ラブラドール・レトリーバー

友好的な犬種ですが、夜間などはしっかりと番犬の役目も果たしてくれます。怪しい物音や人影には不寝番で対応し、飼い主家族を守るための責任感に満ち溢れています。子犬時代には何にでも興味を示して興奮し、大袈裟なリアクションではしゃぎ回ります。特に賢くて好奇心旺盛な犬ほど、子犬時代は大暴れして手を焼きますが、そんな子犬ほど名犬の素質十分と考えてがまんすることです。生後2歳をすぎるころには、おとなしさが出てきて、少しさびしさを感じるくらいです。今までのやんちゃぶりが嘘のように、物静かで落ち着きのある性格に変化していくでしょう。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:高め
  • 留守に対する適応力:高め
  • 子どもに対する適応力:高め
性格は?
とにかく愛情に満ち溢れた犬種で、我慢強さもあります。また、2歳くらいまでは、非常に活発で、元気がありすぎるくらいです。水場に行けば、真っ先に飛び込んで遊び、ほかの犬を見つければ、遊びに誘います。他人や子どもにも寛容で、好意的に友好的に接してくれます。とにかく幼いころからトレーニングされるのも好きですが、飼い主は家族ばかりではなく、他人やほかの犬と接する機会をもち、社会性を養っておくべきです。また、散歩中のひっぱり防止をしっかりとトレーニングしておくことをお勧めします。
必要とされる運動量
もともとが鳥猟犬で、気質も活発なため、毎日、多くの運動は欠かせません。1日2回、最低60分くらいの散歩が必要です。飼い主に忠実なので、散歩をサボっても、飼い主の側にいられるだけで幸せを感じて、何も催促することはありませんが、運動不足になると、肥満体になります。肥満からさまざまな病気を発症する可能性もあるので、毎日、なるべく多くの時間、散歩を兼ねた運動を行いましょう。
ラブラドール・レトリーバー
  • 原産国 イギリス
  • 犬種分類 鳥猟犬
  • 色・模様 ブラック、イエロー、チョコレート/レバー
  • 毛質・毛の長さ ショート/スムース(短毛)
  • 抜け毛 中程度
  • サイズ 大型
  • 目安となる体高・体重 体高:雄(オス)56~57cm・雌(メス)54~56cm、体重:25~34kg
  • 一日に必要な散歩量 多め
  • 活発度 高め

起きやすい病気/ケガ
人気の大型犬に特有で、遺伝的要素の大きな股関節形成不全などの関節疾患が好発します。また、白内障や緑内障、眼瞼外反症などの眼疾患のほか、血液が心臓から肺に送られる途中にある弁が狭くなっているために、全身に十分な酸素が回らなくなる肺動脈弁狭窄、遺伝性、後発性のものがあり、食物を飲み込めなくなる巨大食道症、インスリンが過剰分泌され、低血糖になるインスリノーマ、アトピー性皮膚炎などがみられます。

歴史
盲導犬や麻薬犬として世界で活躍しているラブラドール・レトリーバーは、名前から、ラブラドル半島原産のイメージがありますが、実際にはカナダのニューファンドランド島のニューファンドランド・ラブラドル州原産です。ニューファンドランド島のセント・ジョン川で漁師の仕事を手伝っていて、当初はセント・ジョンの犬と呼ばれていました。1830年には、その犬の存在が知られ、イギリスに輸入されました。今では世界中でポピュラーな犬種です。

ドッグショーでの評価基準
頭部スカルは幅広く、肉の付きすぎていないすっきりとした頬をしています。ストップははっきりしていて、鼻は幅広く、鼻孔がよく発達しています。マズルはとがっていません。歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトです。目は中くらいの大きさで、色はブラウンかヘーゼルです。耳は大きくも重々しくもなく、頭部に沿って垂れていて、付け根は頭部のやや後方にあります。首はすっきりしていて丈夫です。胴体の背のトップラインは平らで、腰は幅広く、カプリング(肋骨と寛骨の間を連結する胴の部位)が短く、胸は十分な幅と胸底の深さがあります。尾の付け根は大変太く、先端にいくに従い、徐々に細くなります。中くらいの長さで、飾り毛はありませんが、全体的に短く厚い被毛が密生しています。丸く見えるため、オッター・テール(カワウソ尾)と呼ばれます。前脚は前から見ても、横から見ても、肘から地面までまっすぐです。肩は肩甲骨が長く、後方へ傾斜しています。後脚はよく発達していて、飛節は十分に下の方についています。カウ・ホック(後脚の飛節が左右とも牛のように内側に寄っている肢勢)は好ましくありません。被毛の毛色は胸にある小さなホワイトの斑は許容されます。