ネスレアミューズ

抹茶 matcha

抹茶と健康 研究最前線!

抹茶と健康
研究最前線!

ポリフェノール(茶カテキン)が豊富で、テアニンなどのアミノ酸やルテインも含む抹茶。魅力たっぷりの抹茶ですが、実は、健康への影響に関する研究例は世界的にもとても少ないのが現状でした。最近になり、抹茶と健康に関する新しい発見が相次ぎました。最新の研究成果をお届けします。

1. 抹茶とは?
注目の健康成分とは?

抹茶とは、一般的には被覆栽培(新芽の生育中に一定期間覆いをして光を遮る栽培方法)した茶葉を蒸した後揉まずに乾燥させた「碾(てん)茶」を、茶臼などで微粉砕した緑茶です。
覆いで遮光するのは、茶葉に含まれるうま味成分が、日光にあたって渋味成分に変化するのを抑えるため。そうしてうま味を高めた上質な茶葉は、濃厚で深い味わいと香りを生み出すのです。

抹茶の成分・3つの特長

1. アミノ酸(テアニンやうま味成分のグルタミン酸など)が多い
2. ポリフェノール(茶カテキン)が煎茶(抽出液)の約2倍(図1)
3. 茶葉をまるごと摂取するので、湯に溶けないルテインなどの(煎茶には含まれない)成分も含む(図2)
図1 煎茶と抹茶の違い
図2抹茶の健康成分

2. 最新の研究成果が続々!

1) おなかを守るチカラ:悪玉菌の減少、善玉菌の増加- 抹茶による腸内フローラ改善効果 -
抹茶は、腸内フローラを変化させ、一部の悪玉菌を減らし、善玉菌を増やす可能性がヒト試験で示されました。
腸内には100兆個以上の細菌が存在し、腸内フローラ(腸内細菌叢)を形成しており、その全体構成やバランスの変化が健康と大きく関係することが知られています。腸内フローラは便性やおなかの健康を考える上で重要ですが、近年、肥満やがん・糖尿病・心疾患などの生活習慣病、アレルギーなどとも密接な関係があることが知られるようになり、注目を集めています。
京都府立大学の井上亮先生の研究によると、1日2杯の抹茶を2週間飲んだグループとプラセボ飲料を飲んだグループとを比較した結果、抹茶を飲んだグループでは摂取1週間後から腸内フローラの全体構成が変化し、摂取2週間後には慢性的な下痢や発熱を伴う炎症性腸疾患とも関係する悪玉菌であるFusobacteriumが減少し、腸の細胞の栄養となることでも注目されている酪酸を生成する善玉菌Coprococcusが増加することが確認されました(図3)。
抹茶は乳酸菌などの生きた細菌を摂取するプロバイオティクスや、難消化性オリゴ糖や一部の食物繊維のように腸内細菌の餌となるプレバイオティクスとは異なる仕組みで、腸内フローラのバランスを改善していると考えられます。
図3 抹茶の摂取による腸内細菌への影響
男女大学生(n=32、18-25歳)を対象とした無作為化二重盲検試験を実施。抹茶群で摂取1週間後より腸内フローラの変化が認められ(p<0.05)、2週間後には、大腸炎、大腸がんの発症・悪化と関係するといわれているいわゆる悪玉菌フソバクテリウム(Fusobacterium)が減少、善玉菌のひとつ酪酸産生菌コプロコッカス(Coprococcus)が増加した(*p<0.05)。
※井上亮(京都府立大)ら、日本食物繊維学会(2018)にて発表
2) ココロを守るチカラ:ストレス耐性を高め、前向きになれる- 抹茶と社会心理的ストレスへの耐性 -
抹茶の飲用は、心理的ストレスの影響を軽減し、ストレス耐性を高める可能性が示唆されました。
精神的な素養が重要となる茶道で用いられてきた抹茶ですが、社会心理的ストレスに対する作用についての研究も行われました。農研機構の物部真奈美先生らの研究により、マウスに「水」、「煎茶」、「抹茶」、「低カフェイン抹茶」をそれぞれ2週間与えた後に、単独で飼育されていたマウスを他のマウスと対面させる方法でストレスを与えたところ、「抹茶」を摂取していた群は、4群中で最もストレス耐性が高い(探索行動が抑制されない)ことが示されました(図4)。
テアニンとカフェインを含む「抹茶」の効果が、テアニンが少ない「煎茶」や、カフェインが少ない「低カフェイン抹茶」を上回ったことから、テアニンとカフェインのバランスの良さが、抹茶のストレス耐性を高める効果に寄与している可能性が示唆されました。
抹茶摂取と社会心理的ストレス耐性
単独飼育した後に対面させるとマウスは社会心理的ストレスを受けてストレス耐性の指標となる探索行動(この実験では十字迷路のオープンアーム滞在時間)が減る。2週間抹茶を摂取した群は探索行動(ストレス耐性)が増加した。テアニンが少ない煎茶、低カフェイン抹茶では効果が認められなかった。
※Monobe M et al. (2019) in press
3) 肌を守るチカラ:カラダの内側から肌を保湿する- 肌の健康に対する抹茶の効果 -
抹茶は交感神経を抑制し、血流を改善、肌の保湿効果を高める可能性が示唆されました。
肌は外界との接点として自分のカラダを守る重要な臓器であり、肌の若々しさを保つことは美容や健康の面で重要です。自律神経系のひとつである交感神経の活動は、肌の状態とも深く関係することが知られています。大阪大学名誉教授の永井克也先生の研究によると、ラットに抹茶を与えることで皮膚動脈の交感神経を抑制し、皮膚血流を増加させたことが示されました(図5)。また、抹茶摂取2日後には肌水分の蒸散量に減少が見られたことから(図6)、抹茶には皮膚の水分蒸発を抑制する肌バリアの改善効果が見られ、カラダの内側から肌の保湿効果を高める可能性が示されました。この作用は茶筅で点てた抹茶で、より強くなることも示されました。
抹茶摂取の皮膚血流に及ぼす影響
抹茶を胃内投与したラットでは大腿部の皮膚動脈交感神経が抑制され、皮膚血量が有意に増大した。茶筅で点てた抹茶が特に効果が大きかった。
抹茶摂取の皮膚血流に及ぼす影響
抹茶を混ぜた餌を摂取したラットの肌保湿効果を観察。皮膚からの水分蒸散量は、抹茶摂取群のみ2日目から減少した。

3. 1日1杯の抹茶で、ルテイン摂取量が倍増!?

抹茶の健康成分のひとつにルテインがあります。ルテインは網膜でブルーライトなどの光を吸収し活性酸素による網膜の変性を保護している重要な成分ですが、カラダで作ることができないので、緑黄色野菜など食べ物から取り入れる必要があります。健康な日本人女性を対象に調査を行ったところ、1日当たりに摂取しているルテイン量は、平均1.1mgであることがわかりました(ネスレ調べ)。
一方、抹茶1杯に含まれるルテイン量は約1mgなので、1日当たりの平均摂取量とほぼ同じです。つまり、1日1杯の抹茶を飲むことで、ルテイン摂取量を約2倍にすることができる計算になるのです(図7)。

日本人女性1日ルテイン摂取量と摂取源

日本人女性の1日平均ルテイン摂取量は、1.1±0.7mg(平均±標準差)。ほうれんそう、きゅうり、卵などから摂取が多かった。仮に抹茶1杯(ルテイン1mg含)を毎日飲むとルテイン摂取量は倍増する。
(ネスレ調べ)

top