起きやすい病気/ケガ
胎生期の形成がうまくいかなかったことから、心室の間に穴が開く心室中隔欠損、甲状腺からのホルモン分泌低下により元気がなくなり、脱毛などを発症する甲状腺機能低下症、真性癲癇症のほか、アレルギー性皮膚炎や緑内障、白内障などが好発します。
歴史
昭和9年5月、国の天然記念物に指定された紀州犬は、もともとは、和歌山県、三重県、奈良県を含む紀伊半島の中型の地犬です。かつては交通手段が乏しく、比較的近隣であっても、深い山々や海岸に阻まれ、それぞれの地で、太地犬、熊野犬、日高犬、高野犬、明神犬、那智犬が独自に改良されていきました。しかし、天然記念物として紀州犬が指定される際に、紀伊半島のこれらの犬は、すべて紀州犬とされ、その中でも白系統の日高犬、また三重県の大内山系が評判だったため、現在の紀州犬も白系統が圧倒的になりました。
ドッグショーでの評価基準
頭部スカルは前頭部が幅広く、ストップははっきりとし、浅い額溝があります。鼻は黒色ですが、毛色が白い場合は肉色が許容されます。マズルはやや太く、くさび型で、先細ります。歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトです。目はやや三角形で、色は暗褐色です。耳は小さく、三角形で、やや前方に傾いて、しっかりと立っています。胴体はキ甲がよく発達し、背はまっすぐで、腰は幅広く、胸は胸底が深く、あばらはよく張っています。尾は付け根の位置が高く、太く、背上に力強く巻くか、鎌状に湾曲させて上げています。肩甲骨がほどよく後方に傾斜し、肩の筋肉はよく発達しています。後肢は大腿、下腿ともによく発達しています。