シー・ズー

艶やかな被毛は、どんどん伸びます。ショードッグとしては、長い被毛が一層上品さを引き立てますが、一般家庭で飼育するには、この長い被毛が毎日の手入れの邪魔になります。通常は短くトリミングすることで対応します。それでも、シー・ズーの魅力である長い被毛を楽しみたい場合は、毎日のブラッシングは当然のこと、顔にかかる被毛は頭の上でちょんまげにし、目に入らないようにしてあげましょう。もともと眼疾患が多いので、なるべくその原因を取り除いてあげましょう。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:高め
  • 留守に対する適応力:中程度
  • 子どもに対する適応力:高め
性格は?
一見、大人しそうで、抱っこされているだけの犬に見えますが、実は自尊心が強く、頑固でいて血気盛んな犬種です。ときより横柄な態度も見せますが、飼い主のことは大好きで、いつも飼い主のことを理解しようとしています。コミュニケーションがとれていれば、多少の厳しいトレーニングもこなし、小さな子どもや、他のペットとも安心して遊ばせられるでしょう。
必要とされる運動量
胴長の身体なので、運動することで背骨周辺の筋肉が鍛えられ、椎間板疾患を予防することにもつながります。そのためにも毎日多くは必要ありませんが、10分程度の散歩を1日2回ほど行い、筋肉の育成とともに運動不足からくる肥満を解消しましょう。ほかにも、短い散歩でも、屋外の風や臭いを感じで感受性を高めたり、ほかの犬や人との触れ合いで社会性を養うことにも役立ちます。また、日光浴によって、健康な皮膚や被毛を維持するためにも重要なことなのです。
シー・ズー
  • 原産国 チベット
  • 犬種分類 愛玩犬
  • 色・模様 さまざま
  • 毛質・毛の長さ ロングコート(長毛)
  • 抜け毛 少なめ
  • サイズ 小型
  • 目安となる体高・体重 体高:26.7cm以下、体重:4.5~8.1kg
  • 一日に必要な散歩量 少なめ
  • 活発度 少なめ

起きやすい病気/ケガ
大きな目がトレードマークですが、角膜を傷つけるなどの眼病を起こしやすいので、日頃から目の周りのフェイスカットをまめにしたり、逆睫抜去などのケアが必要です。皮膚もかなり弱く、脂漏体質の子も多いので、皮膚病にならないように体質に合った良質の食べ物とシャンプーは早いうちに見つけておくことが大切です。遺伝的に心内膜症、アトピー性皮膚炎、口蓋裂、肛門周囲腺腫、椎間板疾患などが好発します。

歴史
チベットの修道院で飼育され、その後中国の王宮に献上され、門外不出といわれてきたのがシー・ズーです。ラサ・アプソとペキニーズの交配によって誕生したと考えられています。16世紀に描かれた絵には、シー・ズーと思われる犬が残されています。その後、17世紀に入ると、チベットから中国へ連れてこられ、中国と西洋の貿易が始まり、1930年代になって初めてイギリスに輸入されました。1958年にはアメリカにも広まり、世界の人気犬種としての地位を確立しました。

ドッグショーでの評価基準
頭部は幅広く、丸く、目と目の間が広くなっています。被毛は目の上に覆いかぶさる乱髪で、顎やその他の部分にひげがあります。鼻の上部の被毛は上向きに生えています。ストップははっきりしていて、鼻の色は黒色ですが、毛色によってダーク・レバーも認められます。鼻の上部は下まぶたと同じライン上、もしくはそれより下にあり、下向きの鼻は好ましくありません。マズルは十分な幅があり、四角っぽく短く、しわはなく、平らで被毛に覆われています。歯の咬み合わせはわずかに下の切歯が上の切歯より前方に出るアンダー・ショットで、上下の切歯の端と端がきっちりと咬み合うレベル・バイトも認められます。目は丸く大きくダーク(暗色)で、白目が見えてはいけません。両目が離れてついていますが、出目ではありません。耳は大きく、長く垂れ下がります。付け根はスカルの頂のわずかに下です。耳の被毛は豊富で、首の被毛と混ざって見えます。首は均整がとれて、ほどよいアーチを描いています。胴体は体高よりも体長が長く、背は平らで、胸は広く、胸底が深くなっています。尾は付け根の位置が高く、尾の高さはスカルと同じです。前脚は短く、筋肉質で骨太です。まっすぐなものほど好ましく、肩甲骨がよく後方に傾斜していてしっかりしています。後脚も短く、筋肉質で骨太です。後ろから見るとまっすぐ見えます。被毛は長く密生しています。カーリー(巻き毛)ではなく、わずかなウェーブは許容されます。被毛により視覚に影響が出ないようにしなくてはなりません。