ラフ・コリー

1954年から1974年までアメリカのテレビドラマ「名犬ラッシー」に登場し、世界中で愛される犬種になりました。その後も映画や、日本ではアニメでも放映されました。ストーリーの中では、遠く離れ離れになった飼い主の少年の元へ帰る、苦難の旅の中で、勇気のある優れた能力のある犬種として描かれています。FCI(世界畜犬連盟)やUKC(ユナイテッド・ケネル・クラブ)などヨーロッパではラフ・コリーとスムース・コリーは別犬種扱いですが、AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)では同一犬種のバラエティーとされています。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:中程度
  • 留守に対する適応力:高め
  • 子どもに対する適応力:中程度
性格は?
神経質なところや攻撃性はなく、親しみやすい性格です。知能が高く、家族に対して愛情をおしみなく注ぐ優しくて温和な性格の犬です。状況判断にも優れていて、自分で判断して行動を起こすことができる心強いパートナーです。子どもと遊ぶ時は、相手のことを考えながら、多少のことには忍耐強く気をつかいながら一緒になって遊んでくれます。大好きな主人の喜ぶ顔を見るためなら苦労を惜しまないといったとても従順なところもあります。
必要とされる運動量
運動量は膨大です。体力、スタミナともにずば抜けています。この運動能力は単なる散歩ではこなせません。基本的には毎日最低2回、それぞれ60分以上の駆け足や自由運動を含めた散歩が必要です。
ラフ・コリー
  • 原産国 イギリス(スコットランド)
  • 犬種分類 牧羊・牧畜犬
  • 色・模様 セーブル&ホワイト、トライカラー、ブルー・マール
  • 毛質・毛の長さ ロングコート(長毛)
  • 抜け毛 多め
  • サイズ 中型~大型
  • 目安となる体高・体重 体高:雄(オス)61cm・雌(メス)56cm、体重:雄(オス)27~34kg・雌(メス)23~29.5kg
  • 一日に必要な散歩量 多め
  • 活発度 中程度

起きやすい病気/ケガ
遺伝的に、口唇周辺に慢性的なかゆみなどが発生するフルンケル症、マラセチア菌という真菌の感染による皮膚炎や外耳炎を引き起こすマラセチア感染症、メラニン色素の欠損によって皮膚炎が引き起こされるワールデンブルグ・クライン症候群、網膜が萎縮して動かなくなる汎進行性網膜萎縮が好発するほか、脈絡膜の発育不全などによる遺伝性のコリーアイなど、眼疾患が多くみられます。

歴史
何世紀にも渡って、コリーの存在は、スコットランド国外ではまったく知られていませんでした。しかし、現地では羊の群れを警備し、群れをコントロールし、水難事故の救助までこなす優れた牧羊犬として飼われてきました。1860年、イギリスのビクトリア女王がスコットランドを訪問したとき、コリーを見てすぐに気に入り、スコットランドの城で飼育されるようになりました。それから上流階級層が所有するようになりました。コリーは、1914年、イギリスのUKC(ユナイテッド・ケンネル・クラブ)によって公認されました。その時は「スコッチ・コリー」と呼ばれていましたが、1991年に「コリー」に修正されました。

ドッグショーでの評価基準
前から見ても、横から見ても、頭部は先端が鈍角のくさび型です。スカルの長さとマズルの長さは同じで、ごくわずかに認められるストップによって区分されます。目は中くらいの大きさで、アーモンド型で、色は暗褐色です。毛色がブルー・マールの場合は、目の色はブルーまたはブルーの斑が見られます。耳は小さく、3分の2が直立し、3分の1が前方へ折れています。歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトです。胴体は体高に比べて体長がやや長く、腰部がわずかに隆起しています。尾は長く、静止時は低く保ちますが、興奮しても背上に上がることはありません。前脚はまっすぐで、筋肉たくましく、後肢は大腿部は筋肉質、下腿部は腱質です。