ワイヤー・フォックス・テリア

テリアの中で、元気いっぱいでやんちゃな面が前面に押し出た犬種です。歩く姿はキリっとしていて、無表情にスタスタと歩く姿は凛々しいのですが、一度スイッチが入ってしまうと、飼い主ですら手に負えないほど元気を炸裂させます。一見無表情なので、何を考えているかわからないような所がありますが、心を許している家族の前ではリラックスして甘えん坊な素顔を覗かせます。家庭では、いつも好奇心旺盛に何かをエネルギッシュに探索しているといった印象を受けます。口周辺の被毛は、フェイスコームを使って整えて、食後は、食べカスがつかないように注意しましょう。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:高め
  • 留守に対する適応力:中程度
  • 子どもに対する適応力:中程度
性格は?
エネルギッシュな犬種で、子どもと遊ぶのが大好きですが、ときどき度を過ぎた行動を取るので注意が必要です。元気で愉快で、飼い主家族を愛しています。しかし、小動物を見ると、見境がなくなる場合があるため、ほかのペットには気をつけましょう。警戒心もあり、番犬としても十分役割を果たしますが、やや甲高い声がうるさい場合があるので、飼い主がきちんとコントロールできるようにしておきましょう。
必要とされる運動量
小柄ですが、強靭な身体で、果てしのないスタミナを見せてくれます。そのため、毎日の普通の散歩で満足することはありません。最低でも30分以上の散歩を毎日3回行いましょう。やや神経質な面もあるので、幼い頃から散歩に出かけて、ほかの犬や人との触れ合いによって、社会性を養いましょう。また、屋外の雰囲気を味わうことで、感受性を高め、精神的に落ち着きのある性格に育てましょう。
ワイヤー・フォックス・テリア
  • 原産国 イギリス
  • 犬種分類 テリア
  • 色・模様 ホワイトが優勢で、ブラックやブラック&タンの斑
  • 毛質・毛の長さ ワイヤーコート(粗毛)
  • 抜け毛 少なめ
  • サイズ 小型
  • 目安となる体高・体重 体高:雄(オス)39cmを超えない・雌(メス)はそれよりもわずかに低い、体重:雄(オス)8.25kg・雌(メス)はそれよりもわずかに軽い
  • 一日に必要な散歩量 中程度~多め
  • 活発度 高め

起きやすい病気/ケガ
遺伝的に胎生期の形成がうまくいかなかったことから、心室の間に穴が開く心室中隔欠損症や心臓から肺へ血液を送る動脈が狭窄し、左右の心室の間に穴が開いていて、全身に血液を送る動脈が右側に変位し、右心室の壁が厚くなる4つの症状が重なるファロー四徴、血液が心臓から肺に送られる途中にある弁が狭くなっているために、全身に十分な酸素が回らなくなる肺動脈弁狭窄、真性癲癇、角膜潰瘍、緑内障、白内障、頭部や眼への打撲などによる衝撃や遺伝性によることが原因の水晶体脱臼などが好発します。

歴史
ワイヤー・フォックス・テリアは、歴史の古い犬種です。イギリスでキツネ狩りが盛んになるとともに改良され発展しました。しかし、実際に「フォックス・テリア」として認識されたのは18世紀になってからです。フォックス・テリアには被毛のタイプでワイヤーとスムースの2タイプがあります。最初にドッグショーで認知されたのはスムースです。その20年後にワイヤーが登場しました。当初は同一犬種の被毛のバリエーションと考えられていました。しかし、その作出に当たって、基礎となったのが、スムースではマンチェスター・テリアやブル・テリアなど。ワイヤーはブラック・アンド・タン・テリアやウエルッシュ・テリア、ダービーシャーという犬ではないかと考えられています。1885年にはフォックス・テリアとして、アメリカで公認されましたが、1985年になって、ワイヤーとスムースは別犬種であると認められました。

ドッグショーでの評価基準
スカルの頂はほぼ平らで、わずかに傾斜し、目の方へいくに従い細くなります。ストップはわずかで、鼻の色は黒色です。マズルとスカルの長さはほとんど違いがありません。歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトです。目はほどよい大きさで、丸に近ければ近いほどよいとされます。色は暗褐色で、明るい色は好ましくありません。耳は小さく、V字型で、ほどよい厚みがあり、きれいに折れて、頬に接するように前に垂れています。首はかなり長く、肩にいくにしたがって幅広になります。胴体の背は短く、平らでたるみがありません。腰はわずかにアーチを描いていて、胸は胸底が深く、あばらの後部も深く、よく張っています。尾は付け根の位置が高く、直立し、背負ったり、カールはしていません。キ甲はほどよい筋肉があり、なめらかです。後肢は筋肉質で大腿が長く、飛節は低い位置にあります。