【手軽】
少量で高栄養な
食べ物とは?
簡単栄養アップ
レシピ
簡単栄養アップレシピ

食欲不振で食べたいけれど食べられないときなどにおすすめの、少量で栄養価の高い食べ物をご紹介します。コンビニやスーパーですぐに購入できるものや、家にある調味料で調理に一手間加えて栄養アップする方法などを栄養士が解説。子供から高齢者まで食べられる簡単栄養アップレシピもご紹介します。

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手軽に買える
少量で
栄養価の高い食べ物

1回に食べられる量が少なくて1日3食の食事では必要な栄養が不足するときは、おやつタイムを上手に利用するのも一つの方法です1)。特に高齢者はエネルギーとたんぱく質が不足しやすいといわれています2)。そこで、栄養不足が気になるときに役立つ少量でもしっかりと栄養が摂れる食品をご紹介します。

エネルギーたんぱく質
両方摂れる食べ物

おやつタイムに取り入れやすいスイーツは、コンビニやスーパーで手軽に購入できるうえに、エネルギーもたんぱく質も両方摂取できる商品がたくさんあります。朝食にもプラスしやすい、乳製品や卵もおすすめです1)

食品例 エネルギー3) たんぱく質3)
プリン1パック(100g) 126kcal 5.5g
アイスクリーム※1個(110g) 223kcal 3.9g
ヨーグルト1パック(80g) 54kcal 3.4g
カステラ1切れ(50g) 160kcal 3.1g
豆乳200cc 92kcal 7.2g
プリン牛乳200cc 134kcal 6.6g
卵1個(50g) 75kcal 6.2g
スライスチーズ20g 68kcal 4.5g
※乳固形分15%(うち、乳脂肪分8%)

エネルギー摂れる食べ物

手軽に食べられるおやつやジュースなどの甘い飲み物で、エネルギーが摂取できます。ビタミンやミネラルが豊富な果物や、食物繊維が多い焼き芋などもおすすめです1)

食品例 エネルギー3) たんぱく質3)
リンゴジュース1杯(200cc) 86kcal 0.2g
チョコレート3粒(12g) 66kcal 0.9g
マシュマロ5個(15g) 49kcal 0.3g
バナナ1/2本(50g) 43kcal 0.5g
焼き芋1/4本(50g) 41kcal 0.4g

たんぱく質摂れる食べ物

魚の缶詰は、骨まで柔らかく加工されていて、高齢者向けの食材として便利です2)。そのまま食べることができる次のようなたんぱく質の豊富な食品を、献立の1品として、サラダ、ご飯やおかゆ、めん類のトッピングとして、毎回の食事に取り入れるとよいでしょう。

食品例 エネルギー3) たんぱく質3)
まぐろ赤身3切れ(50g) 63kcal 13.2g
さば水煮缶(50g) 95kcal 10.4g
木綿豆腐(80g) 58kcal 5.3g
かにかまぼこ3本(30g) 27kcal 3.6g
卵豆腐(80g) 63kcal 35.1g
しらす干し大さじ2(10g) 12kcal 2.4g
肉そぼろ大さじ1(15g) 32kcal 2.1g
サケフレーク大さじ1(15g) 27kcal 1.9g
>タンパク質不足について

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普段食べる食事に一手間加えて
栄養価を高くしよう

おかゆ、リゾット、汁物やシチューなどの調理の際は、水の代わりに牛乳や豆乳を使うと、量は変わらずに栄養がアップします2)4)。しらすは、柔らかく骨も食べられ、カルシウムも摂取できるので、おかゆやご飯のトッピングにおすすめです2)。塩分が気になる場合は、ザルに広げて熱湯をかけ、湯通ししてください2)
葉物野菜などは、おひたしではなく、ごま和えやマヨネーズ和え、白和えにすると栄養が高まります。マヨネーズ状のもので和えると、口の中でばらけにくく、飲み込みやすくなります2)

おかゆ
水のかわりに
牛乳(200ml)を
加え
牛乳がゆに
卵(1個)を
加えて
卵がゆに
水のかわりに
豆乳(200ml)を
加えて
豆乳がゆに
リゾットに
粉チーズ
大さじ1(6g)を
加えて
チーズリゾットに
しらす
(大さじ2)を
トッピング
追加できる
エネルギー+ 134kcal+ 75kcal+ 92kcal+ 27kcal+ 12kcal
追加できる
たんぱく質+ 6.6g+ 6.2g+ 7.2g+ 2.6g+ 2.4g
おひたし
豆腐(80g)を
加えて
白和えに
きな粉を加えた
ごま和えに
きな粉・すりごま 各大さじ1
砂糖小さじ1
マヨネーズと
すりごまで
マヨネーズ和えに
各大さじ1
+ 58kcal+ 100kcal+ 138kcal
+ 5.3g+ 4.6g+ 2g

食材や調味料を加えて
栄養アップ

ちょっとした工夫で、栄養アップできるおすすめの食材と方法をご紹介します。

おすすめ食材 栄養価3) 栄養アップの方法
きな粉 大さじ1(8g)
:35kcal
たんぱく質2.8g
  • 牛乳にきな粉を入れ
    ドリンクに。
  • 汁物や和え物にもきな粉や
    すりごまをプラス。
すりごま 大さじ1(9g)
:54kcal
たんぱく質1.8g
あげ玉 大さじ1(5g)
:20kcal
たんぱく質0.5g
  • ご飯や汁物のトッピングに。
  • 炒り卵、卵とじ、卵焼きと
    いった卵料理に加えて。
ごま油や
オリーブオイル
大さじ1(12g)
:108kcal
たんぱく質0g
  • 汁物、おかゆ、野菜料理の
    風味付けに。
  • ご飯を炊くときにサラダ油
    を加えて。
マヨネーズ 大さじ1(12g)
:84kcal
たんぱく質0.2g
  • 淡白な味の魚や脂の少ない
    肉を味噌マヨネーズ味に。
    柔らかく仕上がります。
  • ゆで野菜をマヨネーズ和えに。

調理方法を少し変えて
栄養アップ

同じ食材を使っていても、摂取できるエネルギーは「ゆでる」<「焼く」<「揚げる」の順に高くなります5)。油や、砂糖やマヨネーズ、ごまなどのエネルギー量の高い調味料を使うとエネルギーが増えます。油が多くなると味がしつこくなり、食欲不振のときには食べにくくなりますが、例えば以下のように、酸味、薬味、スパイスを使ってさっぱりと仕上げると食べやすくなります。

  • 魚や肉のから揚げにネギや唐辛子の入った甘酢を絡めて南蛮漬けに
  • いつもの炒め物の調味料をポン酢にチェンジ
  • 冷しゃぶサラダのごまドレッシング和え
  • カレー粉や唐辛子などの香辛料を使ってアクセントに
  • 油を使った料理にしそ、みょうが、しょうが、ねぎなどの
    香味野菜やレモン汁をプラス

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管理栄養士おすすめ!
少量で栄養が摂れるレシピ

簡単に作れて、しっかりと栄養補給ができる、おすすめのレシピ2品をご紹介します。

1品でエネルギー・たんぱく質・脂質がバランス良く摂れる!
「長いもソースのチキンドリア」

材料(2人分)
〈長いもソース〉
  • 長いも(直径5cm×10cm)
    150g
  • 牛乳
    150ml
  • 味噌
    大さじ1
〈具材〉
  • 鶏肉
    150g
  • 小さじ2
  • 長ねぎ(1本)
    100g
  • サラダ油
    小さじ2
  • めんつゆ(3倍濃縮)
    小さじ1
  • ご飯
    250g
  • ピザ用チーズ
    40g
  • 刻み青ねぎ
    適量
栄養価(1人分)
  • エネルギー
    542kcal
  • たんぱく質
    28.4g
  • 塩分
    2.2g
エネルギー
20%
たんぱく質
26%
脂質
54%
作り方
  1. 長いもソースを作る。長いもをすりおろしてボウルに入れ、牛乳で溶いた味噌を加えて、全体を混ぜる。
  2. 鶏肉は、2cm角に切って酒小さじ2を振り5分置く。長ねぎは斜め薄切りにする。
  3. フライパンにサラダ油を熱し、2を入れ、火が通るまで炒めたら、めんつゆを加え、香ばしい香りがしたら火を止める。
  4. 3にご飯を加え、全体を混ぜたら、長いもソースを加えてさらに混ぜる。
  5. グラタン皿に4を盛り付け、ピザ用チーズをのせて、オーブントースターでこんがりと焦げ目がつくまで加熱する。仕上げに刻み青ネギを散らす。

ワンポイントメモ

  • ホワイトソースの代わりに、長いもを使った手軽にできる和風のグラタンです。
  • 和の調味料で、高齢の方にもなじみやすく、いつものグラタンよりあっさりと仕上がります。
  • 乳製品を使うことで、しっかりとエネルギーやたんぱく質をアップしています。
  • ねぎをたっぷり入れて炒めることで風味が増します。
  • 噛む力の弱い方には、鶏肉をひき肉に、長ねぎはみじん切りにすると食べやすくなります。

香ばしいきな粉の香りが食欲をそそる
「きな粉のフレンチトースト」

材料(2人分)
  • 食パン(6枚切り)
    2枚
    • 1個
    • 牛乳
      150ml
    • 砂糖
      小さじ2
    • きな粉
      大さじ1
  • バター
    10g
  • ホイップクリーム
    20g
  • 黒蜜
    20g
  • きな粉
    大さじ1
栄養価(1人分)
  • エネルギー
    411 kcal
  • たんぱく質
    14.9g
  • 塩分
    1.1g
作り方
  1. ボウルに、Aの材料を入れてよく混ぜたら、バットに移し食パンを浸す。片面約5分ずつ置き、卵液がすべてしみ込むまで置いておく。
  2. フライパンにバターを入れて弱火で溶かしたら、中火にして1を入れてこんがりと焼き色がついて中まで火が通るまで加熱する。
  3. 2を食べやすくカットして器に盛り付け、黒蜜をかけ、ホイップクリームを乗せて、きな粉を振りかける。

ワンポイントメモ

  • 卵液をパンにしっかりしみ込ませてから焼くのがおいしく作るポイントです。
  • 時間のないときは、パンの耳の内側に沿ってフォークで数か所穴をあけると早くしみ込みます。
  • ホイップクリームの代わりにアイスクリームを添えたり、お好みのフルーツを添えたりしてもおいしくいただけます。
  • 乳製品ときな粉は好相性。香ばしいきな粉の香りが食欲をそそります。

食材や調理方法を工夫すると、手間をかけずに栄養アップが可能です。
毎日の食事を楽しみながら、しっかりと栄養を摂りましょう。