スコティッシュ・テリア

まるで哲学者のような風貌でいて、短い足でチョコチョコ歩く姿のギャップが楽しいスコティッシュ・テリアは、アメリカ大統領にも愛された犬種として世界でも多くの愛好家がいます。頑固な性格でプライドも高く、自分が決めた判断と違う命令が出ると、頑として言うことを聞かなかったり、納得できないことでしかられると「自分のことではない」といった様子で、悪びれないふてぶてしさもあります。そのため、トレーニングなどはかなりてこずるはずです。飼い主は根気と努力が必要です。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:高め
  • 留守に対する適応力:中程度
  • 子どもに対する適応力:中程度
性格は?
深い信頼関係が築ければ、大好きな主人には、思いやりを持って従順に尽くしてくれます。長く付き合えば付き合うほど、深い部分で分かり合えるタイプで、犬らしくない不思議な犬です。勇敢で機敏です。もともとカワウソやキツネ、アナグマとウサギの猟犬だったので、注意深くもあります。しかし、頑固者なので、あまり厳しいトレーニングには反抗的になるかもしれません。
必要とされる運動量
それほど多くの運動量は必要ありません。室内や庭で遊ぶだけでも、必要な運動量は補えるでしょう。しかし、気難しいスコティッシュ・テリアの精神面を考えると、屋外に出てほかの犬や人との触れ合いで、社会性を養うようにするといいでしょう。ストレス発散のためにも、30分程度の散歩を、毎日2回は行うといいでしょう。
スコティッシュ・テリア
  • 原産国 イギリス(スコットランド)
  • 犬種分類 テリア
  • 色・模様 ブラック、ウィートン、ブリンドルなど
  • 毛質・毛の長さ ロングコート(長毛)
  • 抜け毛 中程度
  • サイズ 小型
  • 目安となる体高・体重 体高:25.4~28cm、体重:8.6~10.4kg
  • 一日に必要な散歩量 中程度
  • 活発度 中程度

起きやすい病気/ケガ
血液が心臓から肺に送られる途中にある弁が狭くなっているために、全身に十分な酸素が回らなくなる肺動脈弁狭窄、イヌニキビダニによる全身性毛包虫症、ストレスなどの誘発により、全身性の痙攣を起こすスコッチ痙攣、粘膜からの出血がみられるフォン・ヴィレブランド病、脂漏性皮膚病、遺伝性難聴、頭部や眼への打撲などによる衝撃や遺伝性によることが原因の水晶体脱臼、白内障、悪性リンパ腫などが好発します。

歴史
テリアらしい風貌のスコティッシュ・テリアは、その名のとおりスコットランド原産のテリアです。スコットランドはウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアやケアーン・テリア、スカイ・テリア、ダンディ・ディモント・テリアなどが原産地になっていますが、1800年ころまでは、それぞれが特定の品種として扱われていませんでした。そのため、それまでは雑種化があったようですが、その副産物として、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアやケアーン・テリア、ダンディ・ディモント・テリアの基礎になったようです。1860年には、ドッグショーに出場するために、アバディーン・テリアという名前になりました。これは、スコットランドのアバディーン市出身だったこともあります。1883年に、それぞれの犬種を独立した犬種にする運動が起こり、スコティッシュ・テリアの名前に改名され、1888年にスコットランドでスコティッシュ・テリアのクラブが設立されましたが、皮肉にも、その前年の1887年に原産地よりも先にイギリスで設立されていました。アメリカでは1880年代に紹介され、1885年にはAKC(アメリカン・ケンネル・クラブ)で公認もされていました。

ドッグショーでの評価基準
頭部スカルは長いため、かなり幅がありながら狭く見えます。頂はほぼ平らです。ストップはわずかですがはっきりしています。鼻は大きく、横から見ると、後方に傾斜しているように見えます。マズルは厚みがあり、スカルとマズルの長さはひとしくなります。歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトまたは上下の切歯の端と端がきっちりと咬み合うレベル・バイトです。目はアーモンド型の暗褐色で、両目がかなり離れています。耳は先端がとがり、頭頂に直立しています。首はほどよい長さで筋肉質です。胴体のトップラインはまっすぐで、平らです。背や腰は筋肉質です。尾は付け根は太く、先細りになり、直立するか、わずかに曲がっている。前肢は肩甲骨がよく後方に傾斜し、後肢は大腿に厚みがあります。