セント・バーナード

犬種中、最重量のセント・バーナードはスイスとイタリアの国境にそびえるアルプス山脈で、人命救助にあたっていたことから世界で広く知られるようになりました。おっとりしている上にマイペース主義で、興味の無いことに対する物覚えはあまりよくありませんから、トレーニングにはかなり手こずります。よだれが大量に出るので、クビにはよだれ掛けが絶対に必要です。特に食前・食後は、周囲がよだれでドロドロになるので、毎日の拭き掃除は覚悟しましょう。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:中程度
  • 留守に対する適応力:高め
  • 子どもに対する適応力:高め
性格は?
飼い主に対してはとても温和で従順で甘えん坊なのですが、大らかに見える外見に反して、意外と精神的には繊細なので、それを十分に考慮して付き合いたいものです。無関心を装いマイペースを貫いているように見えますが、実はじっくりと冷静に状況観察をしています。温厚で従順、忍耐強い性格ですが、幼いころからのトレーニングによって、その性格は大きく左右されます。飼い主がコントロールできる大きさのうちに、しっかりとしたトレーニングが必要不可欠です。
必要とされる運動量
大きな体ですが、激しい運動を好むタイプではありません。性格的にもおっとりしているので、飼い主と一緒にいることは喜びと感じますが、一緒に大はしゃぎしたいということではありません。それでも食事の量と運動のバランスを取るためにも、60分以上の散歩を、毎日2回は行いましょう。暑さは苦手なので、できるだけ涼しい時間帯に行いましょう。
セント・バーナード
  • 原産国 スイス
  • 犬種分類 使役犬
  • 色・模様 ホワイトの地色に赤みがかったブラウンのさまざまな大きなの斑
  • 毛質・毛の長さ ロングコート(長毛)、ショート/スムース(短毛)
  • 抜け毛 多め
  • サイズ 超大型
  • 目安となる体高・体重 体高:雄(オス)最低70cm~最高90cm・雌(メス)最高65cm~最高80cm、体重:50~91kg
  • 一日に必要な散歩量 多め
  • 活発度 中程度

起きやすい病気/ケガ
心臓が拡張し、収縮する動きの幅が小さくなってしまう拡張型心筋症や、表皮が簡単に裂けてしまう、皮膚無力症ともよばれるエーレルス・ダンロー症候群、毛包炎、1日1回の食事や、食後の激しい運動がきっかけで発症する、大型犬特有の胃捻転、肘形成不全、股関節形成不全、骨肉腫、真性癲癇、白内障などが好発します。

歴史
スイスとイタリアの国境にそびえるアルプス山脈のグラン・サン・ベルナール峠に、1050年、旅行者の避難場所として聖ベルナールが、ホスピスを建設しました。ここで人命救助犬として飼われていたのが、セント・バーナードの祖先です。基礎はチベタン・マスティフで、グレート・デーンやグレートピレニーズなどの血も導入されたようです。17世紀の中ごろから救出犬として活躍するようになり、これまでに2500人もの人命を救ったといわれています。中でも「バリーⅠ世」という救助犬は、1814年に射殺されるまで40人もの人命を救いました。

ドッグショーでの評価基準
スカルは幅広で、横や前から見ると、わずかに丸みを帯びています。オクシパットはわずかに発達していて、前頭部はマズルに向かって深く落ち込んでいます。ストップははっきりしていて、鼻は黒色で幅広でスクエア(四角)です。マズルは短く、歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトか上下の切歯の端と端がきっちりと咬み合うピンサーズ・バイトですが、わずかに下の切歯が上の切歯より前方に出るアンダー・ショットも許容されます。目は中くらいの大きさで、色はダーク・ブラウンからナッツ・ブラウンまでです。耳は幅広で、三角形ですが、先端は丸みを帯びています。首は力強く、十分な長さがあります。胴体の背は幅広く、トップラインはまっすぐです。尾は長く、付け根は幅広く、先端から3分の1がゆるやかにカーブしています。前脚は前から見るとまっすぐで、2本が平行しています。肩は筋肉質で、肩甲骨が傾斜しています。後ろから見ると、後肢は2本が平行で、近すぎません。