ニューファンドランド

巨大な動くぬいぐるみのようなニューファンドランドは、筋肉質で骨太ながっしりした体型で、頼りがいのあるたくましい大型犬です。優雅にゆったりと落ち着いているので、とても気品ある印象を受けます。しかし、実際には遊び好きで、夏場は海や川に連れ出して大好きな水遊びをさせてあげれば、元気百倍になって大喜びしてくれるはずです。指の間の皮膚が水かきのように伸びていて、本場カナダでは水難救助犬として活躍しているだけのことはあり、泳ぎは得意中の得意です。脂っぽい粗毛が密生している下毛は、防寒防水効果が抜群で、水から上がってブルブルっとするだけで、一瞬で体が乾いてしまいます。 よだれが多く出ます。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:中程度
  • 留守に対する適応力:高め
  • 子どもに対する適応力:高め
性格は?
とても温厚で優しく友好的な性格なので最良の家庭犬になってくれます。しかし、あくまでもトレーニングがなされた成犬のことで、子犬は少しでも飼い主が離れれば、寂しくて仕方ありません。まさに大きな甘えん坊なのです。訪問者やほかのペットも友好的に迎えますが、飛びついたりして、訪問者に迷惑のかからないようにしなくてはならないでしょう。
必要とされる運動量
それほど活発ではないので、食事と運動のバランスをとるのが難しくなります。そこから肥満になったり、健康を維持する筋肉が不足することにもつながります。60分程度の散歩を毎日2回は行い、ストレス発散にも役立てましょう。
ニューファンドランド
  • 原産国 カナダ(ニューファンドランド島)
  • 犬種分類 使役犬
  • 色・模様 ブラック、ブラウン、ホワイト&ブラック
  • 毛質・毛の長さ ロングコート(長毛)
  • 抜け毛 多め
  • サイズ 超大型
  • 目安となる体高・体重 体高:雄(オス)平均71cm・雌(メス)平均66cm、体重:雄(オス)平均約68kg・雌(メス)平均約54kg
  • 一日に必要な散歩量 多め
  • 活発度 中程度

起きやすい病気/ケガ
大動脈弁の狭窄により、血流障害を引き起こす大動脈弁狭窄、胎生期の形成がうまくいかなかったことから、心房の間に穴が開く心房中隔欠損、心臓が拡張し、収縮する動きの幅が小さくなってしまう拡張型心筋症、毛色の薄い部分に脱毛や毛包炎が発生するカラー・ダイリューション脱毛、甲状腺からのホルモン分泌低下により元気がなくなり、脱毛などを発症する甲状腺機能低下症、白内障などが好発します。

歴史
巨大なこの犬種の歴史は、諸説あります。アメリカですでに絶滅したブラック・ヴォルフという犬種とアジアからやって来たチベタン・マスティフとの間に発生したとの説や、西暦1000年ころのバイキングが連れていた犬と北アメリカのオオカミが交雑したものという説、それに15~16世紀にヨーロッパの探検家が連れていたマスティフ、ピレニアン・マウンテン・ドッグ、ポルトゥギース・ウォーター・ドッグらの交配したものという説がありますが、はっきりしたことは不明です。1775年、島の名前をとって、ニューファンドランドと正式に命名されましたが、その後一家に1頭のみの飼育という政策により、一時は絶滅の危機になりましたが、1860年にイギリスのドッグショーで紹介され人気犬種となりました。

ドッグショーでの評価基準
頭部ががっしりしていて、スカルは幅広く、わずかにアーチを描いています。ストップははっきりしていますが、球ではありません。鼻は大きく、色は毛色がブラックまたはブラック&ホワイトの場合は黒色、毛色がブラウンの場合はブラウンです。マズルはスクエア(四角)で、歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトまたは、上下の切歯の端と端がきっちりと咬み合うレベル・バイトです。目は比較的小さく、毛色がブラック、またはブラック&ホワイトの場合はダーク・ブラウン。毛色がブラウンの場合は明るい色調が認められています。耳は比較的小さく、先端が三角形を帯びていて、垂れています。胴体はキ甲から尻部へかけてのトップラインは水平で、背は幅広く、腹側のアンダーラインはほぼ水平です。前脚はまっすぐで、後肢は大腿が幅広く、筋肉質です。尾は根元が幅広く、長さは飛節、もしくはわずかに飛節の下まで達します。