高齢者における
嚥下機能と課題

年を重ねても、
食事をしっかりとることは大切です

食べ物を口腔内に入れて咀嚼し、のど、食道を通過するまでの、口から食べる一連の流れを摂食・嚥下といいます。
摂食嚥下機能が低下すると、食べられる量が減り、エネルギーやたんぱく質などが不足します。その結果、低栄養状態となり、筋肉が『やせ』、筋力が衰えてしまいます。
また、摂食嚥下機能が低下すると、水分や食物繊維の摂取量も減る傾向にあることに加え、高齢になると消化器官のはたらきが低下するため、『便秘』になりやすくなります。

摂食嚥下機能が低下すると、食事量や、水分摂取量が減る/『やせ』てくる/『便秘』になる

『やせ』が気になる方の栄養管理のポイント

『やせ』を防ぐためには、身体活動に必要となるエネルギーと、からだづくりの材料となるたんぱく質を十分に摂取することが大切です。
高齢者に必要なエネルギー量としては、一般に、70歳以上の男性で1日1,850kcal以上、女性で1日1,500kcal以上といわれており、たんぱく質量は70歳以上の男性で1日60g以上、女性で1日50g以上といわれています1)
エネルギーになりやすい炭水化物や脂質と、たんぱく質を多く含む肉や魚、卵、乳製品などをバランスよく摂るのが望ましいですが、一度にたくさんの量を食べることが難しい場合には、市販の栄養補助食品などをおやつとして活用することで、不足するエネルギーやたんぱく質を補うことができます。

十分なエネルギーとたんぱく質を摂りましょう

『便秘』が気になる方の栄養管理のポイント

食物繊維はわたしたちの体の消化酵素で消化されない、難消化性多糖類で、便をやわらかくしたり、便の量を増やして形を作ったりするはたらきがあります。また、食物繊維の種類によっては、善玉菌を増やすことで腸内環境を整え、便秘を改善するはたらきをするものもあります。
一般に、70歳以上の男性では1日に19g以上、女性では1日に17g以上の食物繊維を摂取することが目標とされています1)。食事で十分な食物繊維をとれない場合には、市販の食物繊維をお食事や飲料に混ぜるなど工夫してみましょう。

十分な食物繊維を摂りましょう

医療機関でも注目の食物繊維【グアーガム分解物】

 食物繊維のなかでも、グアーガム分解物という成分が、医療・介護施設で注目されています。グアーガム分解物とは、インドやパキスタン地方原産のグアー豆から抽出した植物由来の食物繊維「グアーガム」を飲みやすいよう分解したものです。腸内の善玉菌を増やし、腸内細菌のバランスを改善することで、下痢や便秘のどちらの場合でも便の性状を整える作用が報告されています2)3)。また、グアーガム分解物は食後の血糖値の上昇を抑える効果も報告されています4)

  • 1 善玉菌の栄養になる

    腸に元々いる善玉菌が腸に届い
    たグアーガム分解物を食べます。

    善玉菌の栄養になる 善玉菌の栄養になる
  • 2 善玉菌が増える

    グアーガム分解物を食べることで、
    善玉菌が増えます。

    善玉菌が増える 善玉菌が増える
  • 3 腸のエネルギーになる

    グアーガム分解物を食べることで善玉菌が特別な「酸」(短鎖脂肪酸)を出します。この「酸」は腸のエネルギーになります。

    腸のエネルギーになる 腸のエネルギーになる
  • (図:保存版 あなたの腸にいる善玉菌を増やして腸内環境を整える読本 グアーガム分解物,監修 吉田貞夫,提供 ネスレ日本株式会社 ネスレ ヘルスサイエンス カンパニー.2018 より引用)
参考文献:
  • 1)日本人の食事摂取基準(2015年版)
  • 2)Homann HH, . J Parent Enteral Nutr. 18, 486-490(1994)
  • 3)中川致之 他.グアーガム分解物を配合した粉末緑茶のヒトの便通に及ぼす影響と長期摂取時および過剰摂取時の安全性の検討.健康・栄養食品研究.11(2)1-14(2008)
  • 4)Tokunaga M . Jpn Pharmacol Ther 44, 85-91(2016)

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