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NESCAFE Harajuku DAY
ゲスト:ブックディレクター 幅 允孝さん
2016年9月14日(水)開催

コーヒーと至福の一冊

ゲスト:ブックディレクター 幅 允孝さん

9月14日の「ネスカフェ 原宿 DAY」は、「コーヒーと至福の一冊」と題し、
ブックディレクターの幅 允孝さんをお迎えしてトークショーを開催しました。

知らない本を偶然手に取る喜びを広げたい

検索型の世の中と言われ、本もインターネットで購入する時代において、幅さんはホテルや病院、動物園など“異業種”の中に本を手に取る機会をつくる活動を続けています。
「立ち読みも含めて、人が本を手に取るとそこに微熱のようなものが溜まっていき、それが最終的に本屋全体に流れる大きなエネルギーになる。書店員をしていた時、そうした感覚があったんです。でも次第にお店から人が減っていき、本屋全体も冷たい場所に見えてきてしまった。それなら人がいる場所に本を持っていこう、と思ったのがこの仕事のきっかけです」
本に詳しくなるとどうしても専門化していくものですが、幅さんは「なるべくいろんな本を縦横無尽に組み合わせて本棚をつくりたいんです。今日もコーヒーに関する本を持ってきたんですが、かなりバラバラですよ」とのこと。

小説、漫画……「ネスカフェ」が登場する本も

小説、漫画……「ネスカフェ」が登場する本も

と、ここで幅さんの元に「ネスカフェ」がスタンバイ。やはりコーヒーにまつわる本を紹介するにはコーヒーがないと、ということで、お客さまと一緒にコーヒーを楽しみながら、本日のメインイベントである幅さんセレクトのコーヒー本紹介に移りました。

一冊目は「作家の珈琲」(コロナ・ブックス編集部/平凡社)。池波正太郎や安西水丸、高倉健など名だたる作家たちが何を抱えて書いていたか、そこにコーヒーがどんな役割を果たしていたかが紹介されています。その中から、茨木のり子さんの詩の一節を朗読してくれた幅さん。優しく響く声に耳を澄ませていると、ふと「ネスカフェ」という聞きなれた単語が。

「僕が足して言ったわけではなくて、本当にこういう詩が残っているんです。ちなみに『ネスカフェ』に関してはもう一つ、『ダバダ〜♪』でおなじみのCMにどんな作家が登場したのかを紹介しているページもあって。書き手たちが己の言霊を何とか肉付けようと必死でもがいていたとき、その傍に『ネスカフェ』があったんだなぁということがよく分かります」

6冊のセレクト本はお客さまにも回覧

続いて紹介されたのは、大きくずしりと重い写真集。世界中のコーヒー農園で働く人々を写した美しい一冊は、ブラジル写真界の巨匠と呼ばれるセバスチャン・サルガドの「Scent of a Dream:Travels in the World of Coffee」(Harry N. Abrams)。
「こういう大きな写真集を、海外では”コーヒーテーブルブックス”と呼んだりします。写真って今は画像検索でいくらでも出てきますが、写真集をパラパラと意味もなくめくって過ごす時間ってたまらないなぁって思いますね」

その他セレクトしてくださったのは、コーヒーのイロハが分かるかわいい絵本「コーヒーの絵本」(庄野雄治・著/ミルブックス)、軽井沢「丸山珈琲」オーナーによる濃厚な解説本「珈琲完全バイブル」(丸山健太郎・著/ナツメ社)、コーヒーをモチーフにした漫画「コーヒーもう一杯」(山川直人・著/ビームコミックス)、そしてコーヒーが結びつける恋愛小説「コーヒーと恋愛」(獅子文六・著/ちくま文庫)の計6冊。
どの本も、幅さんならではのユニークな視点で紹介してもらうとぐっと興味が湧くから不思議です。

6冊のセレクト本はお客さまにも回覧

紹介が終わった本はそのまま客席へ。幅さんの解説を聞いた直後、実際に手に取ることができる贅沢な流れに、お客さま同士の会話も弾んでいた様子。フリードリンクとして提供された「ネスカフェ」の味わいも、いつもより深く感じられたのではないでしょうか。
幅さん、ご参加いただいたお客さまも本当にありがとうございました!

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