起きやすい病気/ケガ
鼻先がつまっているので、熱い体温を排出するのがうまくありません。そのため熱中症になりやすい傾向にあります。真夏の外出時、留守番の場合にはエアコン、自動車内には絶対に閉じ込めておかないことが重要です。遺伝性の疾患では水頭症、歩行異常を発症するレッグ・カルベ・ペルテス病、膝蓋骨脱臼などのほか、流涙症やパンヌス(慢性表在性角膜炎)などの眼疾患が好発します。
歴史
日本に古くから存在していた狆は、獣へんに中と書くように、体臭もほとんどなく、抜け毛も少ないとして、昔から室内犬として飼われていました。そのルーツは中国で、鼻のつまったその姿から、チベット原産の犬で、チベタン・スパニエルやパグ、ペキニーズたちと同じ祖先だといわれています。日本にはいくつかの時代に、狆の記録が残されています。「日本書紀(720年完成)」には672年、「続日本紀(787年完成)」には732年、「日本紀略(詳細不明)」には824年に、狆と考えられる犬のことが記されています。神社に鎮座している狛犬は、狆がモデルではないかという説があります。江戸時代には大奥や大名が狆を飼育することが流行し、1853年には黒船でやってきたペリー提督がアメリカとイギリスに持ち帰り、諸外国にも知られるようになりました。
ドッグショーでの評価基準
頭部スカルは丸く、幅広く、ストップは深くくぼんでいます。マズルは短く、幅が広く、鼻は両目を結ぶ直線上にあり、鼻の色は毛色に準じて黒色と濃い肉色です。歯の咬み合わせは上下の切歯の端と端がきっちりと咬み合うレベル・バイトが好ましく、外観を損なわない限り、上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトまたはわずかに下の切歯が上の切歯より前方に出るアンダー・ショットでも認められます。目は両方が広く離れてついていて、大きく丸く、色は黒色です。耳は低くついていて、長く、三角形の垂れ耳で、長い被毛に覆われています。胴体の背は短く、まっすぐです。腰は幅広く、わずかに丸みを帯びています。尾は豊かな飾り毛に覆われ、背負っています。前肢はまっすぐで、骨はやや細く、肘から下の後ろ側に飾り毛があります。後肢はほどよい角度があります。