シベリアン・ハスキー

日本では、バブル時代と呼ばれたころ、ハスキーが大流行しました。しかし、高温多湿の日本の環境になじめなかったのか、脱走するもの、一晩中吠えるものなど、多くの問題が発生し、その結果、山中へ捨ててしまうという心無い飼い主が急増しました。現在では、日本人の犬の飼育技術が向上し、ハスキーのような犬種でもしっかりとトレーニングをこなし、住環境を整えられるようになったことで、ハスキーの人気が再び高まっています。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:高め
  • 留守に対する適応力:高め
  • 子どもに対する適応力:中程度
性格は?
心を許した飼い主には、実に陽気で人なつこくて従順です。もともと何とかなるさといった楽天的な性格なので、苦しいことやつらい現実には目をそらして、早く忘れてしまおうとするところがあります。そのためトレーニングにはかなり手こずるかもしれません。それでも以前のハスキーブームのときよりも、現在ではハスキー本来の性格が見られます。
必要とされる運動量
もともと犬ぞりの犬種として、現在も活躍しているため、膨大な運動量が必要です。最低でも60分、毎日2回の長距離、長時間の散歩が理想的です。とにかくスタミナがあるので、飼い主が先にへばってしまうこともあります。確実に安全な広場があれば、自由運動も可能ですが、なかなか飼い主の下へ戻らない可能性もあるので、時間に余裕のあるときだけにしましょう。
シベリアン・ハスキー
  • 原産国 アメリカ
  • 犬種分類 原始的・スピッツ
  • 色・模様 ブラックから純白まですべてのカラー
  • 毛質・毛の長さ ショート/スムース(短毛)
  • 抜け毛 多め
  • サイズ 大型
  • 目安となる体高・体重 体高:雄(オス)53.5~60cm・雌(メス)50.5~56cm、体重:雄(オス)20.5~28kg・雌(メス)15.5~23kg
  • 一日に必要な散歩量 多め
  • 活発度 高め

起きやすい病気/ケガ
ハスキーに一般的にみられる高血圧症状の本態性高血圧、鼻や耳介、四肢などの皮膚の色素が失われる円板状紅斑性狼瘡、毛穴の構造に異常をきたす毛包形成不全、鼻色素脱失、亜鉛過多や欠乏すると皮膚炎を発症する亜鉛反応性皮膚炎、皮脂腺腫瘍、真性癲癇、眼瞼内反症、パンヌス(慢性表在性角膜炎)、原発性緑内障、白内障、遺伝性心肥大、咽頭麻痺などが好発します。

歴史
オオカミのような風貌と鋭い眼光で、近寄りがたい存在のシベリアン・ハスキーは、ハスキーの愛称で親しまれています。シベリアに住むチュクチ族(チヌーク族)によって長きに渡り飼育されてきた犬種で、チュクチ族は極寒の地シベリアで、シベリアン・ハスキーをそり犬として、生活を共にしていました。1900年初頭、アラスカに住むアメリカ人は、ハスキーの存在を知り、入手しました。そして1910年、アラスカの犬ぞりレースで、見事ハスキーのチームが優勝しました。その後、10年間に渡って、チャンピオンの座に輝きました。1925年、アラスカの都市ノームは、ジフテリアが大流行し、早急に血清が必要となりました。しかし、これといった交通手段もなかった中、ハスキーをはじめとする犬ぞりチームが大活躍し、ノームへ血清を無事届けることができました。その活躍もあり、アメリカでは1930年に公認犬種となり、極寒の地、南極や北極の探検隊に同行するようになりました。

ドッグショーでの評価基準
頭部スカルは中くらいの大きさで、頂はわずかに丸みがあり、最も幅広いところから目に向かって先細りになります。ストップははっきりしていて、鼻の色は毛色がグレー、タン、ブラックの場合は黒色。毛色がコバーの場合はレバーです。純白の場合は肉色でも許されます。ピンクの縞が入ったスノー・ノーズは許容されます。マズルは中くらいの長さと幅があり、鼻に向かって次第に先細りますが、鼻の先端はとがっていたり、スクエア(四角)ではありません。歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトです。目はアーモンド型で、わずかに斜めについています。目の色はブラウン、またはブルーで、両目の色が異なるパーティーカラーであるものも許容されます。耳は中くらいの大きさの三角形で、頭部の高い位置に直立します。首は中くらいのながさで、アーチを描きます。胴体の背はまっすぐで、キ甲から尻部にかけて、水平なトップラインを保ちます。尾はキツネの尾の形をしていて、十分な被毛におおわれます。背線の高さのすぐ下に位置します。前肢・後肢とも、両脚にほどよい間隔があり、平行でまっすぐです。デュークロー(狼爪)は除去しなければなりません。