ネスレ日本株式会社と、日清紡グループのニッシントーア・岩尾株式会社は、“紙“の詰め替え容器である「ネスカフェ エコ&システムパック」を繊維として、また、ネスレ日本直営カフェ「ROASTELIER by NESCAFÉ (ローステリア バイ ネスカフェ) 三宮」でコーヒーを抽出した後に発生する残りの粉等を染料として活用し、衣服としてアップサイクルする取り組みを開始しました。
紙パッケージとコーヒー抽出後の粉を再利用!衣服としてアップサイクル
アップサイクルという言葉をご存知でしょうか。アップサイクルとは、ゴミになってしまう物を価値のある物に変える試みのことです。このたび、アップサイクルの取り組みとして、「ネスカフェ エコ&システムパック」と抽出後のコーヒーの粉で製作したTシャツとエプロンを、ネスレ日本直営カフェ「ネスカフェ 原宿」のユニフォームとして活用することになりました。なお、古紙から生み出した紙糸を使用した繊維を、コーヒーを染料として染色する試みは業界初(※)となります。(※)2022年2月時点、ネスレ日本・日清紡調べ
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▲「ネスカフェ 原宿」等で活用する衣服(T シャツ、エプロン)
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▲左: 「ネスカフェ エコ&システムパック」、右:抽出後のコーヒーの粉
ネスレ日本と日清紡グループが共同で取り組み実現
世界186ヶ国で事業を展開する世界最大の食品飲料企業・ネスレは、2025年までに、包装材料を100%リサイクル可能、あるいはリユース可能にすること、バージンプラスチックの使用量を3分の1削減することを、コミットメントとして掲げています。
このコミットメントの達成に向けた一環として、ネスレ日本では主力商品の包装材料を従来のプラスチックから紙に変更し、海洋プラスチックごみの課題に向けた取り組みを推進しています。
また、日清紡グループは「環境・エネルギーカンパニー」グループとして、地球の未来を見据えた商品・サービスの提供を通じて社会に貢献しています。近年、アパレル業界において、化学繊維に含まれるマイクロプラスチックによる海洋汚染や、天然繊維の栽培過程や染色工程における水資源と化学薬品の使用が指摘されています。こうした環境負荷を軽減するために、ニッシントーア・岩尾では廃棄物を有効活用したリサイクル活動に力を入れています。
そこで、このたび、ネスレ日本と日清紡グループは、両社の強みとこれまでの知見を活かして、共同で紙のパッケージや抽出後のコーヒーの粉を活用し、皆さまに身近なものへと生まれ変わらせる取り組みを開始しました。
商品の紙パッケージを繊維に変え、それを食品の残渣(ざんさ)から作った染料で染める試みは前例がなく、両社が試行錯誤を重ねたうえで実現しました。皆さまに、この取り組みへの参加を通じて環境配慮の意識を高めていただくために、ネスレ商品の空きパッケージを回収するボックスを全国9箇所に設置し、集めた空きパッケージは、Tシャツやエプロンにアップサイクルし、「ネスカフェ 原宿」等のネスレ日本の直営店のユニフォームとして使用します。
回収対象商品
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「ネスカフェ エコ&システムパック」各種
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回収ボックス設置先 ※2022年2月24日時点
・ネスカフェ 原宿 東京都渋谷区神宮前 1-22-8
・ネスカフェ スタンド 玉川学園前店 東京都町田市玉川学園 2-21 小田急電鉄「玉川学園前駅」改札内
・ROASTELIER by NESCAFÉ 三宮 兵庫県神戸市中央区御幸通 7-1-15
・神戸市 リサイクル工房あづま 兵庫県神戸市中央区吾妻通 4-1-6 コミスタこうべ内
・神戸市 リサイクル工房ほくしん 兵庫県神戸市北区藤原台北町 1-23
・神戸市立 ふたば学舎(2 階エコエコひろば) 兵庫県神戸市長田区二葉町 7-1-18
・Ashiya café supported by NESCAFÉ 兵庫県芦屋市精道町 7-6 芦屋市役所内
・ART CAFÉ Inclusive supported by NESCAFÉ 愛媛県松山市朝生田町 6-2-50 ル・スクエアビル 1F
・インクルーシヴ松山 ヒカリのアトリエ 愛媛県伊予郡松前町大字徳丸字松ノ西 1208 番地 4
・zeroplace supported by NESCAFÉ 沖縄県浦添市牧港 1339 2F
※そのほか、本取り組みにご賛同いただいた「ネスカフェ アンバサダー」プログラムに参加されているオフィスにも設置予定です。
今後は、全国のスーパーマーケット(コープさっぽろ等)をはじめとする小売店とも連携して、空きパッケージを回収するボックスの設置を進めていきます。さらに集めた空きパッケージを衣類等の様々なアイテムにアップサイクルすることで、回収にご協力いただいた皆さまに還元する取り組みを予定しています。将来的には、リサイクルした繊維や染料を使用した商品を日清紡グループからアパレルメーカーに供給することも検討しています。
紙パックと抽出後のコーヒーの粉が衣類に変わる仕組みは?
最後に、廃棄されるネスレ商品の紙パッケージと抽出後のコーヒーの粉がどのように衣服へとアップサイクルされるのかをご紹介しましょう。
「紙」が糸になる仕組み
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「ネスカフェ エコ&システムパック」から、まず紙糸を作ります。紙糸の用途は極めて多彩であり、この紙からできた 糸を編立・製織し、生地素材に仕上げることで、衣服をはじめとした様々な繊維商品として生まれ変わります。 紙糸の製造にあたっては、全国各地に設置した回収ボックスから集める空きパッケージと、ネスレ日本の工場で製造時に規格外として廃棄対象となるパッケージを活用します。
抽出後のコーヒーの粉が染料になる仕組み
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“のこり染め“と呼ばれる、食品や植物を加工した後に出る残渣や枝葉を原料にした染色方法で、従来だと廃棄されてしまうレギュラーコーヒーの抽出後の粉等のコーヒー関連の材料を染料として使用します。さらに、染料抽出後のコーヒーの粉は醗酵・熟成させることにより、微生物の力を引き出し、植物性堆肥へと生まれ変わります。
今回の記事では、紙の詰め替え容器である「ネスカフェ エコ&システムパック」を繊維として、また抽出後のコーヒーの粉を染料として活用し、衣服としてアップサイクルする新しい取り組みをご紹介しました。回収ボックス設置先のお近くにお住まいの方は、ぜひ、空きパッケージ回収へのご協力よろしくお願いします。
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