ヨークシャー・テリア

長く伸びるシルクのようなしなやかな被毛は、ショードッグとして維持するなら、リボンで巻いて保護しておくといいでしょう。一般家庭で飼う場合には、短くトリミングしておくことをお勧めします。子犬のうちは、全体が黒っぽい色をしています。2歳を過ぎたころになって、初めて美しい被毛に変身します。毛質上、毎日のブラッシングはとても大切です。手入れを怠ると、すぐに毛玉ができてしまい、皮膚炎などの原因になってしまいます。また、目の保護や口周りの汚れ防止の意味から、顔周辺の被毛は短くカットするか、リボンで結ぶなりの対処をしてあげましょう。
飼う際の注意点
  • 旅行・移動に対応する適応力:高め
  • 留守に対する適応力:中程度
  • 子どもに対する適応力:中程度
性格は?
非常に愛くるしいその姿は、意外にもエネルギッシュで活発に動き回ります。飼い主には愛嬌をふりまきながら楽しませてくれます。しかし、その姿とは裏腹に自己主張が強く、よく吠えて精一杯のアピールを繰り広げ、頑固でいて、物事に勇敢に立ち向かいます。本人は番犬としても働いているつもりです。また、甘えん坊で寂しがり屋のうえに警戒心も強いので、長時間の留守番や預けられると、とたんに元気がなくなり、ストレスで体調を崩してしまう繊細さもあります。飼い主に頼り切って一途に生きるタイプなので、すれ違うとストレスから神経質でむだ吠えが多くなることもあるので、過保護にして甘やかすだけでなくしっかりコミュニケーションをとることが大切です。
必要とされる運動量
もともとはネズミなどの害獣駆除にも活躍していたため、活発な面があります。活発とはいえ、超小型犬なので毎日の散歩は10分程度のものを2回ほど行えると理想的です。散歩は運動だけでなく、屋外の風や匂いを感じて感受性を高めたり、ほかの犬や人との触れ合いで社会性を養うことにも役立ちます。また、日光浴によって、健康な皮膚や被毛を維持するためにも重要なことなのです。
ヨークシャー・テリア
  • 原産国 イギリス
  • 犬種分類 テリア
  • 色・模様 ダークスティールブルー
  • 毛質・毛の長さ ロングコート(長毛)
  • 抜け毛 少なめ
  • サイズ 超小型
  • 目安となる体高・体重 体高:23cm以内、体重:3.1kg以内
  • 一日に必要な散歩量 少なめ
  • 活発度 中程度

起きやすい病気/ケガ
膝蓋骨脱臼、低血糖症、水頭症、動脈管開存症、停留睾丸、気管虚脱などが見られます。中でも膝蓋骨脱臼は超小型犬に多く発症するもので、遺伝的な要因がほとんどです。予防には両親や兄弟の血統の確認と、フローリングなどの滑りやすい床の改善が必要です。

歴史
19世紀中期にイギリスのヨークシャー地方の工業地帯で、工員や炭坑夫の家屋を荒らすネズミの捕獲のために作り出されました。そのルーツは、はっきりしていませんが、当時はかなり大型で、工業地帯には、スカイ・テリアやマルチーズ、マンチェスター・テリア、ダンディ・ディモント・テリアなどが従業員とともにやってきて、ヨークシャー・テリアの基礎の犬に血が導入された可能性があります。シルクのようにしなやかな長毛がとても美しく、上品な外観で、ヨーロッパの上流階級では、「動き回る宝石」と呼ばれ大切にされてきました。

ドッグショーでの評価基準
頭部スカルはやや小さく、頂は平らで、丸すぎたりしません。鼻は黒く、マズルは長すぎず、歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトです。目はまっすぐ前につき、色はダーク(暗色)です。耳は小さく、V字型で直立しています。両耳の間は離れすぎず、リッチ・タンの短毛に覆われています。首は十分な長さがあり、胴体はコンパクトで、背は水平です。あばらはほどよく張っています。尾は中くらいの長さで、豊富な被毛に覆われています。尾の被毛は、ほかの部分の被毛よりもダークなブルーで、尾の先端では、それがはっきりしています。前脚はまっすぐで、鮮やかなゴールデン・タンの被毛に覆われ、根元よりも毛先の方がわずかに明るい色調です。後脚は後ろから見ると脚がまっすぐで、スタイフル(膝)はほどよい角度で曲がっています。爪は黒色です。被毛は胴体部分はかなり長く、完全にまっすぐです。光沢のある絹糸状の毛質です。頭部の被毛は鮮やかなゴールデン・タンで、頭部の両側はより濃くなります。耳の付け根とマズルにかけては非常に長くなくてはいけません。胸の毛色は鮮やかなタンで、根元は濃く、毛先にいくにつれて明るい色調になります。