に向かって徐々に細くなります。歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトですが、上下の切歯の端と端がきっちりと咬み合うレベル・バイトは許容されます。目はやや小さいアーモンド型で、いくぶん斜めにつき、色はダーク・アンバー・ブラウンです。耳はやや小さく、三角形で、先端に丸みがあります。胴体の背は十分な長さがあり、キ甲は幅広くなります。尾は垂れて、その先端は少なくとも飛節に達します。前肢は強健で、肩甲骨はほどよく後方に傾斜しています。後肢は後ろから見て両後脚はまっすぐで、大腿はよく筋肉がつき、長すぎず、ほどよく傾斜しています。足はコンパクトで、両前肢にはそれぞれ2本のしっかりしたデュークロー(狼爪)が見られます。