ポリフェノールの健康効果
肝機能
データで見るコーヒーと肝臓の健康との関連性
コーヒーと総死亡リスクとの関連に関しては、世界中で発表が相次ぎ、多くのコホート研究をまとめたメタ分析が行われています。この中には日本人9万人を対象にした研究も含まれ、コーヒーを1日3~4杯飲んでいる人は、飲んでいない人に比べると死亡リスクが約24%低いことが報告されています 1)。
欧州からも新しい発表がされています。欧州10カ国52万人を対象にコーヒーと死亡との関連について16年間にわたる調査でも、コーヒーの飲用により総死亡リスクが有意に低いことが報告されています 2)。
この研究で死亡理由別にみると、コーヒーを最も多く飲むグループでは、飲まないグループに比べて以下の数値が報告されました。
- 肝臓疾患による死亡リスクが約80%低い。
- 肝臓がんによる死亡リスクが約44%低い。
その他にも、コーヒーと肝臓の健康との関連においては様々な報告が発信されています。
- 日本人9万人を対象としたコホート研究において、コーヒー飲用が多いほど肝がんリスクが低値を示し、3~4杯での飲用は0杯の飲用に比べて52%も肝がんリスクが低くなるという報告があります 3)。
- 国立がん研究センターによる「がんのリスク・予防要因 評価一覧(ver.20170801)」では、肝がんのリスクを「確実に下げる」と発信されています。
- 日本人を対象としたコーヒーとアルコール摂取のγ(ガンマ)-GTP(肝機能の指標)への影響を調べた横断調査があります。アルコール摂取が増えるとγ-GTPは増加しますが、コーヒーを普段から飲んでいる人のほうがγ-GTP値が有意に低いことが示されました 4)。
参考文献:
1) Saito E et al. Am J Clin Nutr 2015; 101: 1029-1037
2) Mark J et al. Ann Intern Med 2017; doi:10.7326/M16-2945
3) Inoue M, et al : J Natl Cancer Inst 2005 ; 97, 293-300
4) Tanaka K, et al : Int J Epidemiol 1998