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デイサービス(通所介護)とは?

要介護状態になった方は、一人で自由に外出できないことも多いため引きこもりがちになったり、気力や体力が低下してしまったりすることが考えられます。もの忘れが進んでいたり、入浴、排泄、食事など日常の動作に常に介助が必要な方では、介護しているご家族に介護疲れがたまることもあるでしょう。
このような方が、住み慣れた自宅で暮らしながら日帰りで利用できるのがデイサービスです。専門スタッフによる介護や機能訓練を受けられる施設に定期的に通って、他の利用者の方々と一緒に楽しい時間を過ごすことで、社会からの孤立感を解消したり、心身の機能を維持したり、ご家族の介護負担を軽くすることを目指します2)
なお、同じく日帰りで利用する介護サービスにデイケア(通所リハビリテーション)があります。こちらはデイサービスと異なり、主治医の指示が必要です。心身機能の維持回復を目指して、理学療法や作業療法などの専門的なリハビリテーションを中心に行います1)2)

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デイサービスの
サービス内容は?

デイサービスでは、主に次のようなサービスを提供しています。施設によって対応できるサービスの範囲は異なるので、利用前に確認しておきましょう。

送迎

利用者のご自宅まで車で送迎を行います。車いすの方はそのまま専用の車両で送迎してもらえます。

食事

栄養バランスのとれた昼食やおやつの提供があります。ご本人の口腔機能や病状に合わせてメニューを調整してもらえるところもあります。食事の動作が難しい方はスタッフが介助します。

入浴

お風呂のあるデイサービスでは、ご本人の状態に合わせた介助を受けながら入浴することができます。一人ずつ入るところ、大浴場で入るところ、車いすのまま入る機械を導入しているところなど施設によって異なるので、事前に確認するとよいでしょう。

機能訓練

運動機能や口腔機能などを訓練するためのアクティビティを行います。体操、マシントレーニングなど、施設によって内容は異なるので、希望する機能訓練が受けられるかどうか事前に確認するとよいでしょう。

レクリエーション

ゲームをしたり、脳トレクイズをしたり、散歩にでかけたり、囲碁や麻雀、手芸などの趣味活動をしたりと、周りの方々と交流しながら滞在を楽しめるようなレクリエーションを行っています。全員で一緒に同じことをするばかりではなく、思い思いに好きなことを楽しめるよう工夫しているところもあります。施設によって内容が異なるため、事前に見学して好みに合うところを探すとよいでしょう。

※お泊りデイサービスについて

営業時間外に宿泊サービスを行っている施設もあります。しかしデイサービスでの宿泊は介護保険で認められているサービスではないため、自費での支払いが必要であり、緊急時の短期間利用に限られている点に注意しましょう3)

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デイサービスの種類

一般的なデイサービスのほか、リハビリ特化型、認知症対応型、療養型のデイサービスもあります。

一般的な
デイサービス(通所介護)

朝から夕方までの1日、上記に紹介した食事や入浴、機能訓練、レクリエーションをしながら過ごすところが一般的です。
要介護の認定を受けている方が対象ですが1)、要支援の認定を受けている方を受け入れている施設もあります4)

トレーニングに特化した
「リハビリ特化型」

滞在は半日~1日で、入浴や食事などのサービスはなく、マシンを使ったトレーニングなど機能訓練に特化したデイサービスです。マンツーマン指導のスポーツジムのような感覚で通えるので、介護サービスを受けることに抵抗感のある方でも馴染みやすいでしょう。
これからも自分の足で歩きたい、低下した筋力の維持向上を目指したいと望む要支援の方、介護度の軽い方によく利用されています。

認知症の方を対象とした
「認知症対応型」

要介護または要支援の認定を受けている方のうち、認知症の症状がある方を対象としたデイサービスです5)6)7)

重度の要介護者を対象とした
「療養型」

要介護の認定を受けている方のうち、要介護度の重い方など、常に看護師による観察が必要な方を対象としたデイサービスです5)

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デイサービスの
利用条件・対象者は?

デイサービスは、要介護または要支援の認定を受けている人などを対象としたサービスです。まずは、お住まいの地域の役所や地域包括支援センターの窓口で申請をし、介護保険の認定を受けましょう。
また、利用するにあたっては、ご本人の担当ケアマネジャーが作るケアプランに、デイサービスを組み込んでもらう必要があります。もしまだケアマネジャーが決まっていない場合は、地域包括支援センターに相談するなどして担当ケアマネジャーを決めましょう。ケアマネジャーがご本人やご家族の思いを聞きながら、ご本人に合ったデイサービスを選び、通えるように支援してくれます7)

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デイサービスを利用する
メリット・デメリット

デイサービスを利用する
メリット

  • 外部の人と交流する機会が増え、孤立感の解消につながります。
  • 機能訓練により心身の機能維持を目指すことができます。
  • 一人暮らしなどで自宅では十分に食事が摂れていないという方も、栄養バランスのとれた食事を周りの方々と一緒に楽しむことができます。
  • 適切な介助を受けながら入浴することができます。
  • 介護されているご家族がリフレッシュする時間を作ることができます。

デイサービスを利用する
デメリット

  • デイサービスを利用するには費用がかかります。
  • デイサービスがご本人に合わないと、利用がかえってストレスになることも考えられます。
    決める前に見学するなどしてご本人に合ったところを探すようにしましょう。

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デイサービスの1日の流れ

一般的なデイサービスでの1日の過ごし方の例です。

  1. 8:30
  2. 10:30
  3. 12:00
  4. 14:00
  5. 16:30
お迎え
健康チェック
入浴
趣味活動
食事
機能訓練
レクリエーション
お送り

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デイサービスを利用するときの
注意点

ご本人の状態、デイサービスの種類、お住まいの地域によって選び方に注意が必要な場合があります。利用を決めるにあたってはケアマネジャーとよく相談しましょう。