ロング・コート・チワワ

世界最小犬種のチワワは、小さな体は、日本の住宅事情をあまり気にすることなく、近年急増しているペット可のマンションなどでも飼育可能です。また、散歩や食事の量も少なくてすむため、年配の方でも飼いやすく、忙しい方などにも向いています。猫っぽい面が強く、常にマイペースで、甘えたい時にはベタベタしてきます。飼い主の愛情は独占するのが当然と思っているようです。毛質にはロングとスムースの2タイプがあります。性格には大きな違いはありません。ただし、ロング、スムースともに寒さには弱いので、特に冬場は飼い主と同じ室内の環境で飼育されるべきです。もちろん、真夏の暑い日に、エアコンの効いていない部屋での留守番や屋外に駐車している車内への置き去りは、決してしてはいけないことです。確実に熱中症から脱水症状になり、命を落とすこともあるので、十分注意しましょう。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:高め
  • 留守に対する適応力:高め
  • 子どもに対する適応力:少なめ
性格は?
無邪気に遊び、猫のようにマイペースで、そのときによって飼い主に甘えてきたり、素っ気無いしぐさをすることがあります。しかし、小さな体は年配の方でも飼いやすく、また、多くの散歩などの運動も必要としないので、忙しい方などにも向いています。警戒心が強く、少し怖がりな面があります。幼いころから、他の犬との交流がなかったり、甘やかして育ててしまうと、臆病な面が強く出てしまい、ちょっと生意気で攻撃的な性格になってしまうこともあります。もともと頑固な部分があるので、たっぷりの愛情をそそぎ、締めるところは締めましょう。
必要とされる運動量
小さな身体なので、毎日多くの散歩や運動は必要としません。基本的な運動などは、室内や庭などでも十分です。しかし、健康維持やストレス発散のためにも、10分程度の散歩を行いましょう。散歩で出会うほかの犬や人との触れ合いで、社会性を養うことにもなります。また、天気の良い日には日光浴にもなり、健康な皮膚を維持するにも役立ちます。
ロング・コート・チワワ
  • 原産国 メキシコ
  • 犬種分類 愛玩犬
  • 色・模様 すべての色と組み合わせが認められている
  • 毛質・毛の長さ ロングコート(長毛)
  • 抜け毛 中程度
  • サイズ 超小型
  • 目安となる体高・体重 体高:15~23cm、体重:1~2kg
  • 一日に必要な散歩量 少なめ
  • 活発度 少なめ

起きやすい病気/ケガ
体がきゃしゃなため、骨折などの怪我には十分な注意が必要です。また、頭蓋骨(泉門:頭頂部のややくぼんだ部分)が、成長してもきちんと融合しない傾向にあるため、頭部への衝撃は避けてください。健康状態をきちんと確認し、成長してもその状態を把握しておくことが大切です。その他、チワワに多発する病気は膝蓋骨脱臼や水頭症、口蓋裂、気管虚脱、眼疾患、停留睾丸、鼠径ヘルニアなどがあります。

歴史
チワワのルーツはメキシコです。アステカ時代、宗教上の儀式に用いられたこともあり、メキシコのピラミッドで、チワワの原型と思われる犬のレリーフが発見されています。19世紀半ばからアメリカ南西部で改良され、現在の姿になったといわれています。ヨーロッパには、19世紀の終わりに持ち込まれたようです。

ドッグショーでの評価基準
頭部は丸みを帯びたアップル・ヘッドで、ストップははっきりしています。額はマズルの付け根にかぶさるようになります。鼻はほどよく短く、わずかに上向きで、どんな色でも認められます。マズルは横から見ると短く、付け根が広くなっています。歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイト、または上下の切歯の端と端がきっちりと咬み合うピンサーズ・バイトです。目は大きく丸く、出目ではありません。色は完全にダーク(暗色)で、明るい色も許容されますが好ましくありません。耳は大きく、直立し、上へ広がるようについています。付け根は幅広く、わずかに丸みのある先端に向かって、少しずつ先細ります。首は中くらいの長さで、横から見るとわずかにアーチを描いています。ロングコートの場合は、首に長くて厚い被毛(ラフ)があるのが好ましいとされます。胴体のトップラインは水平で、キ甲はほとんど目立たず、腰は筋肉質で頑丈です。胸は広く、あばらはよく張っていますが、樽胴ではありません。腹は引き締まっていて、ゆるんでいても許容されますが、望ましくありません。尾は適度な長さで、付け根の位置が高く、先端に向かって次第に先細ります。ロングコートの場合は、尾から垂れている長い飾り毛(プルーム)を形成します。前脚はまっすぐで、十分な長さがあります。横から見ると垂直で、肩には筋肉が適度にあり、すっきりとしています。後脚は後ろから見ると垂直で、両脚が平行になっています。後脚の狼爪(デュークロー)は除去しなくてはなりません。