ミニチュア・ブル・テリア

お世辞にもかわいいとか、かっこいいとは呼べませんが、愛嬌でいえば、トップクラスに入る犬種です。ブル・テリアを小型化して誕生しました。しかし、庭などに放しておくと、大好きな穴掘りを始めてしまうので、ガーデニングなどで庭をきれいにしている方は要注意です。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:高め
  • 留守に対する適応力:少なめ
  • 子どもに対する適応力:中程度
性格は?
愛嬌のある表情そのままに、ミニチュア・ブル・テリアは遊び好きで陽気な性格です。活発でエネルギッシュに活動します。見知らぬ人に対しても、それほど警戒心は抱きませんが、自宅にいるとき、不審な物音や人陰を発見したときには、番犬の能力を最大限発揮します。
必要とされる運動量
スタミナが溢れ、筋肉質の塊のような体力がある上、テリアの活発な性格が加わった、元気の塊のような犬種です。その体力を消耗するには、約60分の駆け足を取り入れた散歩を、毎日2回は行わなくてはなりません。それ以外の時間に遊ばせても、疲れるということはないでしょう。庭があれば自由運動をさせてあげましょう。暑いのは苦手なので、夏場は涼しい時間帯に運動を行いましょう。
ミニチュア・ブル・テリア
  • 原産国 イギリス
  • 犬種分類 テリア
  • 色・模様 ホワイト、ブラック、ブリンドル、レッド、フォーン、トライカラーなど
  • 毛質・毛の長さ ショート/スムース(短毛)
  • 抜け毛 少なめ
  • サイズ 中型
  • 目安となる体高・体重 体高:35cmを超えてはならない、体重:11~15kg
  • 一日に必要な散歩量 中程度
  • 活発度 中程度

起きやすい病気/ケガ
まれに膝蓋骨脱臼がみられる場合があります。また、ノミなどによるアレルギーもあるので、寄生虫駆除を心がけてください。ほかにも遺伝的に、僧帽弁の閉鎖不全により、左心室から左心房へ血液の逆流が起こる僧帽弁形成不全、大動脈弁の狭窄により、血流障害を引き起こす大動脈弁狭窄、口唇周辺に慢性的なかゆみなどが発生するフルンケル症、毛包虫症、メラニン色素の欠損により起きる皮膚炎のワールデンブルグ・クライン症候群、紫外線などの日光刺激で発生する体幹性日光皮膚炎、足の皮膚や肉球が赤く腫れたり、炎症を起こす肢端皮膚炎、遺伝性難聴などが好発します。

歴史
ミニチュア・ブル・テリアは、スタンダードのブル・テリアを小型に改良したものです。その歴史には試行錯誤が見え隠れします。ブル・テリアは19世紀に誕生しましたが、当時は大きさにいくつかの違いがありました。その中に「トイ」という小さなサイズのブル・テリアが存在していました。しかし、「トイ」ブル・テリアは20世紀前半に絶滅してしまいます。アメリカでは、その当時からミニチュアサイズのブル・テリアが存在していましたが、頭数が少なく、ミニチュアと認識されていませんでした。そのうち絶滅してしまうだろうと考えられていたのです。そんな中、1939年、イギリスのケンネル・クラブはミニチュア・ブル・テリアを公認しました。一方、昔からその存在があったにもかかわらず、アメリカのミニチュア・ブル・テリアは1991年5月14日にようやく公認されました。

ドッグショーでの評価基準
頭部は長く頑丈で、マズルの末端まで十分な厚みがあります。前から見ると卵型で、表面にくぼみや溝はありません。横から見るとスカルの頭頂から鼻先にかけておだやかなカーブを描きます。鼻は黒色。先端にかけて下方に曲がります。歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトです。目は細く、三角形で、傾いてついています。目の色はダーク・ブラウンです。耳は小さく、薄く、両耳が接近していて、まっすぐ上を向くときは、しっかりと直立しなくてはなりません。首はたいへん筋肉質で、長く、アーチを描いています。たるんだ皮膚はありません。胴体は、はっきりとしたあばらの張りと、キ甲から胸郭にかけて、十分な深さがあり、丸みを帯びています。尾は短く、付け根では太く、先細りします。水平に保持されます。前脚は最も頑丈で、両脚が完全に平行になっています。後肢は後ろから見ると後脚2本が平行で、大腿は筋肉質です。