日本スピッツ

ロシア語の「スピッチ(火)」が名前の由来ですが、火がついたようによく吠える気質がもともと遺伝子に組み込まれているということです。しかし、飼い主との関係がうまく行き、精神的に満たされていると、優雅で優しく見とれくらいに可憐で美しいパートナーになってくれます。純白のぶ厚い被毛は、春になると大量の被毛が抜けます。春には毛玉予防、秋には発毛促進のために毎日ブラッシングしましょう。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:高め
  • 留守に対する適応力:中程度
  • 子どもに対する適応力:中程度
性格は?
近年では、無駄吠えをしない、温和な性格に改良されました。実際、国外国内において、多くの日本スピッツを観察すると、実に大人しく、人懐っこく、それでいて好奇心旺盛な性格になっているようです。温和な性格になったとはいえ、かなり警戒心も強く人見知りも激しいのですが、飼い主にだけはすっかり信頼しきって安心してベタベタ甘えます。繊細な優しさがあり、思いやりも深いのですが、その感情の濃密な所が相手に届かないと、次第にストレスを募らせて神経質になり、逆ギレして攻撃的になったりよく吠えるようになります。
必要とされる運動量
あまり活発に走り回るというわけでもなく、運動量はそれほど多くありません。30分程度の散歩を毎日2回行えばいいでしょう。子犬の頃は、無邪気に遊びまわるので、ドッグランなどで自由運動をするといいでしょう。また、社会性を養うためにも、散歩中のほかの犬や人との出会いは最適です。屋外の雰囲気を味わい感受性を高めるにも散歩は必要です。
日本スピッツ
  • 原産国 日本
  • 犬種分類 原始的・スピッツ
  • 色・模様 純白のみ
  • 毛質・毛の長さ ロングコート(長毛)
  • 抜け毛 多め
  • サイズ 超小型~小型
  • 目安となる体高・体重 体高:雄(オス)30~38cm・雌(メス)は雄よりやや小さい、体重:5~6kg
  • 一日に必要な散歩量 中程度
  • 活発度 少なめ

起きやすい病気/ケガ
顔面に膿瘍やかさぶたを伴う皮膚炎が発生し、重度になると全身性になる自己免疫性疾患の落葉状天疱瘡、血液中の血小板に異常が発生し、重度になると血便、血尿、吐血、鼻血などが止まらなくなるスピッツ犬血小板障害、真性癲癇、膝蓋骨脱臼などが好発します。

歴史
日本スピッツは、外国から持ち込まれた祖先犬を、日本で改良し作出した犬種です。その基礎になった犬種には諸説ありますが、よく似ているといえば、ジャーマン・スピッツのミッテルまたはクラインです。少し小ぶりですが、そのままの姿をしていて大変似ているのはイタリアン・ボルピーノです。色だけでいえば、サモエドです。サモエドを小型に改良したということも考えられますが、過去に日本スピッツがよく無駄吠えをし、うるさいというイメージがありました。これは、人気が高まったことで、乱繁殖が行われた結果といわれていますが、もともとの性質が全面に出たと考えてみると、やはりジャーマン・スピッツかイタリアン・ボルピーノではないかと考えられます。当然、品種改良の過程で、サモエドなどほかの犬種の血が導入されたことは間違いないでしょう。昭和30年代には、日本スピッツの一大ブームが巻き起こり、今では考えられませんが、登録犬数がトップになるほどでした。その結果、乱繁殖を行ったために、よく無駄吠えをする騒々しい犬というレッテルが貼られ、また、多くの洋犬が輸入されるようにあったことで、その後少しずつ姿を消していきました。

ドッグショーでの評価基準
頭部はほどよい幅と丸みがあります。スカルは前頭部がほどよく発達し、後部で最も幅広くなります。鼻は小さく丸く黒色です。マズルは鼻孔部がとがっていますが、先端はわずかに丸みがあります。歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトです。目はほどよい大きさのアーモンド型で、色はダーク(暗色)です。耳の付け根の位置が高く、小さい三角形の立ち耳で、前方に向かって直立しています。首はほどよい長さです。胴体はキ甲が高く、背はまっすぐで短く、腰や胸は幅広くなっています。尾は付け根の位置が高く、背上に背負っています。前肢は肩甲骨が後方によく傾斜していて、湖水は筋肉に富み、足は猫足状で、パッドは厚く、爪とともに黒色が好ましいとされます。