食後の咳には要注意

2019.4.5

「むせ」は誤嚥のサイン

通常は食べ物や唾液は喉から食道に送られます。食道に行くはずの食べ物や唾液が気管に入ってしまうことを「誤嚥(ごえん)」といいます。誤嚥によって食べ物や唾液が気管に入ると、反射的に激しい咳が出てきます。これが「むせ」といわれる現象です1)
「むせ」ることによって、気管に入った食べ物や唾液を気管の外に出すことができます。食事中や食べた後すぐに咳をしている場合は、誤嚥している可能性があります1)

「むせ」ない誤嚥もある

飲み込みに問題があると、食べ物や唾液が気管に入ってもむせないことがあります。これを「不顕性誤嚥(ふけんせいごえん)」といいます。不顕性誤嚥があると誤嚥性肺炎につながる可能性が高くなります1)

また、誤嚥があると痰の量が増えます。食事中や食後に「むせ」ていなくても、痰がからみやすくなっていたら、誤嚥している可能性があります1)
誤嚥は食べている時間以外にも起きます。特に横になっている時は胃から逆流してきた食べ物が気管に入りやすくなります。寝ている時に咳をしている場合は、胃からの逆流によって誤嚥している可能性があります1)
このように、食後や寝ている時に咳をしている場合、飲み込みに問題があって、誤嚥が起きているサインかもしれないので、一度、かかりつけ医に相談してみましょう1)

1.藤島 一郎.嚥下障害のことがよくわかる本.講談社.(2014)