ペキニーズ

ペキニーズは、まるでぬいぐるみのようで、あまり活発ではありません。自分にその気がない時は、呼んでも無視を決め込むなど、驚くほど淡泊な態度をとります。神経質で気に入らないことがあると、過剰に反応して吠え続けたり、咬みつくので、トレーニングには相当手こずります。犬の気持ちや自主性を尊重して、ゆっくりじっくりしつければ、味のあるパートナーになります。鼻がつまっているので、寒さには強いのですが、暑さは苦手です。真夏のエアコンの効いていない部屋や車内に閉じ込めないようにしましょう。また、太りやすい体質なので、食事と運動のバランスを考えて、肥満防止が必要です。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:高め
  • 留守に対する適応力:高め
  • 子どもに対する適応力:高め
性格は?
その姿からは想像できませんが、かなり用心深く、警戒心が強く頑固です。自己中心的でマイペースです。静かにのんびり、勝手気ままな生活を望んでいるので、騒々しい家庭や子どもが大騒ぎする家庭では、ストレスで攻撃的な性格になることもあります。通常は飼い主家族にはもちろん優しく愛情深く接してくれます。
必要とされる運動量
ペキニーズには、運動という言葉が当てはまらないほど、散歩が似合わない犬種です。しかし、本人は活発ではありませんが、散歩に出かけることは嫌いではありません。1日1~2回、10分程度、散歩をさせる程度で済むでしょう。屋外に出ることで、ほかの犬や人との触れ合いなどから社会性を学ぶことも必要です。日光浴を兼ねて、短時間でも外出しましょう。
ペキニーズ
  • 原産国 中国
  • 犬種分類 愛玩犬
  • 色・模様 アルビノ、レバーを除くさまざまなカラー
  • 毛質・毛の長さ ロングコート(長毛)
  • 抜け毛 中程度
  • サイズ 超小型
  • 目安となる体高・体重 体高:20cm前後、体重:5kg
  • 一日に必要な散歩量 少なめ
  • 活発度 少なめ

起きやすい病気/ケガ
肥満傾向にあり、心臓疾患や椎間板疾患を発症しかねません。また、顔周辺のしわには汚れが溜まりやすく、皮膚疾患や眼疾患を発症する可能性もあるので、特に食後には、顔周辺をていねいに拭いてあげましょう。好発する疾患には炎症によって心臓弁が変形し、血液が逆流などを起こし、循環不全を引き起こす心内膜症、犬の皮膚に繁殖しやすい真菌により局所的に炎症を引き起こす皮膚糸状菌症、狂犬病予防ワクチンによる脈管炎および脱毛などがあります。

歴史
ペキニーズは、最近のDNAの研究によると、かなり古い犬種であることが分かっていて、パグやシー・ズー、チンなどのルーツとなった犬種です。実際、その記録は8世紀の唐の時代に残されています。その後も長きに渡り、神聖な犬として中国宮廷だけで飼われていました。1857~1860年に渡るアロー戦争の際、イギリス軍が中国に攻め入ったときに、ペキニーズを発見し、本国へ持ち帰りました。このとき、宮廷の警護は、外国に神聖な犬を渡してはいけないと、子犬を殺すように命じていましたが、5頭のペキニーズがイギリス軍に持ち去られました。そのうちの1頭がビクトリア女王へ献上され、ヨーロッパでもペキニーズの人気が高まりました。1893年にはイギリスで、1909年にはアメリカで公認されました。

ドッグショーでの評価基準
頭部は大きく、幅広くなっています。スカルは幅広く、耳と耳の間隔は広く、平らでドーム状ではありません。目と目の間隔は広く、ストップははっきりしています。横から見ると顔部は平らで、鼻は短く、幅が広く、鼻孔が大きく、色は黒色です。目は大きく丸く、色はダーク(暗色)です。耳はハート型で、スカルの頂と同じ高さに付け根があります。豊富な被毛で覆われています。首はたいへん短く太くなります。胴体は短く、背は平らです。あばらはよく張っていて、ウエストはよく締まっています。尾は付け根の位置が高く、どちらかの体側に垂れていて、長い飾り毛に覆われています。前肢は短く、前脚はわずかに弓状になっています。後脚は互いに接近していますが、カウ・ホック(後脚の飛節が左右とも牛のように内側に寄っている肢勢)ではありません。