ワークエンゲージメントとは?
意味から測定方法、高める取り組みまで徹底解説
【目次】
- ワークエンゲージメントとは
- ワークエンゲージメントが着目される理由
- ワークエンゲージメントを高めるメリット
- ワークエンゲージメントを測定する方法
- ワークエンゲージメントを高める要素
- ワークエンゲージメントを高める方法
- 測定とフィードバックのサイクル化
- ワークエンゲージメント向上の成功事例
- ワークエンゲージメントを向上させて、組織の活性化を!
「もっといきいきと働ける職場にしたい」ーー多くの企業が抱える共通のテーマではないでしょうか。活気ある職場ほど、自然とチーム力が高まり、生産性も向上します。その鍵として注目を集めているのが「ワークエンゲージメント」です。
本記事では、その意味や測定方法、高めるための実践策をわかりやすく解説します。自社の職場改善に役立つヒントとしてご活用ください。
ワークエンゲージメントとは

働き手不足が問題視される今、従業員の働きがい向上は企業にとってますます重要なテーマとなっています。そうした中、厚生労働省も注目するのがワークエンゲージメントです。
ここでは、その定義や構成要素を解説するとともに関連する概念との違いも分かりやすく紹介していきます。
基本的な定義と概念
ワークエンゲージメントとは、仕事にやりがい(誇り)を感じ、熱心に取り組み、仕事から活力を得ている状態のことです。オランダ・ユトレヒト大学のシャウフェリ教授らが提唱し、従業員の働きがいを客観的にとらえる指標としても注目されています。
ワークエンゲージメントを構成する要素は、以下の3つです。
- ● 活力(Vigor):勤務中、高水準で精力的に取り組んでいる
- ● 熱意(Dedication):仕事に誇りや意義を感じている
- ● 没頭(Absorption):業務に夢中になって取り組める
この「活力」「熱意」「没頭」の3要素がすべて満たされている状態を、ワークエンゲージメントが高いといいます。
従業員エンゲージメントとの違い
「ワークエンゲージメント」と「従業員エンゲージメント」、言葉も似ていてどちらも働きがいに関する重要な概念ですが、焦点の当て方が異なります。
ワークエンゲージメントは、従業員が仕事に前向きに没頭し活力や熱意を発揮している状態で「個人と仕事との関係」に焦点を当てています。一方、従業員エンゲージメントは、会社への信頼や愛着、長期的な貢献意欲を示すもので「個人と組織との関係」が焦点です。
つまり、ワークエンゲージメントは「仕事」に、従業員エンゲージメントは「会社」に対するエンゲージメントと言えます。それぞれは互いに影響し合うため、両者とも重要です。
モチベーションやワーカホリズム、バーンアウトとの違い
ワークエンゲージメントはポジティブで持続的な集中力と活力を伴い、成果の質を高めつつ健康にも良い影響を与える、健全な仕事への熱中です。
「モチベーション」は報酬や評価など外部要因に左右されやすく、例えばボーナスや昇進を目指して一時的に頑張る状態を指します。ワークエンゲージメントと異なるのは、持続性の面です。
「ワーカホリズム」とは、過度に強迫的に働く傾向のことで、体調を崩す場合もあります。「バーンアウト」はいわゆる燃え尽き症候群のことで、仕事への意欲を失ってしまう状態です。
従業員と組織の活性化を考えるうえでは、これらの違いを正しく理解することが重要です。
ワークエンゲージメントが着目される理由

近年、多くの企業が「社員の健康増進と生産性向上をどう両立するか」という課題を抱えています。そこでワークエンゲージメントが注目されるようになりました。
働きがいを持ち仕事に前向きに没頭できる状態は、活力や集中力を高めるだけでなく、長期的な成果や職場の活性化にもつながります。このため、企業にとって重要な指標といえます。
ワークエンゲージメントを高めるメリット

ワークエンゲージメントは、企業と従業員の双方に良い影響を与えます。企業には業績や定着率の向上を、従業員には働きがいと健康をもたらします。ここからは、それぞれのメリットを具体的に見ていきましょう。
企業側のメリット
従業員のワークエンゲージメントが高まると、業績向上・人材定着・顧客満足など、多方面に効果が波及します。
生産性の向上
ワークエンゲージメントを高めると、従業員は集中力とエネルギーを発揮して仕事に取り組めます。単に作業効率が上がるだけでなく、主体的な業務改善や新しいアイデアの提案など、質の高い成果を生み出す点がポイントです。
また、個人の高いパフォーマンスはチーム全体にも良い影響を与え、結果としてさらなるワークエンゲージメント向上につながる好循環が期待できます。
離職率低下・人材定着
ワークエンゲージメントが高まると、従業員は仕事や職場に満足感を持ち、やりがいや人間関係への不満が減ります。結果として、役割への誇りと職場・企業文化への愛着が高まり、離職率の低下につながります。
さらに、人材が長く定着すれば人材育成への投資効果が持続します。採用・教育コストの削減にもつながり、経営効率の向上という面でも大きなメリットをもたらします。
顧客満足度の向上
ワークエンゲージメントの高い従業員は、自発的に質の高いサービスや丁寧な対応を行う傾向が強いとされます。仕事にやりがいを持つことで強い責任感が生まれ、顧客に対してより良いサービスを提供しようと、細部にまで気を配ります。
そのような丁寧なサービスを受けた顧客の満足度は高まり、リピート率や口コミも増加し、結果として売上向上にもつながります。
従業員にとってのメリット
ワークエンゲージメントが高いと、従業員自身のメリットもあります。仕事への満足感ややりがいが増すだけでなく、心身の健康にも良い影響をもたらします。それぞれの効果を詳しく見ていきましょう。
働きがい・やりがいの向上
ワークエンゲージメントが高まると、仕事に「やらされ感」ではなく意味や誇りを感じながら取り組めます。日々の業務を通じて自分の成長を実感し、「社会や誰かの役に立っている」という実感を得やすく、働きがいが大きく高まります。
仕事が単なる義務や労働時間ではなく、自分らしさを発揮できる時間として、やりがいを持って取り組めるようになります。
心身の健康
ワークエンゲージメントが適度に高まることは、従業員の心身の健康状態にも大きなプラスになります。仕事に前向きに取り組めることでストレスが和らぎ、気持ちが安定し、過労感も軽減されるためです。「健康経営」の観点からも注目されています。
ただし、ワークエンゲージメントとワーカホリズムの間には正の相関が指摘されるため、過度な長時間労働を称揚する風土は見直す必要があります。
ワークエンゲージメントを測定する方法

ワークエンゲージメントを測定する方法はいくつかあります。ここでは代表的な3手法を紹介しますので、ぜひ自社での活用のヒントにしてください。
UWES(ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度)
オランダ・ユトレヒト大学で開発された「UWES」は、活力・熱意・没頭の3要素を17項目の質問で点数化し、従業員の心理状態を数値で客観的に把握できます。ワークエンゲージメントを直接的に測定できる方法として、国際比較や学術研究でも広く使われています。
MBI-GS(マスラック・バーンアウト・インベントリー ゼネラルサーベイ)
「MBI-GS」は、燃え尽き症候群(バーンアウト)の有無や程度を測定するために国際的に広く利用されている質問票です。疲労感、シニシズム(仕事への無関心な態度)、職務効力感といった3つの側面を数値化し、従業員のストレス状況を把握します。
OLBI(オルデンバーグ・バーンアウト・インベントリー)
「OLBI」もバーンアウトの状態を把握する質問票で、MBI-GSと並んで国際的に活用されています。よりシンプルで幅広い職種に適用しやすい点が特長です。
測定内容は「疲労感(Exhaustion)」と「離脱感(Disengagement)」の2要素で構成されています。
ワークエンゲージメントを高める要素

ワークエンゲージメントを高めるには、「仕事の資源」と「個人の資源」の両面を整えることが効果的です。
仕事の資源
仕事の資源とは、社員が安心して働きながら「ここで頑張りたい」と思えるよう支える制度や環境のことです。
例えば、キャリア開発の機会や雇用の安定、上司からのコーチングや同僚のサポート、意思決定への参加や仕事の進め方に対する裁量などが挙げられます。さらに、適切なフィードバックや、努力が公正に評価されることも重要な資源です。
仕事の資源を活用できる環境が整っていると、仕事の負荷による悪影響が緩和され、ワークエンゲージメントが高まり、働きがいが醸成されます。
個人の資源(心理的資本)
個人の資源(心理的資本)とは、従業員の仕事に対する考え方や心の在り方を指し、複数の要素で構成されます。
例えば、「自分ならできる」という感覚を持つ自己効力感、未来の成功を前向きに思い描ける楽観性、困難や失敗に直面しても立ち直り前進できるレジリエンス、そして目標に向かって粘り強く取り組み、必要に応じて軌道修正できる希望などです。
これらの資源がしっかり育まれていると、日々の仕事にやりがいを感じやすくなり、自然とワークエンゲージメントも高まっていきます。
ワークエンゲージメントを高める方法

ではワークエンゲージメントを高めるには、どのような取り組みが効果的でしょうか。主に3つを紹介します。
ジョブクラフティング
ジョブクラフティングとは、従業員が自ら仕事のやり方や役割を工夫し、「ただこなすもの」から「より意味のあるもの」へと働き方を変えていくアプローチです。
例えば、単純作業を「お客様の笑顔につながる大切な役割」ととらえ直したり、他部署と積極的に連携して新しい価値を生み出したりすることが該当します。
仕事のやり方を工夫し、人とのかかわり方を見直し、日々の仕事の意味づけを再定義することで、やりがいや主体性が高まり、自然とワークエンゲージメントも向上します。
リカバリー経験(休み方)
ワークエンゲージメントを高めるためには、働き方だけでなく「リカバリー経験(休み方)」の在り方も重要です。仕事で消耗した心身のエネルギーを充電する適切な休み方ができているか、次の4指標を押さえましょう。
- ● 心理的距離化:仕事について考えたり作業したりしていない状態か
- ● リラクゼーション:心身がくつろげているか
- ● 熟達:余暇時間に自己啓発を実施しているか
- ● コントロール感:自分で休み方を決められているか
企業としては、休暇制度の充実やワークライフバランス研修などのサポートにより、従業員の意欲と活力を長期的に支えることができます。
コミュニケーションの活性化
ワークエンゲージメントを高めるには、コミュニケーションの活性化も欠かせません。例えば、上司と部下のコミュニケーションが円滑だと、仕事がスムーズに進むだけでなく、自己効力感や成長実感も高まります。そのため、日常的なフィードバックの実践が重要です。
では、どのようにコミュニケーションの場を設ければよいのでしょうか。職場で実践しやすい具体的な方法を紹介します。
雑談・交流の場の仕組み化
業務外でのちょっとしたおしゃべりや交流は、信頼関係を育て、安心して働ける環境づくりに大切です。そのため、雑談や交流の場を組織内で仕組み化することが効果的です。
例えば、社内カフェや休憩ラウンジの設置、ランチ会や懇親会、部署横断の交流イベントなどの実施に加え、リモートワークが多い職場ではオンライン雑談ルームやバーチャル休憩室の活用もあります。
企業がこうした場を設けることで、業務の垣根を超えたつながりが生まれ、助け合いや協力が自然に生まれやすくなります。
コーヒーブレイクの導入
職場のコミュニケーションをさらに活性化したいなら、「コーヒーブレイク」の導入も効果的です。コーヒーをきっかけに部署を超えた交流が生まれ、リフレッシュにもつながります。自然に「立ち話の場」が生まれ、チーム間でのアイデア共有や連携も促進されるでしょう。
こうしたコーヒーブレイクの機会を手軽に導入できるサービスとして「ネスカフェ アンバサダー プログラム」があります。職場に「ネスカフェ」のコーヒーメーカーを設置するだけで、従業員が気軽にコーヒーブレイクを楽しめる環境をつくれます。コーヒーブレイクについて詳しくはこちらを参考にしてください。
測定とフィードバックのサイクル化

ワークエンゲージメントの向上は、施策を導入して終わりではありません。定期的に調査を実施し、効果を検証し、課題を明らかにしたうえで改善するーーこのPDCAサイクルを四半期ごとに回すことが重要です。
エンゲージメントサーベイやパルスサーベイなどの定量調査に加え、定性インタビューで現状を把握し、その結果を従業員とも共有していきましょう。そこからチームで課題を話し合い、改善アクションをともに決めることで双方向の取り組みが生まれます。
ワークエンゲージメント向上の成功事例

ここでは2社の成功事例を紹介します。
【事例1】従業員が働きがいを感じられる環境整備
あるIT企業では、分業制やサテライトオフィスの導入、社内報によるコミュニケーション促進、能力開発やキャリア支援による「学ぶ風土」の醸成など、従業員が働きがいを感じられる環境づくりに取り組んだ結果、定着率や労働生産性が向上しました。
【事例2】承認し合う文化を醸成
ある外食企業では、評価・報酬制度の改善やキャリアステップの透明性、研修制度の拡充、感謝を「見える化」する社内SNSの導入により、離職率の減少や生産性の向上につながっています。
ワークエンゲージメントを向上させて、組織の活性化を!

ワークエンゲージメントは、従業員がいきいきと働くための大切な鍵であり、企業の成長にも直結する重要なテーマです。
施策は多くありますが、まずはコミュニケーションの活性化など小さな一歩から始めるのがおすすめです。例えば職場に気軽に交流できるコーヒーブレイクの場をつくるだけでも自然に会話が生まれ、チームワークや意欲の向上につながります。
「ネスカフェ アンバサダー プログラム」なら定期便でコーヒー等の商品をご購入いただくことで、コーヒーメーカーを無料レンタルできるので手軽に導入できるのが魅力です。小さな一歩を積み重ねることで、組織全体が活性化し、ワークエンゲージメントも高まります。まずはコーヒーを片手に気軽に交流できる取り組みから始めてみませんか。
「ネスカフェ アンバサダー プログラム」の詳細は、以下よりご確認ください。