ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア

純白のテリアは、利口なのに頑固さが邪魔して、トレーニングにはそうとう手こずります。飼い主は、焦らずにゆっくりと相手のペースに合わせながら、プライドを傷つけないように繰り返し訓練し、成功したら大袈裟なくらい、たっぷりほめることが大切です。人見知りも激しく、数時間過ごせば安心して心を開いていきますが、出会った直後は強い警戒心を抱きます。しつこく迫ると、攻撃的になる場合もあるので注意しましょう。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:高め
  • 留守に対する適応力:中程度
  • 子どもに対する適応力:中程度
性格は?
性格は穏やかなようでいて活発。気難しいのかと思えば友好的と、意外と親しみやすい犬種です。遊びが好きで、ほかの犬にちょっかいを出したり、ネコを追いかけていったりしますが、傷つけるということまではしません。見知らぬ人に対しても、突然吠えるというよりは、その人のにおいなどを確認してから、一緒に遊べるか、あまり自分には関係ないかを確認して、それから遊ぶか無関心になるかを判断しているようです。
必要とされる運動量
活発なテリアは、30分程度の駆け足を取り入れた散歩を、毎日2回こなすのが理想的です。体力には自信があるため、簡単に疲れを見せることはありません。また、毎日同じ散歩を繰り返すのではなく、ときどきコースを変えたり、ボール遊びを取り入れたりすることで、精神的にも発散できて、家庭内でも優れたパートナーになるでしょう。
ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア
  • 原産国 イギリス(スコットランド)
  • 犬種分類 テリア
  • 色・模様 ホワイトのみ
  • 毛質・毛の長さ セミロング(中毛)
  • 抜け毛 中程度
  • サイズ 小型
  • 目安となる体高・体重 体高:約28cm、体重:7~10kg
  • 一日に必要な散歩量 中程度
  • 活発度 中程度

起きやすい病気/ケガ
基本的には健康的ですが、遺伝的に血液が心臓から肺に送られる途中にある弁が狭くなっているために、全身に十分な酸素が回らなくなる肺動脈弁狭窄やアトピー性皮膚炎、皮膚脂肪が異常を起こし、炎症を発する脂漏症、脂性の強い皮膚炎により、悪化するとアルマジロの背中のように硬くなってしまうウエスティ表皮形成異常(アルマジロ・ウエスティ症候群)などが好発します。

歴史
ウエスティーの愛称で親しまれているウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、ほかのスコットランド原産のスコティッシュ・テリア、スカイ・テリア、ケアーン・テリア、ダンディ・ディモント・テリアと同じルーツがあると考えられます。また、一説によると、ケアーン・テリアから生まれた白い子犬を、当初は虚弱という理由から淘汰していましたが、エドワード・ドナルド・マルコム大佐という人物が選択的に繁殖を行ったもの。また、キツネ狩りの際に、キツネの被毛に似た色の犬では、キツネの巣穴から出てきたところを誤って射殺してしまうため、あえて白く目立つ被毛の犬を、猟犬として選択的に繁殖したものです。純白のテリアは、1907年にはウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの名前で公認され、1909年にはアメリカでもウエスティーのクラブが設立されています。

ドッグショーでの評価基準
頭部スカルはマズルよりわずかに長く、頭部は被毛に厚く覆われています。スカルはわずかにドーム状になっていて、前頭部はなめらかな輪郭をしています。ストップははっきりしていて、目のすぐ上に骨ばった隆起があり、わずかに目の上を覆っています。鼻の色は黒色で、かなり大きめです。歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトです。目は広く離れてついていて、色はダーク(暗色)です。耳は小さく、直立し、先端はとがっています。耳の被毛は短く、スムーズで、トリミングしてはいけません。耳の頂点に飾り毛はありません。首は十分な長さがあり、付け根に向けて、徐々に太くなります。胴体の背は平らで、腰は幅広く、胸底は深く、あばらは上半分がアーチを描いています。尾は12.5~15cmで、硬い被毛に覆われています。掲げすぎたり、背負ったりしてはならず、長すぎる尾は好ましくありませんが、断尾をしてはいけません。前脚は短く、肩は幅広な肩甲骨がよく後方へ傾斜しています。後脚も短く、筋肉質で、両脚の感覚は開きすぎてはいけません。