ビタミンCが多い
食べ物とは?
働きと1日の摂取量・
摂るタイミング

ビタミンCは皮膚などを構成するコラーゲンをつくるために必要な栄養素です。ここでは、ビタミンCの働きや多く含む食べ物、過剰摂取や不足した時の状態、ビタミンCを摂取するタイミングなどをご紹介します。

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ビタミンCとは?
ビタミンCの主な役割と働き

ビタミンCは、水に溶ける性質を持つ水溶性ビタミンの一種です1)。活性酸素の働きを抑える抗酸化作用や鉄の吸収を高める作用があるほか、皮膚や血管、腱、軟骨などを構成するコラーゲンの合成にも関わっています1)2)。からだの中でつくることができないため、食べ物や飲み物から摂取する必要があります3)

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ビタミンCを
多く含む食べ物

ビタミンCは、緑黄色野菜や果物などに多く含まれています2)。ただし、これらの食べ物に含まれるビタミンCの量は、保存期間や調理方法によって変化します4)。特に加熱調理でより多くのビタミンCが失われることが知られています5)。加熱調理の中では、ゆでるよりも蒸したり電子レンジで調理したりするほうが、ビタミンCが食品中に比較的残りやすいとされています5)。効率的にビタミンCを摂取するためには、調理方法を工夫するとよいでしょう。

ビタミンCを多く含む野菜6)

ビタミンCを多く含む野菜には、ピーマン、めキャベツ、ブロッコリーなどがあります。

ビタミンCを多く含む野菜6)
食品 ビタミンC含有量mg
(可食部100gあたり)
トマピー(生) 200
赤ピーマン(油いため) 180
赤ピーマン(生) 170
めキャベツ(生) 160
ブロッコリー(焼き) 150
ブロッコリー(生・電子レンジ調理) 140
和種なばな(生) 130
ブロッコリー(油いため) 130
パセリ(生) 120
とうがらし(果実、生) 120
洋種なばな(生) 110
なずな(生) 110
めキャベツ(ゆで) 110
とうがらし(葉・果実、生) 92
はなっこりー(生) 90

ビタミンCを多く含む果物6)

ビタミンCを多く含む果物には、アセロラ、グァバ、ゆず、キウイフルーツなどがあります。

ビタミンCを多く含む果物6)
食品 ビタミンC含有量mg
(可食部100gあたり)
アセロラ(酸味種、生) 1700
アセロラ(甘味種、生) 800
グァバ(白肉種、赤肉種、生) 220
ゆず(果皮、生) 160
キウイフルーツ(黄肉種、生) 140
すだち(果皮、生) 110
レモン(全果、生) 100
かき(甘がき、生) 70
マンゴー(ドライマンゴー) 69
キウイフルーツ(緑肉種、生) 69

ビタミンCを多く含む飲み物

ビタミンCは、青汁やお茶(玉露)などにも含まれています。アセロラやグレープフルーツ、オレンジなどビタミンCを含む果物のジュースから摂取するのもおすすめです6)。ただし、果物のジュースには果糖が多く含まれており、過剰摂取により中性脂肪が増加したり、肥満の原因となったりすることもあります。1日1回コップ1杯までと決めるなど、摂取しすぎないように注意しましょう。

ビタミンCを多く含む飲み物6)
食品 ビタミンC含有量mg
(可食部100gあたり)
青汁(ケール) 1100
アセロラ(10%果汁入り飲料) 120
グレープフルーツ(濃縮還元ジュース) 53
バレンシアオレンジ(濃縮還元ジュース) 42
グレープフルーツ(ストレートジュース) 38
うんしゅうみかん(濃縮還元ジュース) 30
バレンシアオレンジ(ストレートジュース) 22
玉露(浸出液) 19
グァバ(20%果汁入り飲料) 19
グレープフルーツ(50%果汁入り飲料) 19

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ビタミンCが不足・過剰摂取
したらどうなる?

ビタミンCを摂取する量によっては不足や過剰の状態となり、健康に悪い影響を及ぼすことがあります。

ビタミンCが不足すると
どうなる?7)

ビタミンCが不足すると、コラーゲンの合成ができなくなり、血管がもろくなります。その結果、出血しやすくなり、疲労や倦怠感、歯茎からの出血、貧血などにつながることがあります。

ビタミンCを過剰摂取すると
どうなる?

ビタミンCは、過剰に摂取しても健康に影響を及ぼしにくいと考えられています。そのため、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では耐容上限量は設定されていません7)。ただし、サプリメントなどからビタミンCを大量に摂取すると、吐き気や下痢、腹痛などが起こることがあるため、通常の食品以外のものから1日に1000mg以上の量を摂取することは推奨されていません3)7)

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ビタミンCの
1日に必要な摂取量

ビタミンCの1日あたりの推定平均必要量や推奨量は、年齢や性別ごとに設定されています。妊娠中や授乳中の方は、胎児の発育に必要な量や母乳から失う量を考慮して、より多くのビタミンCを摂取することが推奨されています。また、たばこを吸う方は、吸わない方よりも多くのビタミンCを必要とすることが知られています。禁煙を第一に考えつつ、ビタミンCをしっかり摂取するとよいでしょう7)

1日あたりのビタミンCの摂取基準7)
男性 女性
推定平均
必要量
推奨量 推定平均
必要量
推奨量
12~14歳 85mg 100mg 85mg 100mg
15~17歳 85mg 100mg 85mg 100mg
18~29歳 85mg 100mg 85mg 100mg
30~49歳 85mg 100mg 85mg 100mg
50~64歳 85mg 100mg 85mg 100mg
65~74歳 80mg 100mg 80mg 100mg
75歳以上 80mg 100mg 80mg 100mg
妊婦 +10mg +10mg
授乳婦 +40mg +45mg

※推定平均必要量は、ビタミンCの欠乏症である壊血病を予防するにための最小量からではなく、心臓血管系の疾病予防効果及び抗酸化作用の観点から設定されています。

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ビタミンCの
摂り方とタイミング

ビタミンCは、1日あたり200mg程度までの摂取の場合、吸収率が90%と高いですが、1日あたり1000mg以上摂取した場合、吸収率が50%以下になることが知られています7)。そのため、1日にまとめて大量に摂取するのではなく、適切な量をこまめに摂取することが大切です。
また、加熱調理でより多くのビタミンCが失われることから、できれば生の状態で摂取するのがおすすめです。ビタミンCには水に溶ける性質もありますので、加熱する場合は、スープにしたり、ゆで汁・煮汁も摂取できる方法で調理したりするとよいでしょう。