パグ

ラテン語の『パグナス(握りこぶし)』が由来になっている通り、押し潰された鼻先がまるで握りこぶしを連想させます。この独特な風貌は、愛嬌と哀愁が入り交じり、いつまで見ていても飽きることがありません。いっしょに暮らしていると喜怒哀楽の感情表現の豊かさには驚かされるばかりです。いつでも明るくポジティブに動き回る姿に、元気づけられることも少なくありません。付き合えば付き合うほど味が出て、愛着が沸いてくるので、パグを飼育している人に「次もパグ」という人が多いのも頷けます。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:高め
  • 留守に対する適応力:高め
  • 子どもに対する適応力:高め
性格は?
そのユーモラスな表情からも想像できますが、お茶目でとても愛情豊かです。知的で賢くて、飼い主に忠実な性格です。幼いころからの反復的なトレーニングをこなしていけば、いろいろなことをどんどん吸収していきます。トレーニングに失敗してしまうと、わがままで無駄吠えが多くなってしまうので、愛情こもったコミュニケーションをとりましょう。
必要とされる運動量
それほど活発な犬種ではなく、快適な室内にいることを好むので、どうしても肥満傾向にあります。肥満を予防するためにも、毎日2回、20分程度の散歩が必要です。しかし、熱中症になりやすいので、真夏の日中の散歩は避けましょう。涼しい朝方や夕方、地面の熱が下がってから散歩に出かけるようにしましょう。
パグ
  • 原産国 中国
  • 犬種分類 愛玩犬
  • 色・模様 シルバー、アプリコット、フォーン、ブラック
  • 毛質・毛の長さ ショート/スムース(短毛)
  • 抜け毛 少なめ
  • サイズ 小型
  • 目安となる体高・体重 体高:25~28cm、体重:6.3~8.1kg
  • 一日に必要な散歩量 中程度
  • 活発度 少なめ

起きやすい病気/ケガ
壊死性の髄膜脳炎で、歩行不能や急性の発作、失明などを引き起こすパグ脳炎や、眼球突出、鼻孔狭窄などがみられます。つまった鼻は、呼吸による体温調節があまりうまくできません。そのため暑さに大変弱く、熱中症にかかりやすい犬種です。真夏の自動車の中や、温度管理のされていない室内、店先でつなぎっぱなしにすることなどは絶対にしないでください。もともと呼吸が荒いので、いびきをかきます。また、顔のしわの部分は汚れがたまりやすく、皮膚病や眼病、悪臭の原因になるので、いつも清潔に保ってあげましょう。

歴史
パグの祖先は、紀元前400年ころのアジアで始まったと考えられています。その祖先には、ペキニーズが関与していることは間違いないようですが、確かなことは分かっていません。ビクトリア朝時代には、その人気は絶大となり、絵画などにもその姿が残されています。1860年、イギリスが北京へ攻め入ったとき、パグとペキニーズは持ち去られ、イギリスへと運ばれました。1885年にはアメリカ、1886年にはイギリスでも紹介され、ケンネル・クラブにより、公認されました。

ドッグショーでの評価基準
頭部は大きく丸くなっていますが、アップル・ヘッドではありません。スカルにくぼみはまったくありませんが、しわがはっきりしています。マズルは短く、スクエア(四角)ですが、上を向いてはいません。鼻の過剰なしわは好ましくありません。歯の咬み合わせはわずかに下の切歯が上の切歯より前方に出るアンダー・ショットで下顎のゆがんだライ・マウスや歯、舌が見えているものは好ましくありません。目は大きく、球状で、色はダーク(暗色)です。耳は薄く、小さく、ベルベットのように柔らかく、形に2種類あり、小さな垂れ耳が折り重なり、後方に倒れて耳朶が見えるローズ・イヤーと耳が前方に折れ、先端部が開口部をふさぐようにスカルに沿ってたれ、先端が目の方を指しているボタン・イヤーがあります。ボタン・イヤーの方が好ましいとされます。首は十分な太さと長さがあり、わずかにアーチを描いています。胴体は短い胴のコビーで、背線は水平、胸は幅広く、あばらがよく張っています。尾は付け根の位置が高く、尻の上にできるだけ硬く巻いています。二重巻きはたいへん好ましいとされます。前脚は頑丈でまっすぐで、ほどよい長さです。肩甲骨が後方によく傾斜しています。後脚もほどよく長く、胴体の真下についています。後ろから見るとまっすぐで、両脚が平行になっています。前・後足ともに、兎足ほど長くなく、猫足ほど丸くありません。爪は黒色です。