ああ、困ったなあ…またやっちゃったよ。
どうしたの、ノラ?珍しく元気がなさそうだけど?
それがね、今日飼い主さんに爪切りされそうになって、思わず暴れてひっかいちゃったんだ。「イタイ!」と大きな声を出して、飼い主さんの手にミミズ腫れができちゃったんだよ〜。
そうか、大変だったねえ。ノラはむかし野良ネコだったし、あまり爪切りに慣れてなくてビックリしちゃったんだね。ところで、ふたりとも「爪とぎ」と「爪切り」の違いは知ってるかい?
え、特に考えたことなかった。うちは爪とぎ台もあるし、飼い主さんが爪切りも月1回か2回、定期的にやってくれるけど、そう言われてみるとちょっと違う感覚かもしれない。
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ネコも人間も、生きている間は爪が伸びるよね。ボクたちがガリガリやる「爪とぎ」は、狩りのために外側の古い爪を剥がして尖らせておくことと、自分の縄張りを主張するマーキングという、ネコがもともと持っていた習性なんだよ。
そんなネコも人間と暮らすようになって、狩りの必要がなくなったわけだけど、その習性があるので室内でも爪とぎができるようにしておいてほしいんだよね。
ただ研いで新しく出てきた爪はすごく尖っているので、そのままだと人の服やカーテンに引っかかってしまう。ひどい場合は爪が根元から折れたり、肉球に刺さってしまったり、さらにその傷口からバイキンが入って病気になっちゃうこともあるんだ。
それに今日のノラみたいに、悪気はないのに思わず人間を傷つけちゃうこともあるよね。そうしたことを防ぐためにも「爪切り」をしてもらうことが大事なんだよ。
そうだよね…やっぱり申し訳ないことしちゃったなあ。
そんなに落ち込まない、落ち込まない!私は子猫のときから定期的に切ってもらっているからもう慣れてるけど、でもやっぱり切られるときはちょっと緊張するもの。少しずつでも慣れていけば大丈夫よ。私の飼い主さん、とっても爪切りがうまいので、コツを教えるね。
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わ、ありがとう!
大切なことは「時間は短く、押さえつけないで、ネコがリラックスできる体勢にすること」よ。いつもと違うことは緊張するし、爪を出すために長い時間肉球を掴まれているのは快適じゃないものね。我慢できる範囲を少しずつ伸ばしていくイメージで慣れていこうね。
私の場合、ママさんが爪切りのときに必ずおやつをくれてたから、嫌だとか怖いという思いがなかったのよ。最初は肉球マッサージでおやつ、その次は爪の根元を押して出し入れしておやつ、爪切りを爪先にトントンあてておやつ、そして爪を切っておやつ、みたいにね。
それを繰り返していくうちに、爪切りを見ると「あ、おやつがもらえる!」と嬉しくなっちゃうようになったのよ。
モモさん、食いしん坊だなあ…飼い主さんがハサミを持って近づいてくるときの「爪切りモード」に、ボクはまだ緊張しちゃうんだけど、そんな感じで少しずつ慣れながらおやつがもらえるんだったら大丈夫かも!
あとは爪切りの種類ね。ネコ用の爪切りは大きく分けて、普通のハサミのような「ハサミタイプ」や「ニッパータイプ」、それから爪を入れる穴が開いた「ギロチンタイプ」の3種類。早く終わることと、ハサミの金属音や振動を抑えるためには、どのタイプもよく切れることがとても重要なの。飼い主さんによって使いやすさも変わるので、実際に使ってみるのがいいと思うわ。
あと、切るのは爪が白っぽくなってるほんの先の部分(2〜3ミリ)だけでいいの。もしも深爪して血が出ちゃった場合、ガーゼなどで5分くらい傷口を押さえておけば血は止まるから、心配な飼い主さんには準備してもらってね。
僕はいま10歳だけど、7歳以上のシニアになるとだんだん日常的な爪とぎの頻度も減って、爪が厚くなってしまうことがあるんだ。でもハサミタイプだと切りにくくなるので、ニッパータイプかギロチンタイプの方が切りやすいと聞いたことがあるよ。あと巻き爪や、狼そう(離れている親指の爪)を切るのには、鳥の横顔みたいな形をした「ピコックタイプ」というのもあるから、道具を使い分けるのもいいね。
まだちょっと怖いけど、飼い主さんと仲良く暮らすためにはボクもがんばらなきゃニャー!
そうね。一度に全部の足の爪を切らなくても、毎回数本ずつでもいいから、飼い主さんと息を合わせて慣れていってね。
そうか、少しずつでも良いのは嬉しいニャ!
それでもどうしても「爪切りが怖い」という飼い主さんやネコの場合、無理せず獣医さんにお願いしても良いのよ。ノラも飼い主さんも、少しずつがんばってね!